表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある冒険者たちが世界を救うまで  作者: 如月つばさ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/56

第47話 真祖

 暗闇から声が響いた次の瞬間、うす明かりが灯り、凄まじいプレッシャーを感じた。


 そこにいるそいつは、この世のものとは思えないほど整った顔立ちで、ぱっと見男か女か分からない。

 リナベルより少し背が高く、肩まで届く銀色のストレートの髪と長い耳、そしてルビーよりも深い紅色の瞳をしている。ゆったりとしたマントを羽織っており、とにかく美しかった。

 そして底なしの恐怖を感じる。逆らってはならない、俺は捕食される側だと強く認識させられ、嫌な汗が噴き出てきた。


「お久し振りでございます。真祖様」

 そんなプレッシャーなど意に介さないのか、リナベルは流れるように美しい淑女の礼(カーテシー)を取った。


 そうか……こいつが吸血鬼(ヴァンパイア)の支配者……。


「息災のようで、なにより。……して、其れは余への供物か?」

 真祖が俺を指さした。

「恐れながら、そちらは私の仲間で供物ではございません」

「供物でないと……。そのように良き香りを漂わせておきながら……」


 気付くと真祖が俺のすぐ後ろにいた。いつの間に移動したんだ!?

 そして俺の肩に手をかけ、首筋に顔を寄せる。

「! そなた、豊穣の力を持っておるな」

 そう言ったと思ったら、真祖の影からもう一人真祖が現れた。

 もう訳が分からない。

 だがその瞬間、場のプレッシャーが跳ね上がった。


 息をするのも、やっとだ。普通の人なら気絶しててもおかしくない。

「まさか……御身を現されるとは」

 あのリナベルが驚いている。

「ここに来たということは、鍛錬に訪れたということであろう?なれば影に任せて良かったのだが、まさか豊穣の力を宿す者が現れたとあっては、余自ら歓迎せぬ訳にはいくまい?」

 ということは、影から出てきた方が本物……?


 いつの間にか真祖は一人になっていて、俺の正面に立っていた。

 圧倒的なプレッシャーを受けて、全く動けそうにない。

「そう身構えるな。殺しはせぬから安心するがいい。……で、どうであった?」

 真祖はリナベルに問いかけていた。

「余を差し置いて味見したであろう?」

「は……申し訳ありません」

 リナベルは素直に白状した。

 真祖は仕方のない奴という様な表情をしている。

「構わぬ。それが我らの(さが)である故な」

 そこで真祖はいい事を思いついたという風に、にやっと笑った。

「ふむ。リナベルよ、そなたと連れは先に鍛錬に入るがよい」

 真祖が指を鳴らすと、リナベルとコーディの前に扉が現れた。

「この者は余が預かろう。無事に戻れ」

「は。ありがとうございます」

 リナベルとコーディはうなずき合うと、扉に入っていった。


 正直こんな化物と二人きりにしないで欲しかったが、俺がリナベルなら同じようにしただろうから責められない。

「……では、我らも参ろうか」

 真祖は俺と目を合わせた。

 あ、これはやばいやつ……。

 眠りに落ちる直前、真祖が俺を抱きとめる感覚があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