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邪王討伐-1

お仕置きから1時間後、再び私達は謁見の間へ集まった。


「サーシャ、あのようなお仕置きをフィンやイリス達に、いつもやっているのか?」


こら国王、その言い方だと、私が苛めているみたいじゃないの!


「何か大きな失敗をしない限りやりません」

「---それもそうだな。あれを毎日喰らっていたら、精神がおかしくなってしまうよ」



「私達は、邪王討伐に行ってきますね。邪王がどんな奴だろうと、確実に討伐しますので、北の方向に光の柱が見えたら、討伐成功と思って下さい。ここからかなり距離がありますが見えると思います。邪王を討伐したらテルミア王国に戻って、勇者達を地球の日本に送還します」


「予定通り行けば、そうなるな。しかし、これが最終決戦なんだよな?史実によると、最終決戦では全ての国が協力し合って、多くの犠牲を支払い邪王を討伐か封印することになっているんだが通達しているのか?」


「一応、私が直接出会ったエレノア様・ガルディア帝国皇帝・シルフィーユ国王には通達しています。後は、加護者のいる魔国レムナントにも伝わっているはずですね。おそらく、それらの国のトップが他の国々に伝えてくれているでしょう。ただし、今回の最終決戦では、どの国とも協力しません。ここにいるメンバーと勇者達だけでも過剰戦力なので、多分邪王率いる邪族達を殺戮する事になるでしょう。そして有無を言わさず邪王を討伐して終了となります。多分1時間もかかりません。全てが片付いた後、各国に行って謝罪する予定です。今回は自分のペースで動き、国の都合を何もかも無視して動いていますからね。私と全く関わっていない国は、間接的にしか情報を受け取れず混乱しているはずです」


事後報告になるけど、謝罪はしておかないとね。


「サーシャなら、転移を使えば1日で終えるんじゃないか?」


「多分、可能だと思います。ですが、私やサリアを見て納得しない連中も必ず出てくるでしょう。また、スフィアタリアの歴史や悪魔討伐の事も説明しないといけません。そう言った事を各国で行い、全員を納得させる作業がうっとおしいです。それなら邪王を討伐して、クラスメイト達を地球に送還した後、報告すれば良いんじゃないかなと思いました。多分、どちらも同程度の時間が掛かると思います。もちろん全てが終わった後に報告したら文句を言われますので、きちんと謝罪しますよ。まあ、あまり煩く言うようなら、強制的に黙らせますけどね」


「それ謝罪になってないぞ」


「まあ、そうですね。出来るだけ穏便に謝罪します」

「謝罪される連中が気の毒に思えてきた」


「それと、私が言っている意味を理解出来ているのは王族メンバーだけなので、私達が転移した後、全てを明かして構いません」


「本当か!助かるよ。ここにいる臣下の者達もサーシャやサリアが只者ではないことは察しているが、話せない状態が続いていたんだ。話すと、サーシャやサリアへの態度が急変して気を使うだろうからな。転移後、全てを話しておく」


臣下の人達も、不信感を露わにしているわけではないけど、偶に国王の喋り方がサーシャの時もあればサーシャ様の時もあるから、どう対応したらいいのかわかってないのよね。フィン達も何者であるかは言ってないから、ずっと悩んでいたはずだ。これでスッキリするでしょう。


「それでは、勇者達のいるシルフィーユのハイエルフの王宮に行ってきます」

「ああ、気をつけてな」



○○○



サーシャ一向が転移した後、臣下達は国王に詰め寄り、サーシャとサリアが何者であるかを問い詰めた。国王が真実を話すと、臣下全員が驚愕した。そして、王族達の態度が2人に対して、どうしてやや挙動不審になっていたのか、皆一様に納得したのだった。



○○○



ハイエルフの王宮へ転移すると、正面に努さんと佐江さん、ハルト君達がいた。


「みんな、悪魔王ベリアルを討伐して、悪魔全てを送還したわ。戦闘時、アルテハイムにおける被害はゼロよ。フィンとレオンはアルテハイム王国再建のため、邪王戦は欠場ね。私達だけで戦いましょう」


「茜、早過ぎだろ?本当に2日で終わらせるとは?十分休めたのか?」


「春人君、アルテハイムで戦った時間は、1時間と少しよ。私とサリアは殆ど魔力を消費していないわ。イリス、リッカ、ジンも全回復したから問題なしよ。ちなみに、精神的にも全く疲れてないからね」


