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幼馴染は半陰陽  作者: 海老野素揚
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第2話 真の秘密

翌日。


土曜日。


学校に行く気にはなれなかったけど家にいる気にもなれず

結局、学校へ行くことにした。

無言で朝ごはんを食べて両親に声もかけずに出て行った。


自分の席につくなり机に突っ伏した。

「どうした?元気ないなぁ?」

僕に話しかけてきたのは友人の神崎。

中1の時から付き合うようになった。

「もしかして、嫁と喧嘩した?」

嫁、それは真の事だ。

僕はその言葉に過剰に反応し、机を激しく叩き立ち上がり

「そんなんじゃねーよ!」

と、大声で怒鳴った。

はっ、と我に返った。

教室にいた全員が僕を見ていた。

「あ・・・ごめん・・・」

力なく答えると椅子に座った。

「なんか・・・ごめんな」

神崎はそう言うと僕の元を去った。

引き留めようとしたけど間に合わなかった。

僕は再び机に伏した。


この日、授業は全く頭に入ってこなかった。




学校から帰りお昼ご飯を食べた後、父さんが僕の部屋に入ってきた。

「今から真ちゃん家に謝りに行くぞ」

父さんはこう言った。

「行かない」

僕は答えた。

「いいから来るんだ」

父さんは少し怒った表情で僕の腕を掴むと無理矢理連れ出した。


ピンポーン


真の家のインターホンのボタンを父さんが押した。

母さんもいる。

手みやげを持っていた。

「はい」

インターホンから声がした。

「信原です。昨日の事についてお伺いしました」

「どうぞ」

そんなやり取りをした後で僕たちは家の扉の前に立った。

扉が開き真の両親の姿が見えた。

「この度は申し訳ありませんでした」

両親が深々と頭を下げた。

「おまえも下げるんだ」

父さんはこういうと僕の頭を右手で下に押さえつけた。

真の両親は少し驚いた後

「立ち話も何ですから中へどうぞ」

と言って家に招き入れた。


僕と僕の両親、真の両親はダイニングチェアに座っていた。

真は自分の部屋にいてこの場には参加しないそうだ。

「恭介君が真に酷い事をしたって電話で話してましたが・・・」

真のお父さんがそう話を切り出した。

僕は知らなかったけど昨日の夜、真の家に電話をしたようだ。

「恭介の部屋から泣き声が聞こえてきたので部屋に入ったら

真ちゃんが裸で泣いていたんです」

僕の母さんが答えた。

「そうですか・・・」

少し考え事をした後、真のお父さんは僕に話しかけてきた。

「恭介君。あの時何があったのかおじさんに話してくれるかな?」

「うん」

僕は答えるとあの時の事を話し始めた。

「真が突然僕を押し倒してきたんだ」

「それで?」

「そうしたら私、女の子だよね?って聞いてきて、何を言っているの?

って言ったら服を脱ぎ始めて・・・」

「恭介!おまえまだそんなことを!」

父さんが怒り出した。

それを真のお父さんが制止した。

「一度話を全部聞いてみましょう。それでその後は?」

「真が見てって言うから真の裸を見たんだ。そうしたら・・・」

「そうしたら?」

「そうしたら・・・お・・・お・・・」

その先は言えなかった。

言葉に詰まっていると

「解った。話してくれてありがとう」

真のお父さんはそう言った。

真のお父さんは席から立ち上がった。

僕は叩かれることを覚悟していた。けど

真のお父さんは深々と頭を下げた。

「娘が迷惑をかけて申し訳ありませんでした」

謝罪の言葉を発した。

「迷惑をかけたって、迷惑をかけたのは恭介のほうでは・・・」

父さんはうろたえながら問うた。

「夏美、病院からの資料をここへ」

真のお父さんが真のお母さんに話しかけた。

「でも・・・」

「構わない。恭介君は見てしまったんだから今更隠すこともないだろう」

「・・・解りました」

そういうと真のお母さんは部屋を出た。

「病院って、真ちゃん病気なんですか?」

お父さんが聞くと真のお父さんは答えた。

「半年前、妻が真の体の様子がおかしいと言ったので病院へ連れて行きました。

そうしたら大変な事が解ったのです」

「大変な事?」


「実は、真は男の子だったんです」

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