第3話 第一の修行
オレの修行っぽいものが始まった。
「お主のやることは3つだ。1つ目は苦痛に耐えること。次に、儂の話を聞くこと。最後にテストをするから、それに合格すること。わかったか?」
「一応は。」
「では、早速始めるとするか。そこに座れ。」
そう言って、立派な椅子を差してくる。座ってもいいのだろうか?
「なにをしている、早く座れ。」
「わ、わかりました。」
「よし、では始める。かなりきついが耐えよ。」
「えっ、きついって何がっ」
「静かにしろ、集中できんだろうが。」
(何の説明もないのか、、、ん?何だこの感覚?)
「よし、魂の回路は繋がったな。では始めるが、今から流れてくるものを拒むではないぞ。」
(魂の回路って何だよ?さっきの変な感覚のことか?)
そんな事を考えていると、いきなり膨大な量の何かが流れ込んできた。
「うっ」
「しばし堪えるのだ。」
(なんだこれ。オレの知らないことがどんどんと流れ込んできやがる。くそっ、頭が割れる。)
「あぁぁぁぁぁぁぁ!」
その情報量の多さについに発狂してしまった。椅子に座ってなければ崩れ落ちていたほどの苦痛が体を襲い、痙攣する。しかし、それもやがて終わりがやってきた。
「はぁ、、、はぁ、、、」
「うむ、よく耐え切った。しかし、肉体の損耗は激しいな。仮の肉体でよかったの。」
「はぁはぁ、ほんと、ですよ。もう一歩も、動ける気、しませんから。」
(本当に何してくれんだ!死ぬかと思ったわ!)
「まぁなんだ、許せ。」
(何が許せだ、全く。けど、今のでこの世界のこともだいぶ理解できたな。)
荒れた息と心を落ち着ける。
「ふぅー。よしと、今のでこの世界のこともだいたい把握できました。それに、今得たことに見合うものでしたし、許しますよ。」
今のでオレは、この世界のことや魔法、錬金術、剣術などほぼ全てのことを理解した。おそらく、神様の記憶か何かを流しこまれたのだのだろう。これで、この世界でも生きていけそうだ。第一の修行終了!