「たった1時間で、邪王より強い悪魔共をノーダメージで討伐か。凄いを通り越して呆れるよ」


まあ、そう感じるのは当然ね。


「邪王の軍勢も、悪魔の時と同じ作戦でやれば、1時間もかからず終わらせる事が可能なんだけど、それだとみんなが納得しないのよ。邪王は島に封印されているから、思いっきり暴れたいんだって。島なら破壊しても問題ないし、夕実達も大暴れ出来るわよ。私も参戦しようかなと思ったんだけど、よく考えたら加減間違えると味方を消滅させるかもしれないから、見ておくだけにするわ」


「ねえ、春人、今から最終決戦に行くのよね?」

「ああ、そうだな」


「全然、そんな気がしないんだけど?普通、重苦しい雰囲気になったりして、そこに精霊様が駆けつけてき来て、私達を祝福したりするんじゃないかな?」


「美香、小説の読み過ぎです。精霊達なら、既に自分達の領域でお祭りしてるらしいですよ。一応、『程々に頑張ってね〜。島は破壊しても良いけど、こっちの大陸まで被害が及ばないようにしてね〜〜。まあ、30分くらいで終わるんじゃない』と言ってました。ちなみに、精霊同士で邪王討伐までの時間を賭けてましたよ。物凄〜〜く、気楽に去って行きましたね。邪王への恐怖なんて、微塵も感じてませんでした」


ええー、それはそれで問題ある気がする。普通、勇者を助ける役割でしょうに。まあ、私が悪いんだけどね。


「なにそれ?ああ、私の精霊のイメージが崩れていく〜〜」


「全部、サーシャが悪いんですよ。精霊達は、悪魔討伐自体も自分達の領域で悠々と見てましたからね。かつての邪王封印戦争の時は、あれほど勇者達と一致団結して邪王と共に戦っていたのに、今回は全員が強過ぎるんです。完全に過剰戦力です。おまけにステータスを強制的に変化させて挑むんですよ。100%勝てると決まってるから、精霊も悠々自適なんです」


佐江さん、すいませんね。多分、各精霊王達に色々と謝罪しているんだろうな〜〜。うーん、今回は精霊達に何もやらしてないし、精霊王に会ってもいないからね〜〜。


「あはは、イレギュラーが色々と発生しましたからね。さあ、邪王をささっと討伐しちゃいましょう」


「待ちなさい。その前に、悪魔討伐の報告やこれからの邪王討伐を各国に通達した?」


「加護者達に伝えていますので、加護者達がいるテルミア・ガルディア・レーデンブルク・レムナントには伝わっていると思います。私自らが報告したのは、レーデンブルクだけですね。というか、私が転移で各国を訪問すると、これまでの経緯やスフィアタリアの歴史を説明しないといけません。それだとかなり面倒なので、邪王を討伐してから訪問して、これまでの事を含め、きっちり報告しようと思っています」


「あのね〜〜、相手は邪王なんだから、事後報告はダメでしょう!普通は事前に通達するものよ」


「正直、国王はともかく、周りの連中が鬱陶しいので却下ですね。全てを片付けた後、各国に謝罪行脚します。ぐちぐち言う様なら、強制的に黙らせます」


「謝罪じゃないし」

「同じ事をレーデンブルクの国王に言われましたね」


「はあ〜〜、まあそう言うだろうと思って、【新たな女神が降臨して、数日中に全てが解決する】という内容で、昨日の内にディザイグに通達するように言ってあるわ。さっき聞いた限りでは、テルミア・ガルディア・レーデンブルク・レムナントは納得したらしいけど、それ以外は半信半疑よ。アルテハイムだけは、レオンが新たに国王になった事もあって、既に知っているだろうから通達していないわ」


半信半疑か、そうだろうね〜〜。


「半信半疑なのは、仕方ありませんね。通達して頂いてありがとうございます」

「後で、ちゃんと謝罪するようにね」

「はい、きちんと各国を訪問して、謝罪とこれまでの経緯を報告しておきます」



さてと、行く前に春人君達のステータスを少し弄ろうかな?



「春人君、ステータス数値を全て500万に固定しておくわね」

「ああ、すぐに可能なのか?」

「ええ、もうやったし」


「「「「「早」」」」」


「ステータスを固定したし、邪王を討伐しても経験値は入らないようにしたから安心して討伐してね。それと、管理システムに新たな称号をいくつか作っておいたの。称号名は、ドーピング勇者とドーピング聖女、殺戮者などね。春人君と美香のステータスの称号欄にドーピング勇者とドーピング聖女を追加されているはずよ」


「「おい!」」

「「「名実共にドーピング勇者とドーピング聖女の誕生だ!」」」


夕実、真也君、義輝君、あなた達に用意したものがあるのよ。

さあ、発表しましょう!


