第32話 続マキナプラント
マキナプラントの内部は似たような通路ばかりで、やっぱり俺には同じような所をぐるぐる回っているようにしか思えない。
リナベルやコーディは一体何を目印に進んでるんだろうな。
しばらく行くと、さっきと同じような左右に分かれる壁があった。
その先はさっきのフレアタイトがあった部屋より若干小さめだったが、造り自体は似たような部屋だった。
「あったわ、フロスティウムね。……さあ、ここからは時間との勝負よ。これを回収したら敵がわんさか出てくるから、急いでフレアタイトも回収して脱出するわよ」
「分かった」
俺たちが部屋へ入り、フロスティウムを回収しようとした時だった。
突如、風の刃が俺たちを襲った。
「ぐっ……!」
俺は反射的に「回復」の魔法陣符を使って全員の傷を治した。
「ありがと、ライト君」
既にコーディが風の刃の発生源に大剣を叩き込んでいた。
相手は細身で紅い鎧のような金属のボディを持つ……機神だった!
「見付かった……!ライト君、その容器を割ってフロスティウムを回収して!」
「分かった!」
俺は「岩」の魔法陣符を使用して容器を割り、フロスティウムを回収した。
途端にけたたましい音が辺りに鳴り響く。
コーディは紅い機神を完全に沈黙させていた。
ちらっと目をやると、その機神は魔法陣符のようなものを手に持っていた。
「!!?」
「行くわよ!走って!」
考えるよりも先に、俺はリナベルに従って走っていた。
通路のいたる所から機神が湧いてくる。小さな番犬タイプから宙に浮く人形タイプまで、ほんとリナベルの言った通りわんさかだ。
俺とリナベルは「雷」で一掃する。
そうして何とかフレアタイトがある部屋まで戻って来たが。
「いらっしゃいませ、皆様。お待ちしていましたよ」
そこにはグラナギアが待ち構えていた。
見ると、先程コーディが倒した紅い機神を脇に抱えている。
前の戦いでコーディが左腕を斬り飛ばしたはずだが、再生しているようだ。
「ククク……やはりコレではあなた方の足止めにはならなかったか……。面白そうなので捕まえたヒトを改造してみたのですが」
「なっ……!?」
「そしてあなたも、ヒトではないのでは……?」
グラナギアはコーディを指した。
「このワタシの腕を斬り飛ばすなど、普通のヒトが行える芸当ではない」
コーディは沈黙を守っていた。
「まあ……どうでもいいことではありますが」
そう言うと、グラナギアの姿が消えた。
と思ったら俺の目の前に現れ、驚きのあまり動けない俺からフロスティウムを奪うと、再び消えてフレアタイトがある容器の隣に現れた。
「……これから死ぬヒトにとってはね」
そう言うと、グラナギアはフレアタイトが入っている容器を叩き割った。
「やめろ……!」
あいつがこれからやることは1つしかない。
「この工場を失うのは少し痛いですが、あなた方を始末できるのなら安いものです」
グラナギアは手に持ったフロスティウムをフレアタイトにぶつけた。
「それでは皆様、ごきげんよう」
グラナギアが手を上げると部屋の入口が閉じ、奴はそのまま姿を消した。
「くそ……!閉じ込めやがったな……!」
「コーディ、ライト君、つかまって!……間に合うか分からないけど!」
俺とコーディは差し出されたリナベルの手を迷わず取った。
「脱出!」
その場から俺たちの姿も掻き消えた。
「走って!できるだけ遠くへ……!」
俺たちはマキナプラントの入口に着いてすぐ、建物から離れるようリナベルに促され、強制ランニングをする羽目になった。
コーディも迷わず走っているところを見ると、穴を掘っても無意味なほど爆発の衝撃は凄まじいのだろう。
外は昼になっており、炎天下のランニングは確実に体力を奪っていく。
そして数百メートルほど離れた時、突然衝撃波が俺たちに襲いかかり、続いて後ろの方で轟音が響いた。
「! まずい……!」
何かに気付いたコーディに手を引かれ、そのままリナベルと一緒に抱き込まれた。
「コーディ……!」
間もなく熱と爆風に襲われて吹き飛ばされ、俺たちはそこで意識を失ったのだった。




