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強さへの渇望

○○○ 島崎美香 視点


2日後、私達はいつも以上に訓練に励んでいる。茜の件もあるから、みんな真剣だ。意外にも、あの金子さん達も真剣に取り組んでいるのだ。現在、騎士団を含め全員が、『魔力纏い』の訓練中だ。このスキルを鍛えることで、『魔力循環』『魔力操作』『身体強化』を鍛えることが可能なので、今は騎士団だけだが、近いうちに冒険者達にも教えていく予定だ。


茜がキッカケで発現したスキル『魔力纏い』は凄い。基礎能力値を結構底上げしてくれる。


「竜崎、この『魔力纏い』、凄いね。これのおかげで、魔力循環や魔力操作のスキルも上がったし、基礎能力値1.3倍くらい上がってるよ」


「ああ、島崎はそのぐらいか。俺は身体強化スキルを持っているから、それと連動して1.8倍ぐらい上がってるぞ。まだレベルが低いからな。鍛えれば、3倍近く上がるんじゃないか?纏い方にコツがあると思うぞ」


「なるほど、纏い方ね、ありがとう」


こうやってみると、漫画や小説の世界に来たみたいね。そういえば、茜は隠れオタクで、ラノベやネット小説をよく読んでいたはず。うーん、私はあまり詳しくないけど、確かイメージが大事だったような気がする。魔法とかでも、イメージ次第で無詠唱で出来ると聞いたわね。いちいち、詠唱は面倒くさいと思っていたから、試しにやってみよう。いきなり攻撃魔法は危ないから、光魔法で試そう。まずは簡単な『ライト』からね。直径10cmくらいの周りを明るくする光の球をイメージして、


「『ライト』」


あ、出来た。やっぱり、イメージか。そうだ、あれ出来るか試してみよう。昔、日常生活用品だけで、火を熾せるのか茜に質問したことがあった。茜は、「簡単に出来る」と答えて、実際にやって見せた。あの時は面白かったから、どんな原理か聞いたんだよね。その時、私が理解出来るまで、延々と説明していたので、嫌でも理論を覚えてしまった。それを魔法に応用してみよう。えーと、まずは凸レンズを上空に作る。


こういう時にこそ、私のユニークスキルが活きてくる。


ユニークスキル『魔力創造』

自分の魔力を用いることで、あらゆるものを創造できる。ただし、創造するものを詳細にイメージしないと、目論見通りの効果を発揮しないので要注意。また、現状の自分の魔力を超えるものは創造出来ない。


このユニークスキルで、凸レンズ自体を作ればいいのだ。大きさは直径30cmくらいにして、こんなもんかな。次は、凸レンズの中に太陽エネルギーを集める。あ、自分の魔力で作ったからかわかるわ。ふむふむ、ここで一定量の魔力が溜まったら放つわけね。あれ、頭の中に文字が浮かんできた。む、これを声に出せばいいのね。その前に、標的を探そう。あ、ガロットさんがいる。丁度いいや。


「ガロットさ〜ん、廃棄処分の防具とかあるかな?鉄くずでも良いんだけど?」


「それなら、訓練場の端にあるあそこの積み重なっている物があるだろ。あれは古すぎて廃棄処分予定の物だが、どうするんだ?」


「魔法の試し打ちだよ。昔、茜から理論を教えてもらったものがあるから、魔法に応用してみようと思って」


「ほう、面白そうだ。私が見てみよう。ただ、規模に気をつけてくれよ」

「大丈夫!直径30cm程度なんで」


「まあ、それぐらいならいいか」


許可ももらえたし、早速やってみよう。

凸レンズの中に集めた太陽エネルギーを1点に絞り込み、標的にセットする。


「それじゃあ、いっきまーす。『シャイニングレーザー』」


《ドーーーーーン》 え?


直径30cmのレーザーが鉄くずの山にあたり、-----木っ端微塵となりました。そして、残った残骸の所には直径5m程のクレーターがあった。


「えーーーーーーー!なにこれーーーーー!」


は!おそるおそるガロットさんを見ると、目が飛び出るかというほど驚き、口を開けていた。茜〜〜〜!あんた、私に何てものを教えたのよーーーー!て、茜のせいじゃないか。でも尋常じゃないよ、この威力。あ、しかも、これ直径30cmくらいで、この威力だから、実際はもっと高威力だ。


「あの〜ガロットさん、大丈夫ですか?」


「は!美香、新型魔法の原理を教えてくれ。直径30cmでこの威力。対邪族戦の切り札として使える」


ええ、切り札!確かに、凄い威力だったよね。あ、この騒ぎで桜木が駆けつけて来た。


「おい、島崎、さっきのは何だ?凄い威力だったぞ!」


「いや〜、昔、茜にライター以外の生活用品で、簡単に火を熾せるのか質問したことがあってね。そしたら、虫眼鏡の凸レンズを使えばすぐ出来るて教えてくれたのさ。私が、その原理を理解出来るまで説明してくれてね。これを魔法に応用出来ないかな〜〜と思ってやってみたのさ。虫眼鏡にある凸レンズは、自前の魔力で作って太陽エネルギーを貯めて放ったというわけ。まさか、直径30cm程度のレーザーで、あんな威力になるとは思わなかったんだよ」


