表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/147

ゾンビハウス攻略-2 ゾンビ襲来

門を開けると、貴族が住んでいるかのような大きな屋敷があった。ただし、広く大きいが、屋敷のタイプは和風だった。全体が木で出来ており、屋根には鬼瓦が敷き詰められている。----屋根の鬼て、鬼瓦の事ね。屋敷の大きさに対して、家のデザインも結構凝っている。見事に和風なデザインと屋敷の大きさが調和している。このゾンビハウス、誰が設計したのかしら?雰囲気、屋敷のデザイン、戦国時代を思わせるかのような人達、見事に合っている。相当こちらの世界の日本を研究していないと、こう上手く作れないはず。スフィア?それともサリア?まあいいわ。最下層に行ったらわかるかもしれない。


屋敷を迂回出来るかと思ったけど、木の柵があって無理か。一瞬で破壊出来るけど、やったら反則なんだろうな。玄関まで、それなりに距離があるわ。右手を見ると、道場らしきものがある。


「師匠、右手にある建物はなんですか?住まいとは、どこか違う印象を受けるのですか?」


「あれは、道場というの。剣術や体術などの武芸を嗜む者達が集う場所よ。あそこで、皆、訓練をしているのよ。でも、ここはゾンビハウスだから、ゾンビが訓練しているんでしょうね。」


「おー、あそこで訓練を!でも、ゾンビか〜〜。」


フィンは、一応興味ありそうね。


「ジン、リッカ、とりあえず屋敷周辺を探索してみて。脱出に必要なアイテムがあるかもしれないわ。この手の物は、あちこちに攻略用のアイテムが散らばっているはずよ。あからさまに怪しいのは、全部アイテムボックスに入れなさい。あと、侍ゾンビといってもわからないわね。ゾンビが持ってる武器も全部アイテムボックスに入れておいて。あとあと役立つから。」


「は!わかりました。」

「サーシャ様、一緒に行きたいよ!怖いよ〜。」


「ダメよ。それに私達3人は屋敷の中に入るから、もっと怖い目に遭うわ。」

「ひ!それならジンと一緒に外を見回る。」


リッカをなんとか納得させて、集合時刻は11時として、ここから別行動をとった。


「お姉様、中の方が怖いというのは本当ですか?」


「本当よ。屋敷の中で、一番怖いのは不意打ちね。何の気配もなく、急に襲ってくるし、どこに隠れているかわからないのよね。ただし、それは私達の世界のことであって、ここではわからないわ。さあ、行くわよ。」


2人とも、完全に萎縮してる。初めての経験だし、無理もないか。そうだわ!今のうちに、あのアイテムを渡しておこう。


「フィン、イリス、貴方達に、この小箱を渡しておくわ。」

「師匠、中身は何ですか?」


「今は開けては駄目よ。これから先、私と分断する可能性がある。もし、貴方達に命の危機が発生し、どうしても自分1人で解決出来ない場合が発生したら、それを開けなさい。」


私が本気で言っているのが通じたのだろう。


「「わかりました。」」



屋敷の扉の前に到着すると、予想どおり引き戸だ。


「あれ?取っ手がない?」

「フィン、その扉は引き戸よ。こうやって開けるの。」

《ガラガラ》


「そ、そんな扉があったんですね。」


中に入ると、手入れされていないせいか、あちこち汚れて凄く不気味だった。看板があり、


【ここから、靴を脱げ。】


「し、師匠の部屋と、どこか似ていますね。」


言われた通り、靴を脱ぎアイテムボックスに入れた。道が3方向に別れている。2人を見ると、私の意図がわかったのだろう。2人とも、目に涙を浮かべながら首を横に振った。仕方ない、左から進もう。左の廊下を進んでいくと、途中部屋がいくつかあったけど、両側の障子の中心に南京錠がかけられていたため入れなかった。突き当りを右に曲がると、左手の方向に庭園が見えてきた。


「お姉様、フィン姉、凄く綺麗です。何故か、落ち着きます。」

「本当ね。きちんと管理されているわ。」

「ひ!師匠、あれは何ですか?」


フィンの方向を見ると、侍ゾンビが藁人形で居合の試し斬りをしていた。


「うあ〜〜〜〜、は!」《ヒュン》


おー、藁人形が横に綺麗に斬られた。しかも、切り口が綺麗だ。かなりの剣術じゃなくて刀術レベルね。あの刀も良いわ。


「ふぇ!何ですか今の!剣が全然見えなかった。」


「あれは、剣じゃなくて刀よ。剣は両刃になっているけど、刀は片刃で、切断力を増すために反りが付いているの。そして、さっきの技は抜刀術もしくは居合術といって、刀を鞘に収めた状態で、鞘から抜き放つ動作だけで一撃を加えるか相手の攻撃を受け流し、二の太刀で相手にとどめを刺す技なの。それを試したゾンビは一般的に侍と言われているわ。気をつけなさい、あの侍ゾンビ、達人級の腕を持っているわ。」


あの侍ゾンビ、不服そうな顔をしているわね。何か起こりそうな気がする。


「うあ〜〜〜〜足らん!こんな藁人形を斬ったところで、この刀【孫八】の真価はわからんわ!」


えー、ゾンビて喋ったけ?


