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異世界転生して魔王狩り  作者: 犬好きの高校生
第2章 大国バルディア
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第5話 再開

ルナと一緒に外に出る。だが、出てきたところはまるで城の中だった。


「何故、お主がここにいる?」


そして、いるはずのない人物もいた。


「何故、神様が、ここに。」


雰囲気や髪色などは違うが、そこには本物の彼がいた。


「はぁ、あやつらが破れたのはお主だったのか。」

「どういうことですか?説明してください!」


神様は死んだはずで、ここにいる訳がない。一つ、可能性があるとすればそれは、


「もしかして、オレを騙したんですか?」

「物分りが良くなったようで良かったよ。」

「全部嘘だったんですか?」

「全部ではない。お主を助けたのは本当にのことだ。」


(オレを助けることになんの意味があったんだ?)


「実験だ、魂の定着のな。」


また、思考を読んで話しかけてくる。


「実験だと…じゃあ、オレに記憶を流したのは?」

「ああそれはな、この世界のことを理解していないと拒絶反応が起こるからだ。」

「でも、あなたの技術だって…」

「あんなもの、ただの基礎知識にすぎん。あれだけであそこまでできるお主がおかしいのだ。」


神様はオレで実験をしたことは理解した。何故、そんな実験をしたかはわからない。だが、利用されていい気分になる訳がない。それに、ルナも狙っているとなると許せない。


「とにかく、その女をこちらに渡せ。そうすれば、お主に干渉はせん。」

「それは一番無理な話しですね。」

「女に誑かされたな。仕方ない。お前たち、やれ。」


命令と共に、隠れていた魔族たちが襲いかかってくる。魔力を全力で循環させ、向かってくる魔族を拳一発で沈めていく。


「やはり、こいつらでは役不足か。儂が直々にやる。どいていろ。」


何を言っているのか、魔族の迎撃に集中していて聞こえなかった。そして、9人目の魔族を倒した時、それは起こった。オレの左の手が飛ぶ。一瞬何が起こったか分からなかったが、激痛が襲うと同時に理解する。


「所詮はこの程度。型も何もない、力任せな戦い方では儂は倒せんよ。」


オレの手は神様に切り飛ばされた。だが、オレは強がる。


「こんな痛み、記憶を流された時に比べたらどおってことない。」

「そうか、ならこれはどうだ?」

「コースケ!」


ルナが何かに気づいて叫ぶが、遅い。オレの体が10メートルほど飛び、壁に激突する。全身の骨が軋む。


「今、何を、したん、だ。」

「知らなくていいことだ。実験は役に立ったぞ。感謝するぞ、実験体」


何か言い返したいが、もう意識も飛びそうで、何もできない。


(ルナ、せめてお前だけでも逃げてくれ…)


神様が近づいてくる。手にはオレの血がついた剣がある。オレの前まで来ると、気負いなく、剣を構える。


「さらばだ。」


剣が振られる。そして、オレは目を閉じた。

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