4.戦いの始まり
よろしくお願いします(>人<;)
遠い昔
かつての私は、自分の国を守るために毎日戦っていた。
何人もの敵を殺したが、それと同じぐらいの数の仲間が死んだ。
罪の意識に苛まれながらも、自分達が信じる正義のために戦っていた。
それに、自分の仲間や家族を守るためには仕方のないことだった。
周りで仲間が殺される度に、自分の精神が削られていくのを感じながらも、それでも戦うことをやめることはできなかった。
私は正義のために戦ってるんだ。 私が何とかしないと。
ある日、私の家族が殺された。
殺したのは私の友である男だった。どうやら敵国と繋がっていたらしい。
その知らせを聞いた時、私は自分の中で何かが崩れていく気がした。
私はその友を殺した。
全てがどうでもよくなった。
それからの私は、何の目的もなく、ただ戦場で暴れ回った。
しかし、私の気持ちとは裏腹に、私達の国は敵国と和平条約を結んだ。
私は和平が結ばれた後も、振り上げた拳の矛先を探していた。
ふざけるな! 誰が正義で、誰が悪なのか忘れたのか!
正義の国である私達の国が、なぜ悪である敵国と和平を結ぶのか。
正義は悪を倒さなければならないんじゃないのか。
和平を結ぶということは、私達は悪と仲良くする、つまり、私達も悪なのではないのか。
様々な考えが頭の中を堂々巡りし、私はついに答えに達する。
世界は腐っている。
後に、世界各国は停戦条約を結んだ。
ちょうどその日、世界の反対側で、1人の赤子が生まれた。
私はそれを直感的に感じ取った。
なぜだかはわからない。
わかるのはーー。
「そうか……。これが私の運命か」
世界各国とは逆に、その日から私の長い長い戦いが始まった。
次回「5.決心」