「おい、そこの女共、試し斬りさせろ〜〜〜〜!」


げ、有無を言わさず、突然走って来た。しかも、かなりのレベルだ。狙いは------私かよ!


「う〜〜は!」

「いきなり何するのよ!」


後ろに回避しようと思ったが、すぐ横にフィンとイリスがいるため、愛剣【紫電】を出して鍔迫り合いの形になった。この力、間違いなくAクラスだ。なるほど、時折Aクラスを配置させることで、相手の油断を突く戦法か。使用している刀も、かなりのレベルのものだ。


「うあ〜〜〜〜、貴様、やりおるな。」

「あなたも、かなりの腕前ね。フィン、イリス、戦い方をきちんと見ておきさない。」


鍔迫り合いの形のままジャンプし、庭園の中央付近に落ち、一旦離れた。今度は、私から仕掛けていった。一刀両断する勢いで上段切りをしたが、受け流し方が上手い。勢いを完全に殺され、不安定になったところを左上段蹴りがきた。私は、これを右腕で受け流し、同じように左上段蹴りを侍ゾンビの右肩に喰らわせてやった。侍ゾンビは、10m程後退した。


「あ〜〜、ぐ〜〜。」

「どうする?勝敗は、もうわかってるわよね。」


「うあ〜〜〜〜、私は侍!逃げも隠れもしない。この一撃に全てを賭ける!」


なるほど、右肩がまともに機能しないから、上段切りに全てを賭けるわけか。まあ、付き合ってあげますか。侍ゾンビが上段切りなら、私は下段切りに力を入れた。お互い同時に走り、接触の瞬間、勝敗は決した。


「あ〜〜、見事!」


侍ゾンビは浄化により崩れ落ち、刀【孫八】だけが残った。


「よし、刀GET。」


「ふぇー!師匠、凄い攻防でした。目に魔力を集中させたことで、最後の一撃もわかりました。侍ゾンビが襲ってきても、私でも対応出来ると思います。」


速度を侍ゾンビと同等にしておいたからね。


「お姉様、私もなんとかわかったのですが、対応出来そうにないです。」


「アイリスの場合、もし遭遇したら初期の段階で、躊躇せず足に短剣を刺しなさい。不安定になったところを急所である頭に刺せば、楽に勝てるわ。言っておきますけど、私のように馬鹿正直に勝負に付き合う必要はないからね。」


「あ、そうですよね。なんか、人間と話している感じがしました。気をつけます。お姉様、その刀はどうするんですか?」


「これは、かなり邪力が込められた優秀な刀よ。これなら私の魔力を合わせることで、かなり強力な武器に変化するわ。」


刀をアイテムボックスに入れて、早速『物質変換』を使用した。そうだ、 物質を変換させるなら、形状をフィン用の爪に変換させてみよう。紫電の時とは違い、今度は爪自体に聖魔法の属性を加えて、宝石をはめ込める穴を1つ付けておく。うーん、イメージ出来たけど、刀が足りない。まあ、ここはゾンビハウス、フィンに集めさせよう。対人戦の訓練にもなるし、実戦経験を積める。


「さあ、次はフィンが戦闘よ。全力で立ち向かいなさい。」

「はい!」


庭園での戦いが終わり、さらに先に進むと調理場に到着した。案の定、誰かが包丁?を持って何かをしていた。でも、服装がおかしい。調理場用の服じゃない。それに、あれは包丁にしては小さすぎる。どちらかというと、医療用のメスだ。服装も、看護師だ。今のこの環境と見事にチグハグ感を感じる。


「あ〜〜、1本、2本、3本、4本、5本、6本、7本、8本、9本、あ〜、やっぱり1本足りない。お前のメスを寄越せや〜〜〜〜〜〜!うあ〜〜〜〜!」


どこの皿屋敷よ。これじゃあ、メス屋敷になるわ。フィンはどうするかな?


