表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある冒険者たちが世界を救うまで  作者: 如月つばさ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/56

第52話 束の間の休息

 外の空気を吸うのがずいぶん久しぶりな気がする。

「まぶしっ……」

 今までずっと薄暗い所にいたせいで、目を開けるのに少し時間がかかった。


「あっ、出てきたー、お帰りー!」

 リントヴルムが俺たちに気付いて、首を持ち上げた。

「ライトー!ご飯ちょーだい!ご飯ー!」

 お前、そればっかりだな。ん?そういえば……。

「俺たちが建物に入ってから、どれくらい時間が経ってんだ?」

 リントヴルムの喉元から紐?を引っ張り出しながら尋ねた。

「んー、ちょうど1日だね」

 え?それだけしか経ってないのか?

 ものすごく長い時間、鍛錬してたように感じたけど。


 棒を握って魔力を流しながら考えていると、すぐにピンポンと音が鳴った。

「わあ、すごいね〜、あっという間にお腹一杯になっちゃった。鍛錬したら魔力を流せる量も増えたんだね」

 そうなのか。……もしかしたら枷が外れた影響もあるかもしれないな。

 俺は紐?を片付けようとしたが、うまく入らない。

「コードは円を描くように巻いて片付けるとうまく入るよ」

 見かねたコーディが手伝ってくれた。

「コード?」

「ああ、この紐のことだよ。中に魔力導線が入ってて、それが傷つかないようにコーティングしてあるんだ」

「へえ……」

 また新しい単語が出てきた。実はコーディって物知りなんじゃないかと思う。

 いつもはあまり喋らないけど、聞いたら色々教えてくれそうだよな。


 そこで俺のお腹が盛大に鳴った。

「俺もお腹空いたー……」

「あはは、それじゃここで食べましょうか。……そうね、もう今日はここで休んで、明日から動くことにしましょ」

 そう言うと、リナベルは宙に手を突っ込んで、ミニチュアハウスのようなものを取り出した。

 そして、それを地面に置いて息を吹きかけると、本物の家のように大きくなった。

「おおっ」

「携帯用コテージよ。エルフの道具屋さんから買ったんだけど、なかなかいい品よ」

 リントヴルムが興味津々といった風に、後ろから覗き込んできた。

「やっぱりオイラは入れないよね」

「そうね、ごめんなさいね」

 リナベルは苦笑いだ。


「さ、どうぞ。中でご飯にしましょ」

「お邪魔しまーす」

 リナベルがドアを開けてくれたので、俺はさっそく中に入ってみた。

「おおっ、けっこう広いな」

 入って右手に簡易的な調理場、左手にはソファ付きのテーブルセットがあり、奥にベッドが2台あった。


 何が食べたいか聞かれ、とりあえず手早く食べたいという俺のリクエストに、リナベルがグレートブルの肉のガーリック炒めと青菜のサラダ、オニオンスープと黒パンを用意してくれた。

 リナベルが料理ができるってのが意外だったな。

 本人に言うと絶対怒られるから言わないけどな。


「ところで、リナベルとコーディはどんな鍛錬をしたんだ?」

 俺は料理を頬張りながら、二人に尋ねた。

 うん、この肉美味いな。

「私たちはひたすら敵を倒したわ。最初はそんなに強くなかったけど、だんだん強くなっていくの。しかもノンストップでね」

「ひええ……」

 それも中々エグいよな。

「ライト君は何をやったの?……その様子じゃ、結構詰め込まれたんじゃないかしら?」


 俺は真祖に連れて行かれた先であった出来事を、二人に話した。

「そうだったのね……。色々大変だったわね」

「まぁね。でも、お陰で強くなれたと思う」

「そう……。ライト君がそう思えるのなら良かったわ」

 何故かリナベルから頭を撫でられた。

「さて、あらかた食べ終わったし、片付けてから休みましょうか」


 いつの間にか、外は夜の帳が下りようとしていた。

 ベッドが2台しかないため、誰が使うかの話になって、結局リナベルと俺が使うことになり、コーディがソファで休むことになった。


 あ、でも待って、これって……。

「さて、覚悟はいいかしら?ライト君」

 妖しい笑みを浮かべたリナベルが、ベッドサイドに立っていた。

 やっぱりこうなるよな!

「い……いいわけないだろっ……!やっと真祖様から解放されたのに……!」

 そんな俺の抵抗も虚しく、今日はリナベルの餌食となったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