012 ☈ 漫研の長は(閑話)
放課後。
私は少し緊張しながらも、紗穂と共に部活で確保した教室に向かっていた。
すると、廊下でバッタリと1つ下の後輩と出会う。後輩は最初こそ驚いた顔をしていたものの、事情はお喋りな誰かさんから聞いていたらしい。すぐに歓迎してくれた。
教室では、同じ学年の凪と伊吹 麻衣が居た。2人とも他の組だから会うことはあまり無かったが、それでも私が復帰した話は聞いていたらしく、驚かれるどころか凄く感動されていた。
そして、全員が揃ったあたりで今までのことを全て話す。
除霊の後から、私はずっと独りで考えていた。
この話しは、私やその一部だけでは無く、事情を知っている者には全員に知っておいてもらった方が良いのではないか、と。
騙されていたとはいえ、私ははっきり物事を言うことを避けて来た。だから彼女のことを無意識に傷付けてしまっていた。これは私の育って来た環境が影響しているのだとすぐに解ったが、しかし性格というものはすぐには変えられない。
本当は全てを隠していたかった。
それでもこのことを話そうと思ったのは、如月から、私が彼女の除霊をしたのだと聞かされたからであり、同時にこんな地味な自分を変えられるのではないかと思ったから。今なら、事実を知った紗穂も説明を手助けをしてくれると、そう思ったからだった。
全てを話し終えてから、凪は私をギュッと抱きしめてきた。
とはいっても、凪は凄く小さい。そんな凪ごと抱きしめて来たのは、長身で見た目以上に体格の良い伊吹だった。
「やっとトーネが心を開いてくれた! これは進歩だよっ! 前進だよっ!!」
「うん、うん。成長するってこういうことだよね~」
凪と伊吹がそれぞれそう言ってくれていた。
後輩も拍手をしてくれている。
「全てを話ししてくれたから、先輩への誤解が解けました」
「今まで何も知らないのに嫌な顔をしてしまってごめんなさい」
なんて言っている子もいた。
彼女のことを悪く思っていても、それすら甘やかしてしまっていた私に対してではなかったことに驚きを隠せないでいる。
―― 私よりも、皆の方が大人なのだろう。
結果的にかなりの人数は減ってしまったが、残ってくれた部員は友達と同じくらいに大切にしなければならないと感じた。




