表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特区 若き魔法遣い改め  作者: 夏目
8/10

相談

魔法塔の中にいると、時間の感覚がかなり悪くなる。

青ザルが食事を運んできた。

「え。もうそんな時間?」

オルディーが窓の外を見る。

真っ暗だった。

「もう、夜なんだね」

青ザルが言う。

ヴァンエールとフィルが食事の準備を始める。

青ザルは黄色のチョッキのどこに入れていたのか、封筒を取り出す。

「オルディーに伝言なんだね」

封筒には『伝言』と、デカデカと書いてあった。うっかり弔辞でも入ってそうな封筒を開くと、蛇腹状の紙が勝手にぱらぱらとめくれる。

げっ、と思わず声の出るオルディーの嫌そうな顔に、ヴァンエールとフィルが怪訝な顔をする。

「…。白ザルいる?」

「何か」

白ザルが静かに紅茶を運んでくる。

「伝書鳩に丁度いいウサ・パウニって何だと思う?」

ウサ・パウニとは、情報を運ぶ魔生のことである。運び屋とも呼ばれる。稀に荷物も運ぶが、基本的には、情報や伝言を運ぶので小柄で鳥の姿をしていることが多い。

白ザルは少し考えて。

「スピードならハチドリ。一般的にはハトやカラス、タカといった所でしょうか」

「個人的には、ト-テンコ-とかいいんじゃない?」

ヴァンエールが口を挟む。

「僕の実家では、コノハズクを使ってましたね」

「へぇ。色々いるもんだね。そう言うのってドコで手に入るもんなの?」

紅於(こうお)なら知ってるんじゃないの?」

突然の声に、皆が一斉に注目する。

急に注目を浴びた声の主は。

「え。何。何事?」

水色の髪に、鮮やかな緋色と淡いピンクの色違えの双眸の青年、シオン・ヘシュウアンが目を見開いている。

「何でここにいるの?」

オルディーも驚いて言う。

「いや、ここの定期整備。今から晩メシなら、オレも混ぜて」

「あ。そうだった。食べよっか」

シオンも混じって食事をしながら、オルディーの実家の伝書鳩について相談する。色々な意見が出た結果。

「ハチドリはそのまま置いとくとして。実家でも使えそうなト-テンコ-とカイエンにしようかな」

「かーなり気難しいから頑張って」

このメンバーの中で一番ウサ・パウニの情報を持っていたシオンが気楽に言う。

「そこなんだよね。気に入られなかったら、コノハズクにでもしようかなぁ」

「気性が荒いですよ、アレ」

「ハチドリも激しいけどね」

オルディーが苦笑する。

「まぁ、紅於に直接聞いた方が速いよ」

「シオンは物知りですね」

感心したようにフィルが言う。

「イリスの方が物知りだから。そう言えば、オルディーはウサ・パウニの相談でここに来たわけ?」

「いえ、エバンシアと瘴気について」

ヴァンエールが補足説明すると、シオンが目を丸くした。

「え。それって時間が経ったら治るもんじゃないの?まぁ、早急にどうにかってんなら話は別だろうけど」

「え。そんなもんなの?」

ヴァンエールが驚く。

「そうかも知れないけど、エバンシアって何か特殊だから」

「…まぁ、変わってるわな」

シオンも何か思い当たる節があるらしい。

「…一読したけど、瘴気の勉強になっただけだった気がする」

「そうだね。ただ、こんなに身近なものなのに、知らないコトが結構あってびっくりした」

「確かに。瘴気って遅延性だと思ってたら、濃さとか色々なコトで、あっさり変わっちゃうものなんだね。知らなかったよ」

「本当。まさか、瘴気で魔獣が死ぬこともあるとは思わなかった」

「そうそう」

ヴァンエールとフィルが喋っている横でオルディーは小さく首を傾げた。

「エバンシアって身体弱いのかなぁ」

ぼそりと呟く。

「ちょっと変わってはいるみたいだね」

シオンも呟く。

「へ?」

「オルディーも知ってるだろうけど、エバンシアってブリュメールが苦手なんだよ」

「そうみたいだね」

「体質的に合わないんだってさ」

「体質…?」

「どういう意味かはよく知らないけどね」

「人魔ってそう言うもんなの?」

「うーん。親の魔獣の性質はある程度受け継いじゃうからね。オレは特に不都合を感じたコトないけど。まぁ、魔獣も色々だから」

「人魔も色々?」

「そう言うこと」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