第7話 魔剣を超えた剣
テストは大成功だ。魔剣とは別のものを作ってしまったようだが成功と言っていいだろう。ただ、神様が叫んだ理由がわからない。
「あのー、神様?大丈夫ですか?」
「大丈夫なわけあるかー!」
「お、落ち着いてください。」
なんだかキャラ崩壊が始まっている気がする。
「落ち着け?これが落ち着いてられるか!お主、どんなことをやり遂げたのかわかっておらんのか?」
「いやだって、オレはただ魔剣を作ろうとしただけですし。それに、あの剣に何か問題があるのですか?」
「はぁ。お主は何もわかっておらんようだな。」
(そんなこと言われてもなー。オレはただ全力を尽くしただけだしなー。)
「その剣、魔力を通さずに魔剣と同じ働きをしているだろう。」
「そうですね。」
「その事がどれほど異常か。儂でも見たことないぞ。そんな物。」
「そんなに凄いですか、これ?」
「凄すぎるぞ。」
神様が凄すぎると言ったということは、つまりこの世界では人前に出せない物ということだ。しかし、せっかく作ったのだし使ってみたい。
「お主の考えていることはだいたいわかるがな、ダメだ。」
「ですが、」
「ダメだ。」
「試し切りだけ」
「ダメだ。」
「、、、」
「ダメだ。」
「何も言ってません!」
しかし、この剣の出来がいいのもあってうずうずする。じっと神様を見ているとやがて神様が折れてくれた。ため息とともに。
(ため息つかなくてもいいじゃん。)
「試し切りだけだけだぞ。」
「よっしゃ、じゃあすぐにネクトも作りますね。」
「まあ待て。ネクトはもう良い。」
「えっでもテストは?」
「その剣で十分だ。」
「そうですか?ならオレは構いませんが。」
むしろ、早く試し切りができていい。
「お主は新たな金属を生み出したのだぞ。おそらくその剣はエンチャントもかけられるはずだ。やってみろ。」
言われた通りに剣にエンチャントをかけてみる。すると、しっかりとかかった。しかもまだできそうだ。
「できました。それに、まだかけれそうです。」
「やはりか。お主が作ったのは、魔剣の性能を常時発動し続け、さらにはエンチャントもかけられる。要するに、魔剣の二倍性能だ。見たところ、他のどの金属とも相性が良さそうだしな。」
神様の言う通りだと、とんでもないものを作り出してしまったようだ。この剣にオレが考えていたことをしたらとんでもないことになりそうだ。
(やらかしたな、これ)
「この金属のおかしさがわかったな?」
「はい。」
「では、試し切りをしに行こうではないか。」
(あれ?なんか神様楽しそうじゃないか?)
どうやら神様も、凄まじい剣を見て、疼くものがあったらしい。
「でも、行くってどこへ?」
「この世界で一番魔物が強い森だ。」
「は?」
「魔物で試し切りを行うぞ。」
オレが初めて見るこの世界は魔物の巣窟だそうです。