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幼馴染は半陰陽  作者: 海老野素揚
12/16

第12話 暗黒時代

2学期の始業式の日を迎えた。


学校へ向かう足取りがこれまでにないほど重かった。

理由はただ1つ。

僕の隣に真がいないからだ。

朝、真が迎えに来てくれる。

そして一緒に学校に行く。

そんな生活にすっかり慣れきっていた。

今日からそれがなくなった。

真は男子として別の学校に行っている。

その事実が重くのしかかっていた。


「おはよう」

1人の女子が挨拶をしてきた。

登校中によく会っていた真の友達だった。

「あれ?まこちーは?」

彼女が聞いてきた。

「藍原は転校したよ」

僕は答えた。

「え!?うそ!?何で!?」

彼女は少し動揺しながら聞いてきた。

「僕も理由は解らないんだ」

真が男になったから、なんて言えるはずもなく

僕は嘘をついた。

「夏休み中ずっと連絡がつかなかったから

心配してたけど、何も言わずに転校するなんて・・・」

彼女は悲しそうな表情をしていた。


教室に入ると今度は神崎が話しかけてきた。

「あれ?藍原は?」

僕が怒鳴ってしまった出来事以降、神崎は真を

嫁と言わずに苗字で呼ぶようになっていた。

「転校した」

「マジかよ!?何かあったのか?」

「さぁ?突然転校するって言われたからなぁ」

「そっか・・・」

そうしているうちに担任の先生が教室に入ってきた。

先生は全員の前で真が家庭の事情で転校したと話した。

教室は一気にざわついた。

学校も一応配慮はしてるんだなと思った。




2学期の学校生活はあっという間に過ぎ去って行った。

修学旅行も文化祭もそれなりに楽しめたが

どこか物足りなさがあった。

真がいないのが原因だというのは明らかだった。


2学期になってから真と会う事がほぼなくなった。

通ってる学校が違うから時間が合わないのは解っていたけど

ここまで会えないとは思ってもいなかった。

月に1度ほど学校帰りに家の前で会うのがやっとだった。

真が家に遊びに来ることもなくなった。

僕が真の家に遊びに行っても用事があるから、と断られた。


僕は真の様子が以前から変わったことを気にしていた。

明るさが消え、何時も険しい表情をするようになっていた。

話し方も荒っぽくなった。

何時も怒っているようなそんな感じだった。




高校受験シーズンを迎えた。


と言っても、僕には張り合いのないものだった。

結局、僕は何の目標も見いだせないでいた。

とりあえず、単願推薦で行けそうな家からそれほど離れていない

公立高校に行くことを選んだ。

受験勉強は人並みにこなし体調管理に気を付けるという

受験生として当たり前の事だけをした。

そして、順当に合格した。

やりたいことは高校で見つけよう。

そう考えていた。

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