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幼馴染は半陰陽  作者: 海老野素揚
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第5話 交換日記

「交換日記?」

「うん。交換日記」


僕は真に二人で交換日記をやってみないかと言った。

実は、これは母さんのアイデアなのだ。

真は大変な思いをしているはずなのに

悩み事を打ち明けてこなかった。

母さんもあの出来事以降、真の事を心配しているようで

僕に様子を聞きに来ていた。

しかし、結果はこの有様。

状況が全然解らない。

言わないんじゃなくて言えないんじゃないか?

母さんはそう考えたらしい。

で、思いついたのが交換日記。

直接言いにくい事でも日記でなら書けるかもしれない。

というのだ。


「別にいいけど、恭介君は平気なの?」

「平気って?」

「だって、日記書くの苦手だって言ってたでしょ?」

実を言うと、僕は日記を書くのが苦手だった。

小学生時代、夏休みの宿題で日記があったけど

ほとんど書くことが出来なかった。

だからページの半分を絵でごまかしていた。。

以前、真にどうやったら日記が書けるか聞いてみたけど

思ったことを書いているだけ、という参考になるような

ならないような答えが返ってきただけだった。

「何とかなると思う、たぶん・・・」

あんまり自信はなかったけど真の為に頑張ると決めたのだ。

やるしかなかった。


日記は家の郵便ポストに入れる方法にした。

朝渡す方法にすると学校で他人に読まれる可能性があった為だ。

いざ、始めてみたものの予想通りの展開になった。


真はその日の出来事をいろいろ書き込んでいて

ノート1ページがほぼ埋まっていた。

一方、僕は1ページの3分の1も書けなかった。

1冊のノートをやり取りしているので実際は2日分をまとめて

書くことになるけど、それでも書けなかった。

真から何度も、もう止めようか?と聞かれたけど

僕は意地を張って続けた。

とにかく真の事が知りたい一心だった。


結局、日記にも悩み事が書かれる事はなかった。

何か悩み事ない?とそれとなく書いてみたものの

聞いてほしい事があったら書く、という感じの反応しか

返ってこなかった。

でも、交換日記をしたのは無駄ではなかった。

1つだけ解った事があった。

それは、真が週に1回学校を早退して病院へ行っていた事だ。

この日の日記には気になることがあった。

病院に行った日は書く内容が少なくなっているのだ。

日記が書けなくなるような事が起きているのは解るけど

それが何かまでは知ることが出来なかった。


またしても思惑が外れた。

他に方法がないか考えてみたけど何も思いつかなかった。

そんな事をしているうちに時間だけが過ぎていった。

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