「ちなみに春人君と美香だけじゃ不公平だから、夕実、真也君、義輝君にも称号欄にとある称号を付けておいたわ。3人とも、ドーピングで強くなったのだから付けてあげないとね」


「「「えええーーーー!」」」

「「よし!!茜、ネーミングは?」」


正直、それが手こずった。良いネーミングが浮かばなかった。だから-----


「微妙なネーミングよ。真也君が【ドーピング従者1号】、義輝君が【ドーピング従者2号】、夕実が【ドーピング従者V3】よ」


うん、適当だ。とあるヒーロー物の名前を借りた。


「うおおーー、本当に【ドーピング従者1号】があるぞ!義輝は?」

「最悪だ。【ドーピング従者2号】がある」


「真也君も義輝君も、まだ良いですよ!私なんかV3ですよ。茜、私は女の子なのにV3はないでしょう!」


「夕実の場合は、従者V3と魔法少女夕実で迷ったのよ」

「あ、それならV3で良いです。この歳で、魔法少女はちょっと」


そうだろうね〜。

まあ、【魔法少女夕実】でも面白いけど、恨まれる気がしたから止めた。


「いや〜〜、これで3 人も俺たちの仲間入りだ。良いじゃん、1号、2号、V3」

「本当!呼びやすくて良いわね!」


「「「勘弁して下さい。私達が悪かったです」」」


「ああ、これが因果応報なのかな。まさか私がV3になるなんてー!」


「は!邪王討伐をしたら、銅像が出来上がって、俺がドーピング従者1号、義輝が2号、夕実がV3と刻まれるのか?」


「あははは、当然そうなるな。これで俺達5人は、ドーピングチームとなったわけだな」


「そうよ、私達はチーム【ドーピングレンジャー】だね!」


「「「そんなチーム名はいらねーーーー」」」



これから邪王討伐に行くとは思えないわね。

このやり取りを聞いてか、サリア達が後ろで爆笑しているわ。


「なんなんだろうか?佐江、最終ボスを討伐しに行く雰囲気が皆無だな。まるで全員がピクニックに行くかの様な感覚なんだが?」


「同感ね。こんな邪王討伐があって良いのかしら?」


あはは、そうね。今回は、みんなのストレス発散のための討伐になるかな。


「あ、佐江さん、バーンさん達は?」


「あの2人なら、ディザイグの護衛に付いているわ。2人共、『邪王討伐が控えているのに、なぜ護衛?他の騎士に任せれば良いんじゃ?』と複雑な顔をしていたわよ。『過剰戦力だから、行く必要なし』と説明したら、さらに複雑そうな顔をしていたわ。リフィアに到っては、小声で『何か違う。邪王って小物?そんなはずは------』と呟いていたから、『サーシャが絡んでいる時点でおかしいのよ。深く考えない様に』と説明したら、すぐに納得してくれたわ」


それで納得されるのも、なんか複雑ね。


「さあ、最後はみんなで大暴れしましょう。私は上から見ているわ。また、春人君の邪王への一撃は全力で思いっきりやって。味方全員と島の外側に『ディストーションフィールド』を張っておくから、何の心配もいらないからね。気兼ねなくやってちょうだい!」


この方法なら、島以外、全く被害が出ないわ。


「もう、称号に関しては諦めた。これが最後の戦いだ。盛大に大暴れしてやる!」


「そうね。ここまでドーピングして強くなったんだから、もうヤケクソになって大暴れしてやるわ!」


「茜、詳細な作戦はないんですか?」


「一応考えてあるわ。邪王は、島の中心部にいるわ。今は、A級以上の邪族達を呼び寄せて、勇者達との戦いの準備を始めているところかな。そろそろ完了する頃だと思う。まず転移後、その場所で春人君が待機しておく。その後、1人1人が等間隔になって、島全体を囲っていくの。そして、全員配置についたら----誰が先に逸早く邪王の元に到達するか競争するのよ」


「「「「「おい!完全にピクニックじゃないか!」」」」」


「ピクニック気分で、気楽にやれば良いのよ。最後は、春人君が邪王を一刀両断ね」


まあ、これで大丈夫でしょう。


「あ!茜、もし邪王が降伏してきて、自分の国を作り邪族達をそこに住まわせるから許して欲しいと懇願してきたら、どうするんだ?」


「春人君、それは絶対にないわ。邪王はプログラムの様なものなの。一応知能はあるけど、人類を殺す事以外、一切興味がないわ。たとえ、相手が格上だろうとわかっていても、戦いを挑んでくるわ」


「あ、そうなんだ」


そうだ!全員のやる気を引き出すために賞品を用意しておこう。内容は、転移後に伝えればいいかな。




さて、全ての準備が整ったし、邪王討伐に行きますか!


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