「ふぇ〜〜!いや〜〜〜〜!来るな〜〜!来るな〜〜!」


あー、見事に錯乱してるわね。でも、無意識に右腕のミスリルの爪に魔力を集中させて、メス女を斬り伏せたわ。それにしても、このメス、かなり斬れるわね。ふふふ、これは使えるわ。


「フィン、フィン、落ち着きなさい。もう討伐されていないから。」

「え、あれ、いつの間に討伐したんだろ?」

「フィン姉、錯乱してても、ミスリルの爪に魔力を集中させて、一撃で浄化させてたよ。」

「嘘!全然、覚えてない。」


「次からは、錯乱しないようにね。」


「すいません、服装と短剣があまりにも環境と合っていない気がして混乱してたら、襲いかかってきたんで錯乱してしまいました。気をつけます。」


なるほど、2人とも、違和感には気付いていたか。このゾンビハウス、見事に調和しているかと思いきや、あそこであれを持ってこられたら、誰でも錯乱するかもね。錯乱しているうちに、殺られる可能性が高いわね。


「2人とも、今後、その違和感には注意しておきなさい。感じた時は、必ず何かが起こるから、意識しておいた方がいいわ。」


「「はい!」」


調理場を調べると、メスだけじゃなく、包丁もいくつかあった。これももらっておこう。


「あのお姉様、私達、まるで泥棒のような気がするんですが?」


「どうして?ここはゾンビハウスよ。ここに置かれている物は、全てがアイテム。だったら残しておくのはもったいないわ。利用させてもらいましょう。」


「そうなんですけど、あれ〜、おかしいのは私なのかな?」

「大丈夫だよ、イリス。私もイリスと同じこと思ったから。」


あら?3つ鍵があるわ。これで、南京錠の部屋にも入れる!

今回手に入れたメスも加えたら、あの刀【孫八】を物質変換出来るわね。早速、やっておきましょう。何日で出来るかな?


「さあ、3つ鍵も手に入ったし、どんどん先に進んでいくわよ。」


戻る途中、南京錠で閉じれらた3つ部屋があったが、鍵があったのは1つだけだった。とりあえず、そこに入ってみた。ここは、鞠や凧があるから子供部屋かな?あ、女神像発見!


「師匠、女神像があるという事は、ここが安全な場所ですね。」

「そうみたいね。まあ、何かあったら、ここで女神像に触ってリタイアすればいいわね。」

「お姉様、ここは子供部屋ですよね。何か可愛いものがあります。」


「鞠とか凧ね。元いた世界では、子供の遊びによく使われていたわね。これも、持って帰りましょうか?」


「はい、時間があるときに教えて下さい。」


ふふ、イリスも気に入ったようね。落ち着いてから教えてあげよう。

ふと、女神像の横を見ると、机があり、日記帳のようなものが置かれていた。


「これは、何かしら?」

「師匠、筆跡からして子供の字ですかね?」


擦れて読めない所もあるけど、読める所をまとめるとこんな感じかな。



4月3日

ここ最近、街の様子がおかしい。みんな?気がないよ。僕達どうなっちゃうんだろう?


4月7日

みんな日に日に細くなっている。病?なのだろうか?ここ最近???が多いことと関係しているのかな?


4月9日

友達の?ちゃんがおかしくなった。突然唸り声を上げて、みんなに噛みつきだした。


4月13日

みんなが怪物になっていく。噛まれた人は24 時間以内に怪物になってる。僕もついに噛まれてしまった。嫌だ、あんな怪物になりたくない。


4月14日

きっと???のせいだ。もう、だ、め、だ。自我が、保、て-------。



うーむ、実際に起きた話なのか、作り物の話なのかわからないわね。一応、現実に起こった話と考えておきましょう。街のみんながゾンビになった原因は???。肝心な所が擦れていて読めない。ゲームなら、人が作った殺人ウイルスということなんだけど、この時代から考えて、それはないわね。戦国時代や江戸時代に殺人ウイルスを作れるわけないしね。となると、原因は何か?


「お姉様、みんな可哀想ですよ。何かの原因でゾンビになったんですよね。だったら、せめて私達の力で浄化して安らかに眠らせてあげましょう。」


「師匠、私もそう思います。もう怖いとか言ってられないです。私達には聖属性の武器がありますから、それで浄化してあげましょう。」


ゾンビハウスは1度クリアされてると聞いてるから、作り話の可能性が高い。でも、サリアや黒幕が関わっていた場合、私の元いた世界の大昔の住人を引き込んだ可能性もある。そう考えると、真剣にゾンビハウスのことを考えないといけないわね。


「そうね、聖属性の武器で浄化してあげましょう。それが唯一の方法だからね。」


フィンやイリスもやる気になっているし、これは本格的に調査していかないとね。なんか、さっきまで泥棒紛いのことをしていたからか、今の自分が凄く恥ずかしいわ。フィンとイリスに、気づかされるとはね。


ここからは、真剣に動いていこう。


ブックマーク、評価をお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