「お前な〜、まあ切り札として使えるか」


一通り説明し納得してもらったところで、ステータスを確認すると、光魔法が10(MAX)、聖魔法が5になっていた。また、新しく空間魔法を獲得した。


新型魔法をGETしたのはいいけど、この魔法には大きな欠点があった。練習で放った直径30cmのレーザーの消費魔力が結構大きかった。今の私の魔力だと、直径2mのレーザー砲を1発しか撃てない。それでも、切り札として使用可能だからいいんだけど、なんか物足りない。この魔法、発動するまで少し時間がかかる。これじゃあ、私が1人で邪族と遭遇した場合、魔法を準備している最中に殺される。なんとか、すぐ発動出来るようにアレンジしたいな。こんな時に茜がいてくれたら、1発で解決してくれるんだろうな〜〜。でも、茜はこの場にいない。今まで、私が茜にどれだけ頼っていたのかわかるよ。これからは、自分で考えるんだ。この魔法をアレンジして、自由自在に扱ってみせる。



○○○ 桜木春人 視点



島崎の奴がやる気に満ちているな。あの新型魔法の威力を考えたら当然か。清水に言われた事をそのまま魔法に応用したのか。俺も強くならないとな。ただ、マーカスさんと模擬戦を何度も何度もやっているが、一度も当たらない。なぜだ?どこが悪いんだ?


「春人、悩んでいるな?」


「マーカスさん、あなたのせいで悩んでいるんです。模擬戦をやっても、一度も攻撃を当てれていない」


「昔を思い出すな。俺も、お前の頃そうやって悩んでいたよ。先生に言わせたら、もっと悩んで自分の殻を自分で突破して見せろと言われたな。俺の場合、友人達との雑談がキッカケとなって突破出来たんだ。春人の場合、これまでの事を振り返ってみるのも良いんじゃないか」


マーカスさんは、そう言って訓練場を離れた。


自分の殻を自分で打ち破れ----か。漫画や小説みたいだな。確か、こういう時は座禅をして心を落ち着かせるだったよな。俺は座禅を行い、目を閉じ心を穏やかにした。そして、周りにある魔力、気配に神経を集中した。こうやって落ち着いて流れを観察すると1人1人違うな。あの鋭いのは竜崎、ほんのりと温かい感じがあるのは島崎か。こうやって、自分の魔力を薄く広げていくと、誰がどこにいるのかがわかるのか。待てよ!これを戦いに応用出来ないか?相手の魔力の流れを観察してみよう。模擬戦をやっている騎士団を観察してみるか。


-----やはり、細かく深く相手の魔力を観察すれば、相手の挙動をいち早く察知出来るぞ。ただ、これだけじゃ駄目だ。察知出来ても、俺自身が瞬時に反応しなければ意味がない。反応を底上げする方法か。補助魔法の中でも、素早さを上げるものはあるが、身体の中の反応を上げる魔法は存在しない。さて、どうしたものか。


「何を考えているんだ、桜木?」

「うん、ああ、久保か。身体の反応を上げる魔法はないものかと思ってな」


「身体の反応?素早さでは駄目なのか?」


「素早さは、あくまで身体の動きの速さだろ。俺の言っている反応は、身体の中の事さ」


「身体の中の反応ね。参考になるかわからんが、ちょっと腕を出してくれ」


?言われた通り右腕を出した。----思いっきりしっぺされた。


「痛えー!いきなりなんだよ!」


「身体の中の反応だろ。しっぺされて、痛いと思ったろ。この痛みというのは電気信号なんだよ。しっぺされた瞬間、電気信号が走り、それが脳に伝わる事で痛みに変換されるのさ」


久保、アドバイスはありがたいんだが、言葉だけでいいだろ。


「なるほど、電気信号ね。あ!そうか、わかったぞ!ありがとう、久保。これで強くなれそうだ」


「役に立ててなによりだ。それじゃあ、俺は訓練に戻るよ」


そうか、電気信号か。電気つまり雷を纏えばいい。確か付与魔法というのもあったよな。魔力纏いに雷魔法を付与すればいい。おっと、焦るな。まず雷魔法を修得しないといけない。問題は、どうやって修得するかだ。雷は基本電気なんだから、指先でスタンガンをイメージしてみるか。


指先に魔力を集め、それを電気に変換し、スタンガンのイメージを創る。


《バチバチバチ》


よし、出来た。詠唱なんていらないな。イメージが大事なんだな。ステータスを見ると、雷魔法レベル1(NEW)の記載があった。雷魔法で、現状の俺に出来そうなのは、『ライトニングボルト』くらいか。なら、俺の目指すのは、この魔法の全エネルギーを魔力纏いに付与出来るようにしよう。その為にも、一から身体を鍛え直そう。



俺のイメージ通りの俺専用の魔力纏いを創ってやるぞ!


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