サリアとテイルが仲間になりました
管理システムのOSの改良は、思った以上に困難を極めている。。サリアが改良している際、呟いていた。
《なによこれ!設計図以上に効率が悪い!あいつら、この状態でシステムをずっと起動させていたの!馬鹿じゃないの!くそ!これじゃあ、予定より時間がかかる》
サリアの奴、時折こっち気にしていたわね。声を掛けたかったけど、その余裕がなかった。私の中にスフィアタリアの一部分が流れてきた時、あまりの情報量の多さで、かなり頭痛がした。これらの情報処理を全て自分の意志でやってしまうと、私自身が機械化するかもしれないので、慣れてきたところでスムーズに進ませるため、サリアの改良案を基に情報処理スキルとエラー修復スキルを作成し、そこに私の1/3の力を込めて情報処理を任せた。並列思考スキルがあって良かった。
ふう、これでかなり楽になった。
「サーシャ様、大丈夫ですか?3時間位、ずっと難しい顔をしていましたよ」
「初めての作業だからね。さすがにキツかったわ。自分で全てを処理すると間違いそうだから、情報処理を行いつつ、サリアの改良案を基に情報処理スキルとエラー修復スキルを作って、自動で任せるように設定したわ」
「あ、そうか!私もシステムのマニュアルスキルがあるんだから、前もって改良部分を一から作ればいいんだ!その後はごっそり交換すれば問題ないわ。あいつらの修正箇所がアホ過ぎて、修正する事しか考えてなかった。-----サーシャ----ありがとう。早速、取り掛かるわ」
「頑張ってね。休憩させてもらうわ」
「おー、サリア様が素直になってきてる!」
《ゴン》
「痛い!」
作業しながら、テイル目掛けて皿を投げたわね。
ここからの作業は、かなり楽になった。情報処理スキルとエラー修復スキルを作成したおかげで、サリアが作業を行っている際はそこに繋げておくだけでいい。これなら私への負荷も最小限に抑えれる。
この作業を繰り返しながら、2日程で管理システムのOSの応急処置が終わった。また、新たにエラー検知と修復を自動で行うシステム取り入れた事で、私達の仕事はほぼ完了した。まあ、Wind○wsXPが7に進化したようなものね。
「やったーーー!終わったーーー!サーシャ様、サリア様、お疲れ様です!」
「ねえ、サーシャ、当面の危機は脱したけど、これ以上の改良は無理よ」
「そうね。考えたんだけど、今の改良版なら、少なくとも100年は持つと思う。その間に、私達3人で新たな管理システムとOSを作るってのはどうかしら?旧システムの設計図を基に一から作り上げるのよ」
「それ良いアイデアね。それだけの時間があれば余裕で作れるわ。そういえば、CPUって結局なんなの?」
「システムを動かすための動力源の事よ。設計図でいうと、この部分がそうね」
「これか。これに関しては、私もどう改良すれば良いのかわからなかった。この動力源に関しては、私から見てもかなり優秀よ。1つ1つ無駄なく詰め込まれているわ」
「このCPUは、平面的にしか設計されていない。管理システムをここで動かす以上、CPUもこれ以上大きく出来ない。でも、平面的には大きく出来ないけど、3次元で考えれば大きくする事が出来る。つまりCPUを積層構造にするのよ。図で書くとこんな感じね。--------これを作製出来れば、今のシステムの10倍以上の性能を引き出せるわ」
「サーシャ様、私、全く思いつきませんでした。うう、システム補助精霊なのに〜〜〜」
「私もよ。平面的に物事を考え過ぎてた。確かに積層構造にすれば、理論上何十倍も性能を引き上げれるわ!面白いじゃない。私達にしか出来ない管理システムとOSを一から作り上げてやる」
乗り気になってきたわね。
「新型システムを作るのは、今の問題を全て解決してからね。まずは、悪魔討伐の前に、佐江と努に会わないといけないわね。あいつらが協力しないのなら、邪魔だから即刻討伐するわ」
「サーシャ様、容赦ないですね。同じ同郷なんですよね?」
「同郷でも、邪魔者はいらないわ。そいつらが存在するだけで、何らかの不幸を撒き散らすからね。涼見凌一のようにね。今も、あの虫から観察してるわよ。やろうと思えば、今この場で抹殺出来るんだけど、どうする?」
「そうね。一応話を聞いて上げたら?あいつら、今はハイエルフとして慕われているからね。急にいなくなったら、エルフの国が荒れるよ。基本、あの2人は良い奴よ。私の話も真剣に聞いてくれたし、私の計画を死ぬ覚悟で止めようとしたからね」
「----だそうよ。サリアに感謝しなさい。もう少ししたらそっちに行くわ」
私は、空中に飛んでいる3匹の虫達を見て、忠告しておいた。今頃、佐江と努はホッとしているかな?虫が3匹いるから、もしかしたらバーンさんや桜木君達も見ているかもね。現状、桜木君達が私を見ても、清水茜とは別人のサーシャに見えているのよね。実際に会いに行く時は、魔法を解除しておこう。もう変装する必要がないからね。フィンやイリスが使用している全ての偽装に関しても解除するように言っておきましょう。ここまで強くなれば、偽装の必要はないでしょう。
○○○
「サーシャ、あんたの料理って、唐揚げやコロッケ、カレーライス、中華料理以外にもあるの?」
「あ、私も聞きたいです!」
サリアやテイルも私の料理の虜になったのかな?
