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思想が強めなあの人

作者: 小雨川蛙

 




 どの世界でもそうだけれど、思想が強めの人ってどうしても嫌われちゃう。

 例えばあの人もそう。


 あんなにも何か訴えているけれど、主張の仕方が必死過ぎて少し引く。

 言っていることも一部分からなくもないけれど――だけど、もっとやり方があるんじゃないかな。


 必死になって大声で叫んだりさぁ。

 もうほとんど言葉になっていないし。


 あらら……偉い人に掴みかかっちゃったよ。

 あーあ、当たり前だけど突き飛ばされて……。


 あーあ。

 リンチが始まっちゃった。

 ……あっ、死んじゃった。


 可哀想っちゃ可哀想だけど、やり方が悪かったよね。

 あとはまぁ……今更、何をしても変わらないってことも理解しなきゃいけなかったと思う。


 あーあ。

 空気の読めない人。



 』



 ***



「お。観終わった?」

「うん。終わった終わった」

「どう? 分かった? 僕達の先祖……人類が衰退した理由」

「まぁ、分かりやすかったかな」

「へー、どんな滅び方したの?」


「んっとね。必死に暴力はいけないって訴える優しい人を空気を読めないって馬鹿にした挙句、最後には優しい人達を殺し尽くしておしまい」


「救いようがないな」

「そうだね」


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― 新着の感想 ―
 先を見据えた皮肉な視点は予知めいてもいて、現実に当てはめ考えさせられます。  救いを叫ぶ小さな一手を嘲笑い、利己心に無関心を装い問題から逃げ続ける、功利主義の持つ暴力性が顔を出せば社会そのものが衰退…
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