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3ー2 まわる
「どこ行きたい?」
「どこでも構いません」
「なら適当にぶらつくか」
「はい」
「どうした?」
「いえ、なんでも」
彼女の笑顔はなんだか懐かしく感じた。
そして、俺は違和感の正体に気付く。
こんな清楚でかわいいすっぴん女子なんてめったにいないだろ!
ということにだ。この子は絶対に可愛い。
化粧したら女優顔負けの部類に入るだろう。そんな子と歩いていると、周囲の視線が集まる。
俺は恥ずかしくなり、俯いた。
すると、俺の左手に何かが触れる。彼女を見ると、俺の手を握ってきた。
「どうかしましたか?」
「こういうのはやめたほうが」
「どうしてですか?」
「えっと、ほら、変に勘違いされるからだ」
無駄なことをしている、理性的でない、政府から修正されるべき野生的行動。
揶揄する面倒な連中が学園に見に来ている。
「俺はパイロット目指してるから、なるべく避けたいってか」
「そうなんですか……パイロットになりたいなら身長を小さくされるか、長身でも乗れる開発ほうが先ですね」
こばまれて機嫌が悪くなったのか、ほほをふくらましながら言った。
「盲点だ」
俺の身長は187あって、パイロットの機体コストの面での推奨身長は167である。




