召喚部門本戦開始と黒幕出現
今日は、召喚部門本戦、周りの警護や『マジックシールド』が最も強力なゴールド闘技場で行われている。私はというと、ゴールド闘技場から離れ、潜んでいる邪族達を腹いせで討伐しまくっている。何故かというと---
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いよいよ、召喚部門の本戦か。貴賓席には、皇帝やスオウも現れる。場合によっては、今日黒幕の1人、涼見凌一との戦いが始まるかもしれない。多少は緊張もあるかな。そういえば、私が地上で高ランク邪族と直接戦うのは、ここビルブレムで3度目ね。大森林の虎達、スフィアートの時は実質接触したのはワイバーンのみか。ビルブレム以外、誰かと戦闘中で接敵したのよね。ビルブレムでは、殆どが不意打ちで1撃で討伐していたわ。うーん、思えば直接接敵し、きちんと戦った覚えがない。今回、直接接敵して、初めて戦うことになるのね。
「師匠、いよいよ召喚部門本戦ですね。敵は、今日来るんでしょうか?」
「さあ、そこまでは予想出来ないわね。本戦の間はゴールド闘技場で、私達も邪族を警戒しておくわよ。」
「ククク、我が主よ。今回、展開次第では戦い自体が起こらない可能性もあります。」
「どういう意味よ、リッチ。」
「それは邪族達の現れ方次第ですな。その時までの楽しみにしておきましょう。」
うーん、気になる。
まあいいわ。
「それじゃあ、ゴールド闘技場に行きましょう。」
ゴールド闘技場に到着すると、凄く賑やかだ。周辺には露店もあって、美味しそうな食べ物が色々ある。中に入ると、雰囲気が一変した。どこか緊張感がある。やはり、皇族が見学することもあって、皆、話し方にも気を使っている。私達も、空いている席に座った。
「おー、私とシュリもここで戦うんだー。楽しそうー。」
「リッカ、まずは予選を勝ち抜いてからよ。まあ、余裕で勝ち抜くでしょうけどね。」
「はい、予選楽しみです。」
「お姉様、武器部門の予選の組み合わせが貼ってありました。シュリさんはシルバー闘技場で、リッカさんはゴールド闘技場で試合を行います。本戦への出場枠は8名。戦闘方法はバトルロワイヤル、最後の2人になった時点で、本戦への出場権を獲得出来ます。その後は敗者復活戦で、残り2名を決定します。」
なるほどね、バトルロワイヤルか。リッカとシュリが予選で戦わないのは良かったわ。あ、誰か出てきた。そろそろ始まるわね。
司会と解説者、本戦の審判が紹介され、次に皇帝の挨拶が始まった。3分程続いたが、内容は覚えていない。学校でいう校長の挨拶のようなものだ。戦う選手達の自己紹介もされ、いよいよ1回戦が始まる。
「いよいよ、始まるか。邪族達が今日攻めてくるのかわからないが、必ずビルブレムを守ってやる。」
「シュリ、あまり固くならないの。多少の緊張はあるかもだけど、落ち着いて見ていきましょう。」
「---ああ、そうだな。」
2人の選手が入場し、互いが契約している召喚獣を召喚した。召喚獣は、ブラックバイパーとミスリルマイマイ(ミスリルで覆われた巨大カタツムリ)。
「試合、始め!」
審判から試合開始の言葉が放たれた。
どうしたのだろう?2体とも動かない。お互いを牽制している感じもないし震えている?選手達も疑問に思い話しかけている。
「あれ?これ予選の時と似てる?」
「フィン、今回は私何も考えてないよ!」
気のせいか、あの2体の視線が私を見ているような気がする。
「ククク、やはり我が主のせいですな。」
「なんで?魔力も出てないし、威圧もしていないし、余計なことも考えていない。見ているだけよ。」
「それが問題なのです。主は、私達を遥かに超越しています。見ているだけでも、邪族達にとったら重圧になるんです。それにゾンビハウスを突破して以降、システムの上限を超えたと聞いています。ある種の壁を超えたせいで、見ているだけでも辛くなったのです。」
