6/9
6
テレビの調子がだんだんと悪くなってテレビの中の人とお話をすることができない日がたびたびあるようになった。
その頻度はだんだんと多くなっていった。
テレビが映っても、その砂嵐の中にテレビの中の人がいない日もあった。
まめまきとひまわりはもう二度とテレビの中の人とお話ができなくなってしまうのではないかと思ってとても心配した気持ちになる。
「……昨日はごめんなさい。どうしても、体の調子が悪くてテレビの前に行くことができなかったの」とテレビの中の人は元気のない声で言った。
「別に無理しなくていいよ。ゆっくり休んで。ね、まめまき」テレビの間近に顔を近づけているひまわりが言う。
「うん。無理しないで」まめまきは言う。
「……二人ともいつも本当にどうもありがとう。本当に嬉しい。二人に会えたから私は本当に幸せだよ」とテレビの中の人は言った。
(そんなテレビの中の人の声を聞いて、なぜかまめまきの胸はとても痛くなった)