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幼馴染は半陰陽  作者: 海老野素揚
6/16

第6話 告白

気が付けば3月。


中学2年の学校生活も終わり短い春休みを満喫していた。

学校生活は僕が思っていたよりも平穏だった。

仮に、何か起きていたとしても

生徒全員が知ることになるような大事件でもない限り

僕には知る方法はなかったからかもしれない。




真が遊びに来た。

またいつものようにゲームで遊ぶのかと思ったけど

真から家に来てほしいと言われた。

僕は真に連れられて真の家に行った。

真の家に入るのは謝りに行った時以来だ。

「今日はお母さんも出かけてて私1人なの」

真はそういった。

真の部屋に案内された。

何か飲み物を取ってくるね、と言い残し真は部屋を出た。

僕は部屋の真ん中にあるテーブルの横に座り部屋を見渡した。

部屋には白をベースにした女の子らしいデザインの家具があった。

本棚には少女漫画が何冊も入っていた。

全身が映る大きな鏡やドレッサーもあった。

真はもう化粧をしているのだろうか?

そんな事を考えていると真が飲み物を持って戻ってきた。


「今日は大事な話があるの」

真は僕の右隣に座ると話を切り出した。

「大事な話?」

真は少し黙り込んだ後

「私、将来の事決めたの」

「将来の事?」

「うん。私・・・男の子になることにしたの」

「えっ!?」

僕は驚いた。

「な、何で・・・どうして・・・」

「お医者さんがね、私が女の子として生き続けるには

都合の悪い事が多すぎるんだって言ったの。

でも男の子として生きるには条件が良いんだって。

だから男の子になることにしたの」

僕は何も言えなくなっていた。

「あ、でも中学卒業までは女の子でいるからそこは安心して」

突然真が立ち上がった。

「あと1年間、女の子の藍原真をよろしくお願いします」

そう言うと真は頭を下げた。

「んーっ。やっと言えたぁ」

そう言うと真は伸びをした。

「さて、と。じゃあ、恭介君の家に行ってゲームしよっか」

真はそう言うと部屋を出ようとした。

僕はうつむいて座ったままだった。

「どうしたの?行こっ」

真は右手を差し出した。

僕はその手を掴んだ。

「・・・嫌だよ」

「えっ?」

「真が男になるなんてそんなの嫌だよ!」

「恭介君!?」

「僕・・・僕・・・真の事が好きなんだ!大好きなんだ!」

「!!!」

その瞬間、真の頬が赤くなった。

「ずっとそばにいて欲しいんだよ。僕の大好きな女の子の真で

いて欲しいんだよ。だから・・・

男になるなんて言わないでよ!女の子やめないでよ!」

真は涙を流しながら僕に抱き付いた。

「私も、恭介君の事が大好きだよ。恭介君のお嫁さんになりたいって

ずっと思ってた。私だって本当は男の子にはなりたくない。

女の子でずっといたい。でも・・・もう無理なの。

女の子でいることが苦しくて辛くて仕方がないの。

ごめんね。本当にごめんね・・・」


真は僕に謝っていた。

でも、僕は諦めることが出来なかった。

「男になりたくないのに男になるなんてそんなのおかしいよ」

「しょうがないのよ。もうそれしか方法がないの」

「そんな事ないよ。女の子でいられる方法が必ずあるよ」

「無理だよ。いろいろやったけどダメだったの」

「諦めちゃダメだよ。絶対何かあるよ」

「女の子でいられる方法なんてないのよ」

「そんな事ない!」

僕も真も理解してくれない相手に対してイライラし始めていた。

いつの間にかお互いに声を荒げていた。

「どうして解ってくれないの?恭介君は私が苦しむのを見ていたいの?」

「違う!僕は真に女の子でいてほしいだけだ!」

「女の子でいるのが苦しいって言ったのにそれでもいろって言うの?」

「なりたくもない男になることが理解できないんだよ!」

「解るわけないでしょ!あなた半陰陽じゃないんだから!!!」

そういうと真は僕を突き飛ばした。

一瞬驚いたけど諦めるわけにはいかなかった。

「何も話してくれないんじゃ解らないよ!何で話してくれないんだよ!」

「話せるわけないでしょ!女の子が男の子に体の事なんて言えるわけないでしょ!」

「そんな事言っていられないだろ!」

「・・・解ったわよ。そんなに聞きたいんなら全部話してあげるわよ!!!」


真は怒りに任せて全てをぶちまけた。

それは僕の予想を超える壮絶な内容だった・・・

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