幽霊探偵の憂鬱①
3:45、学校が終了した
正確に言えば3:46
俺は教室を出て会議室へと急ぐ、弟を迎えに会議室へと
◆◆◆◆
会議室につくと誰もいなかった
不思議に思った、なぜ?、なぜ誰もいない?それどころか物音すらしない
俺が歩く音すら響かないこの空間
なにかが変だ
だが、嫌な感じは一切しない
・・・変なところに足を突っ込んだか?
逃げよう、真っ先に反対方向へと走り出す。こういうときのお決まりは無限ループ、そのお決まりにはまってしまった
逃げられない⁉︎
走っても走っても会議室の前にもどされる。まぁ、小さい頃からよくあったことなので慣れたのかなんなのかはしらないが、疲れたからやすむ!
廊下に座り、壁に寄りかかった
◇◇◇◇
「ははっ鬼さんこちらっ」
なんだ?
真っ暗な空間のなかに俺はたっている。そこには数人の人影があった
「返せよ!」
ドスッと鋭い痛みが走ったような気がした。正直、走ったかどうかはわからない。
そこで、俺は納得する
あぁ、これは夢なんだ、と
よく見てみるとうちの学校の制服で男子生徒数人と茶髪の小柄な男子生徒が揉めているようだった
「返せよ!返せって!」
数人の男子生徒の一人、リーダー格の奴の手には黒いモヤモヤした何か。表現するならおはぎみたいな、そんなん
あからさまに俺に見せないようにしてる。いや、見せたいけど見せられないのかもしれない
「うっせぇんだよ!!男がこんな女々しいもん持ちやがって気持ち悪りぃんだよ!」
そういうと背景に河原が現れた
スッというかボヤッというか、そんな感じで
ポチャンッ
おはぎは川へとダイブしてた
おはぎはどんどんしずんでいく、さようならおはぎ、次は川なんかじゃなくて口の中に入れるようになーっと心の中で言ってみる
「「「ぎゃはははははははっ!!」」」
数人の男子生徒は笑い声をあげて小柄な方に指を指していた
小柄な方は屋上から落ちた時のようなそんな深い絶望の表情で、同時に鋭い憎悪を感じ、ここは危険だ、長年の勘でそう思ったのは言うまでもない
プッと情景が入れ替わる
どこだ・・・?ここ・・・?
「こわい、こわい、こわい、でも生きてる方がもっとこわい、一歩踏み出せば変わるんだ、僕は変わるんだ、もう、終わりにしよう」
あぁ、そうか、ここは
「やだやだやだやだやだやだ、地面がくる地面がくる!タスケテタスケテタスケテ!」
うちの学校の屋上か
小柄な奴は悲鳴をあげなから落ちて行った
そして
◇◇◇◇
「・・・寝てた、のか?」
そのときだった
「・・・うぁッ・・・ッ⁉︎」
恨みしかない、というような目が俺を貫いていた、しかも現在進行形で首を締めている
「は・・・なせ・・・ッ!」
なんとか声を絞りだすが幽霊に届いているかどうか、そう、こいつは幽霊だ
会話なんて出来た試しがない
そもそも意思の疎通ははかれるのか?
「うぅッ・・・!」
そろそろ限界が近い
意識が遠のく
『ミンナミンナミンナミンナミンナミンナシネシネシネシネシネシネ!ナンデ!ナンデ!ナンデ!ナンデボクガ!!』
死ななきゃいけなかったのさ
悲しい叫びだった




