第54話 空中要塞ルフトカイザー
吸い込まれた先は、とにかく広い空間だった。
天井は……高すぎてよく見えない。
多分、この下から吸い込まれたと思うんだけど、今は床になってる。
この床の材質……マキナプラントのやつと似てるけど……まさか、ここは……。
「こんなものまで起動させてたなんて。……間違いないわ、機神の空中要塞、ルフトカイザーの中よ」
同じく辺りを見回していたリナベルが断定した。
やっぱり機神関係のやつか!
どうやら精霊の木霊の乗る飛空機械も無事のようだ。
俺はほっと胸をなで下ろした。
ただ……。
「どうやってここから脱出したらいいんだ?」
入ってきた所は塞がれてしまってる。
「そうね……」
リナベルも思案顔だ。
「……どうせすぐに機神たちがやってくるよ。脱出するだけなら壁にドカンと穴を開ければいいけど、ついでだからここを壊しちゃえばいいんじゃない?」
リントヴルムがとんでもない提案をしてきた。
「こ、壊すって……?」
「一番手っ取り早いのは、動力炉を壊すことかな。そうすれば海に落ちていくよ。オイラがここで暴れるから、その隙に壊してくる?」
そんなちょっとお使い行ってくる?みたいなノリで言われても……。
「……いいかもしれない」
まさかのコーディが食い付いた。
「機神の基地だぞ?アクセラバードやグラナギアがいるかもしれないんだぞ?」
この前のマキナプラントの時も、予期せずグラナギアに遭遇したし……。
確かに鍛錬は積んだけど、通用するかは分からない。それに高エネルギー結晶体のこともある。
今は脱出した方が……。
「だけど、これを放っておけば近いうちに確実に被害が出る」
うう、それはそうかもしれない。
「迷ってるヒマはないみたい!雑兵が湧いてきた!」
リントヴルムの声に周りを見ると、いたるところから機神がこちらに向かってやって来ている。
「仕方がない、あなたの案に乗るわ、リントヴルム!ここで思いきり暴れながら、彼等を守ってちょうだい!私たちは急いで動力炉を叩いてくるわ!」
リナベルが決断した。
「了解ー!さぁ久しぶりにやるぞー!」
俺たちが降りたあと、リントヴルムはドラゴンの形態になった。精霊の木霊のメンバーが驚いている。
ここは広すぎて移動に時間がかかりそうだ。
あ、それなら……。
「ベヒモス、来てくれ」
俺の呼びかけに、すぐにベヒモスが現れた。
〝どうした?〟
「悪いんだけど、俺たちを乗せて飛んでくれないか?急いで動力炉を破壊して、またここに戻ってきたいんだ」
〝ふむ……よかろう〟
一瞬で状況を把握したベヒモスは、あっさりと許可をくれた。
「ありがとう」
俺たち三人が乗ったのを確認すると、ベヒモスは飛び立った。
「頼んだよー!……コーディ、爆発は嫌だからね!そっと落としてねー!」
ん?今、物騒な単語が聞こえたような気が……。
「善処するよ」
コーディは苦笑いしていた。




