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異世界転生して魔王狩り  作者: 犬好きの高校生
第2章 大国バルディア
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第7話 義手作り

かなり投稿が遅れて申し訳ございません。

あらすじ、題名を変えました。

目を開ける。オレは横になっているようだ。体を起こす。左手も手当てしてあった。


「ここは…」

「…コースケ!」


声の方を見ると、ルナがいた。


「ルナ、良かった。無事だったんだな。」

「…コースケこそ、いきなり倒れるからビックリした。」

「ごめんな。オレが無力だったから…」


自分の無力さに落ち込む。ふと、背中が暖かく包まれる。ルナだ。


「ルナ?」

「…そんなことない。」

「でも、」

「…コースケは強い。私が保証する。」


ルナに言われると、本当に自分が強くなった様に感じる。


「ありがとう、ルナ。」


ルナの手を取り、目の前に優しく引っ張る。


「ルナ。」

「…なに?」

「これからも、オレはルナを守る。」

「…うん。」

「こんなオレだが、精一杯頑張るから。」

「…うん!」


ルナが抱きついてくるのを受け止める。


「…コースケ。」

「ん?」

「…ずっと一緒。」


そう言って、見つめてくるルナ。オレより背の低いルナはオレを見上げる形になる。ルナの上目遣いにドキッとしながら、ルナの頭を撫で、答える。


「当たり前だ。」


オレの言葉を聞いてルナは嬉しそうな顔をした。


「とりあえず今日は寝て、明日から行動を開始するか。」

「…うん。」


ブレスレットから、テントらしきものや、布団の様なものを出す。しかし、布団は一枚しか入っておらず、オレは地面で寝ることにした。しかし、ルナがオレの手を握ったまま離そうとしない。。


「もしもしルナさんや。」

「…?」

「可愛く首かしげてるけど。」


すると、ルナは更に近づいて来て、オレの耳元で囁いた。


「…一緒に、寝よ?」

「っ!」


破壊力ばつぐんな言葉を聞いて固まってしまう。それを肯定と取ったのか、ルナは布団でスヤスヤと寝始めた。


「寝るのはやっ!爆弾落としといてこれか。はぁ、これじゃあ寝れる気しないんだけど。」


そんなことを言いながらも、既に眠気の限界は近く、ルナは寝ながらもオレの手を離さない。仕方なくオレもルナの隣で眠りについた。



「…きて」

「……」

「…起きて、コースケ。」

「んっ。おはよう、ルナ。」


ルナの声で目をさます。辺りは明るくなり始めている。だんだん目が覚めてくると同時に今の状況も思い出し始める。


「うおっ!」

「…?」


ルナと同じ布団で寝ていたことを思い出し、更にルナの顔が目の前にあったことで変な声が出てしまった。だが、ルナはなんとも思っていないようだ。これは誤魔化すチャンスだと思い、今日からの予定を話し出す。


「えーと、これからどうするかだけど。とりあえず、今日はオレの左手の義手を作り、その後街を目指そうと思う。」

「…分かった。」

「まず今いる場所の確認をしとくか。」


地図とコンパスを取り出す。どうやらこのコンパス、座標がわかり、それを保存しておけるようだ。この機能を使って今の場所を確認する。


「ルナを助けた時の座標はこれだから…。まだここはバルディアなのか。じゃあ、王都を目指すか。ルナはそれでいいか?」

「…私はコースケについてくから、それでいい。」


これからの予定も決定した。


「じゃあ、とりあえず義手を作るか。どうせならカッコいいもの作りたいからな。」

「…その前に、朝ごはん。」

「おお、そうだな。」


ブレスレットから、パンのようなものを出し、ルナと並んで食べる。お世辞にもおいしいと言えないため、黙々と食べ続ける。


「義手作ったらすぐに王都に向かおうな。早く王都について、美味しいもの食べたいし。」

「…うん。」

「朝ごはん食べたし義手、作るか。」


義手の材料はオレ特製の金属を使用する。あの金属は作る時のエンチャントによって出来るものも変わってくる。なので、色々と試してみるつもりだ。


「…これって…」


オレが出す材料にルナが驚いているが、製作モードで集中し始めているオレには聞こえない。剣の作製の時にも使った魔道具を使い、剣の時と同じ工程で作業を進める。ミスリル、オリハルコン、アダマンタイト。三つの金属が混ざり合ったところにエンチャントをかけ、金属を完成させる。前回は特に考えず、切れ味の上がるエンチャントだったため、今回は別のエンチャントを試す。


「成功してくれよ。」


エンチャントをかけ終えると、金属が発光した。前回と同じだ。光が収まり、そこには特製の金属が出来上がっていた。


「できた!」

「…すごい、綺麗…」


そこでようやくルナの存在を思い出す。が、仕上げがあるために、もう一度集中する。色々な素材を取り出し、錬金術を行う。素材たちが混ざり合い、出来上がった義手の周りを覆う。


「完成だ。」


完成した義手を右手で持ち上げ、眺める。


「…コースケ。」

「ん?」

「…これってどうやって使うの?」

「それは、こうやって…」


義手を左手があった場所に当てる。すると、義手が腕に吸い付くように動き始め、少しして完全に傷口にくっついた。


「…‼︎」

「で、神経と繋がってこれが動くって感じだな。」


左手を握ったり開いたりしてみるが、まるで自分の手のように動く。


「うん、完璧だな。」


この義手が自在に動く理由。それは、オレがかけたエンチャントにある。オレがかけたエンチャントはそのまま、「義手」だ。この世界の魔法や錬金術はイメージが大事だ。これは逆に、イメージさえ出来てしまえば良いだけ、とオレは考えた。だから今回、義手を作りがてら実験して、成功したというわけだ。


「これが出来たんだ。他にも色々なことができるはず。次は何を試してみるかな。」

「…コースケ。」

「なんだ?」

「…約束。」

「約束、、、そうだった!」


義手が作れたことで興奮し、ルナとの約束を忘れてしまっていた。ルナはそっぽを向いてしまう。


「ごめんルナ。」

「…わかった。早く行こ。」

「ありがとう。」


そんなこんなで、王都へ出発し始めた。



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