「何よそれ!私は邪神なのよ。人間側が怖くなるならわかるけど、どうして邪族側が怖くなるの?」
「やはり気がついていませんか?これまで邪族ばかりを討伐し、人間を全く討伐していないでしょう。そこにゾンビハウスの大量浄化です。主は、既に闇の邪神の領域から光の女神の領域に移ってきています。恐らく、近い内に種族も邪神から光の女神に置き換わるでしょう。女神と邪神は表と裏の存在です。女神も人間を討伐し続けたら邪神になるのです。また、邪神も邪族を討伐し、人間を救っていくと神となるのです。」
えー、知らなかった。光の女神!恥ずかし過ぎる。
「ふぇー、師匠凄いですよ!そっちの方が似合います。」
「そうですよ、光の女神なんて、凄いじゃないですか。」
「はは、サーシャ、顔が真っ赤だぞ。いいんじゃないか、光の女神サーシャ!」
「恥ずかしくて死にそう。とりあえず、私は闘技場を出て行くわ。試合が始まらないからね。何かあったら、すぐ飛んでくるわ。」
私は、そろそろと闘技場を出て行った。
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潜む邪族を討伐してから30分程、急に真後ろから気配を感じた。少しずつ、こちらに近づいてきている。この気配、かなりの強者だ。まさか、本当に今日対決することになるとはね。小説だと、最後に現れるのが定石だけど、そう都合良くいかないか。人が少ない場所に移動しましょう。
---この辺りならいいかな。しばらく待っていると、1人の男がこっちに来た。歳は14歳くらい、見た感じまだ子供だ。特徴から考えて、涼見凌一で間違いないだろう。
「はじめまして、僕は涼見凌一。」
「はじめまして、サーシャ・フォーリングよ。」
「ククク、サーシャ・フォーリング?清水茜の間違いだろう?」
!
「へー、その様子だと、色々と調べたんだ。」
「あー、調べたよ。やってくれるね。君の存在が、どういう訳か殆ど感知できないんだよ。存在を捕まえるのに苦労した。」
うん、存在を感知出来ない?変ね、ユニークスキル『存在隠蔽』で指定したのはサリア1人のはずなんだけど。
「なるほど、それで要件は何?」
「スフィアートでの戦争では、面白い物を見させてもらったよ。いくつもの新型魔法や技術を編み出し、冒険者達に教え戦争を勝利に導いた。まさに、英雄という奴だね。」
何が言いたいのかしら?
「邪族が敗北したのが気に入らない?」
「いやいや、僕にとって、邪族なんてものはオモチャ同然なんだ。あんな奴等がどうなろうが知った事か。邪族だけじゃない、この異世界スフィアタリアにいる連中全員が僕のオモチャなんだよ。ただね、1番気に入らないのは僕に存在を気取られず、人間側を上手く操作し、戦争を勝利に導いた君という存在が気に入らないんだ。僕は神なんだよ。全ては、僕の手の上で転がっていれば良いんだよ。君という想定外の人間はいらない。おまけに、僕が丹精込めて作ったゾンビハウスをクリアし、せっかく捕まえた地球の人間達を全員浄化したんだからね。また、集めないといけない。本当にやってくれるよ!しかも、ゾンビハウスに入れないときた。見ただけで、ダンジョンコアが書き換えられたのがわかった。君みたいな脆弱な女がどうやって書き換えたのか、是非知りたいね。」
む、魔力が漏れてきてる。相当、怒っているわね。
「ねえ、戦うなら別の場所でやらない?ここでやれば、大勢の人間達が死ぬわ。ゾンビハウスには建物がない区画があるから、そこに移動しましょう。頑丈さは、作ったあなた自身が1番理解しているはず、どう?」
「ああ、いいよ。どこでやっても結果は変わらないけどね。」
涼見に了解をもらい、私達はゾンビハウスに転移した。
【計画通り!】
洗いざらい、全てを吐いてもらいましょうか!
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