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ある魔眼持ち薬剤師の日常 ~連載版~  作者: カスミ楓
第二章 冒険者ギルド
29/33

すみません。短編かいてて更新できませんでした><;

あと昨日から少し体調が優れないので、ペース落ちるかもです。


薬飲んで楽にはなったのですが、その分眠くて^-^;





「わかりました。とりあえず依頼については受けます。ただ冒険者登録については考えさせてください」


 玉虫色の発言です。

 だっていきなり呼ばれて冒険者になれ、なんてねぇ。


「まあそれでも良い。依頼場所はそれなりに距離のある場所で、行って帰るだけで二週間くらいかかるからな。考える時間はあるだろう」

「遠いっ?!」


 マジですか。つい先日一ヶ月以上留守にしていたのに、今回も半月以上留守にするとは営業妨害ですよ。


「も、もちろん依頼料は出す。金貨七十枚だ」


 むっとした私を見たギルドマスターは、慌ててご機嫌取りを始めました。

 金貨七十枚って七千万円くらいですよ。かなり多くないですか?


「更に、当ギルドにもナミルの回復軟膏を定期的に納品して貰いたい。もちろん領主様優先で構わないし金額も合わせる」

「具体的に、数はどの程度ですか?」

「月に百個は欲しい」


 つまり年千二百個。年収千二百万。ちまちまとおにぎり売るより、遥かに利益は大きいです。

 アーヴェン様のところへも年千個から二千個売りますし、これはお金を貯めるチャンスではないでしょうか?

 数年頑張れば、借りたお店ではなく自分で家が買えそう。


「分かりました。回復軟膏については取引いたしましょう」

「うむ、頼んだ。で、本題の依頼内容なのだが……」


 そう言いながらギルドマスターは立ち上がると、後ろの棚から帝国の地図を持ってきました。

 そして地図を広げて、リルリの街がある場所を指差します。


「まあ以前説明したが、ここがリルリだ。そして、討伐依頼であるSSランクの魔物が居る場所は……」


 リルリの北側、王国との境にある山脈に沿って指が東へ動きました。そしてファーガイツ川と山脈が交差している地点で停止しました。

 どう見てもあの大きな川の源流ですよね、ここ。


「ここだ。この辺りは谷になっていて、結構険しい道になっている。そして相手は飛竜レックリャだ」

「レックリャって聞いたことありませんね」

「レックリャは竜種の中でも上位種となる。純粋な竜に比べれば身体は小さいものの、縄張り意識が強くかなり好戦的な性格をしている」


 飛竜というからにはレイちゃんの親戚ですね。上位種って言ってますけど、純粋な竜のレイちゃんよりは下でしょう。となると、レイちゃんを連れて行けば、パワハラ的にすぐ解決しそう。


「つまりそのレックリャという飛竜を問答無用で、ぶちのめせば良い訳ですか」

「あー、まあそれでもいいが。ぶちのめす前に少し調べて欲しい事があるんだ」

「何をですか?」

「レックリャの成体は本来であれば殆ど食べ物を食べない。また縄張り意識が強いからか、滅多に縄張りの外へは出ない。実際、このレックリャがあの谷に住むようになってから記録に残っているだけで百年は経過しているが、その間、近隣の村が襲われた事は数回しかない。だが何故かここ半年、異様なほど縄張り外である近隣の村々まで出張って家畜を襲っているんだ。今回の依頼の発端も、家畜を何十頭も襲われた近隣の村々からきている」


 へぇ……。成体の竜って食べ物を食べないんですか。

 あれ、でもレイちゃんは、食は細かったですがちゃんと食べてたけど。


「竜って食べ物を食べないんですか?」

「竜種は子供の頃は食い物を食うが、ある程度成長すると周囲の魔力を吸収して生きていく。全く食わない訳ではないが、数年に一度くらいの頻度だ」

「そうなんですか」


 もしかしてレイちゃんはまだ子供なんでしょうか。初めて出会った時、見た目単なる人の私だと尊大だったし、でも柄の悪いカンさんにはびびってましたしね。

 帰ったら即効それについて言及しましょう!