「あるわよ。レーデンブルクで開発中のラーメンがね。ただ、まだ私が満足出来る味じゃないわ。開発中のもので80点かしら?ラーメンのイメージが映像は、こんな感じよ?地球にいた時、3人で食べに行った時の映像かな」
《ズズズゥゥゥーーー》《ゴクゴク》
「う、なにこれ?食事中、こんな音出して良いわけ?」
「なんか、凄く行儀が悪く見えますね?」
「普段の食事ではダメだけど、ラーメンを食べる時に限っては大丈夫よ」
「あ、サリア様、餃子があります!」
「ラーメンと餃子って合うの?」
「この組み合わせは、レーデンブルクでは全員が満点評価だったわ」
2人とも、ラーメンを凝視しているわね。せっかくだから、食べさせてあげよう。
「開発中のもので良ければ、食べてみる?」
「「食べる!!」」
「今開発しているのが、醤油ラーメンとオーク骨ラーメンね。両方とも80点くらいかな?レーデンブルクの王城にいる料理人達の熱意は凄いわ。教えてから1週間も経っていないのに、味が格段に良くなったからね」
「それで80点なんでしょ?サーシャは、普段どれだけ美味い物を食べているのよ!」
「そうですよ!スフィアタリアの料理も美味しいものはありますが、サーシャ様の料理のように中毒性の高い物はないですよ」
「ちょっと、人の料理を毒物のように言わないでよ。ただ、まあ他のみんなを見ているとわかるわ。何故か全員が夢中になって食べるのよ?そこまで中毒性高いかな?」
「「高い!!特に、唐揚げやコロッケ、餃子」」
2人同時で言いますか。おかしいわね。そりゃあ、日本でも超有名で、子供が大好きな料理ではあるけど、取り合いの戦争起こす程ではないんだけど?まあ、とりあえず、ラーメンを出してあげよう。
「左が醤油ラーメン、右がオーク骨ラーメンよ」
「色が違うわね?」
「オーク骨ラーメンの方が白っぽいですね」
サリアが醤油ラーメン、テイルがオーク骨ラーメンを選んだか。
《ズズズゥゥゥ》
「「!!!」」
うわあ、2人とも凄い勢いで食べ始めたわ。オーク骨ラーメンの方はあっさり系を開発中だからスープも飲みやすいはず。
「な、なんなのよ、この味!食べ出したら止まらないわ」
「ザリア----ザマ、ごっじも----どまらないでず」
テイル、飲み込んでから喋りなさい。
替え玉の事を伝える前に、2つのラーメンがあっという間に空になってしまった。
「「あー、なくなった〜」」
「替え玉を言う前に、スープまで飲むとはね」
「「替え玉?」」
「ラーメンを食べた人は、大抵1杯じゃ物足りないのよ」
「「わかる」」
「私の世界では、麺だけをオカワリしたい時は、『替え玉』というの。すると、店員さんが茹でた麺をスープに入れてくれるのよ」
「「!」」
「ちょっと、スープ全部飲んじゃったわよ!」
「私もです!」
「大丈夫よ。出来立てのラーメンは、まだあるわ。もちろん替え玉用の茹でた麺もね」
「「おおーーー!」」
その後、2人とも2人前ずつ食べたわね。サリアはともかく、テイルのお腹はおかしいんじゃないの?身長は120cmくらいしかないのに、どこに入るのよ!
「あー、満足だわ。これだけ美味しい食事を堪能したのは初めてだわ。テルミア王国・ガルディア帝国・レーデンブルク王国では、みんな食べているの?」
「各国で食べさせた料理が違うわ。テルミアでは唐揚げなどの揚げ物系、ガルディアでは中華料理、レーデンブルクではラーメンね」
「考えたわね。全部教えず、各国別々な料理を教えることで、独自性を生み出していくわけね」
-----ごめん、そこまで深く考えてません。ただの成り行きです。
「エルフのシルフィーユ王国には行ってないけど、天ぷらが有名だと聞いているから、佐江と努に食べさせてもらうわ。あの国は東側が海に面しているから、食材が揃っていれば、海鮮丼や天丼、うどんを作りたいわね。丼系は、唐揚げとかと違った美味さがあるのよ。うどんは、ラーメンと似ているけど、味が根本的に違うのよね」
「サリア様、聞いただけで食べたいと思うのは私だけでしょうか?」
「悔しいけど、私も食べたいと思ったわ。そういうことなら、なおさら佐江と努を討伐しない方が良いんじゃない?あいつら虫を通して、今頃準備しているわよ?」
そりゃあ、そうなるように仕向けたからね。
「そうね、あとはあの2人の対応次第かな?」
「サリア様、もうシステムは復旧してますから、私達も行きませんか?サリア様にもシステムマニュアルスキルがあるんですから、自動システムで修復しきれないエラーが発生した時は、遠隔操作でエラーを修復すれば良いですよ」
「あああぁぁぁーーーー、そうだわ!これで自由行動出来る。今、食べたラーメンは開発中で80点。という事はレーデンブルクに行けば、もっと美味いラーメンが食べられる!」
「そうですよ!行きましょう!」
サリアとテイルも、ラーメンに囚われたか。
「ラーメンには、数多くの種類があるわ。私自身、全部作れるわけじゃないけど、いずれはレーデンブルクで全て作れるようにしたいわね」
「「あの2つ以外にもあるんだ」」
「サーシャ、私も旅に同行させてもらうわよ!」
「私もーーー!」
「ええ、歓迎するわ」
サリアとテイルが仲間になってくれた。
これで管理世界での仕事は終わりだ。加護者達の現在の状況を把握してから、佐江と努と桜木君達に会いに行きましょう。
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