「竜が身体を維持できるほど食べると、あっという間に他の生き物が食われていなくなるぞ」

「あー、確かにそうですね」


 あの巨体ですもんね。クジラだって一日に何トンも食べると聞いた事がありますし。

 クジラは狩場が広い海だからエサには困らないのでしょうけど、ここは陸地。しかも地図を見てもたかが数十キロくらいの範囲です。


「もしかすると子供を産んだのかもしれないが、それにしては番いが居たという情報は入っていない。それに子供が食べる量にしては多すぎる」

「もしかするとグルメに目覚めたとか?」

「動かなくとも生きていけるのに、わざわざ狩りに行く程グルメに目覚めるか? しかも数日に一度という頻度で、だ。さっきも言ったがレックリャは縄張り外へは滅多にでない。これはレックリャの住む谷に何らかの異常が発生したと考えられる」


 引きこもり生活できるのにしょっちゅう外食しにいく感じですか。確かに数ヶ月に一度くらいなら外食も良いけど、数日だと少し多いですね。


「それと安易にレックリャを倒してしまうと、生態系に影響が出る可能性がある。だから可能であれば、その異常を調査対処してほしい」


 百年以上この辺に君臨しているボスですから、下手に倒してしまうと、他の魔物が台頭してくるわけですか。

 その結果、どんな影響が出るか分からないと。

 縄張り意識が強い、と言う事は逆に言えば縄張り外に対しては無頓着ですよね。

 でも次のボスが戦闘狂だったら?

 そうなったら、人の住む場所へ侵攻してくるかもしれません。確かに下手に倒すとまずいですね。



 ……あれ?

 じゃあサルクルの森のボスだったレイちゃんを連れてきたのはまずかった?

 やばいです。後でレイちゃんに確認しないといけません。



「えっと要約すれば、調査して対処できそうならする、出来ないならしばき倒す、で良いんですよね」

「……そうだが、そう簡単に纏められると延々と説明したのに悲しいものがあるな。ああ、それとギルドから二名、随伴する」

「え? つまり監視要員?」


 私の疑問にギルドマスターは苦笑いしました。

 だって、こういうギルドの随伴なんて、大抵監視役って古来から相場が決まっています。

 困っている村の人もいるのですから、今回の依頼はちゃんとやるつもりなんですけどね。


「監視じゃなく、ナミルはギルドの依頼は初めてだから、その辺りをサポートできるように配慮したんだよ」

「それって信用できる人なんですか? あ、もしかしてシーレイさんたちですか?」

「シーレイたちは可能な限りリルリに常駐させたい、だから別の奴だ。ただし信用はできる。というか俺の息子と娘だ」

「おおっ、ラミちゃんとゼファール君?」


 突然後ろに立たされていたシーレイさんが、乗り出すように首を突っ込んできました。お知り合いなんですね。なら大丈夫かなぁ。


 しかしこの大柄な男の人の娘さんですか。

 奥さん似だといいですね。


「ああ、あいつらにとっても、SSランクの魔物と対峙なんて良い経験になるだろ」

「うん、普通は経験になる以前に死んじゃうけどね」

「だからこそ若手に任せたい。ナミルがいれば安全にSSランクと対峙できそうだしな」

「あたしも良い経験になったよ」


 私はボディガードですか……。

 何か違わない?


「で、いつ出発すればいいのですか?」

「なるべく早く、出来れば今日にでも、と言いたいが準備もいるだろうし、明日からだな。ちなみに馬は貸す」

「馬、乗れません」

「は?」

「ですから、馬は乗れません」

「馬に乗れないって、今までどうやって生きてきたんだ。もしかしてナミルって良いところのお嬢さんなのか?」


 一番下とはいえ男爵家育ちですから。しかも殆ど箱入り娘状態でしたし。

 まあ夜にこっそり外へいってましたけどね。


「ナミルちゃん、サルクルからの帰りは結局走ってきたしね」

「それはまたワイルドだな」

「なっ、ワイルドですかっ?! 健康的で良いじゃないですかっ!」

「ま、それはそれとして、今回はラミに相乗りすればいい。あと、二人には今日の午後にナミルの店へ行くよう伝えておく。その後、二人と相談しながら準備してくれ」

「分かりました」


 今回は片道一週間ですし、サルクルより近いから荷物はそこまで多くならないでしょう。それに馬がいるということは、荷物載せられますしね。

 ついでに二人随伴も居ることですし、冒険者としての心得とか聞いて勉強するのもいいですね。





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