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その日、まめまきは怖い夢を見た。
その夢の中には一人の女の子がいた。まめまきやひまわりと同じくらいの年に見える小さな女の子だった。
女の子は泣いていた。とても苦しそうにもがいていた。(まめまきは女の子のことを助けてあげたいと思ったのだけどなにもすることができなかった)
すると、次の瞬間、女の子の胸が裂けるとそのから真っ黒ななにかが空に向かって勢いよく吹き出した。女の子は両手で自分の胸の傷を塞ごうとしたのだけど、その真っ黒ななにかを止めることはできなかった。
女の子は泣いている。
痛くて、苦しくって泣いている。女の子の顔はよく見えない。女の子の顔は黒い色で塗りつぶされていたからだ。でも泣いているのはわかる。
やがてその顔はまめまきの顔になった。
……助けて。
と女の子は(まめまきの目を正面から見つめて)言った。
そこでまめまきは夢から目覚めた。
夢から目覚めるとまめまきはぼんやりした頭の中であれはいったいなんだったのだろう? と思った。
横を見ると、隣のベットではひまわりがいつもと同じように笑顔で幸せそうな顔をしてまだ、ぐっすりと眠っていた。(怖い夢を見たので、まめまきは思わず早起きをしてしまった)
そんなひまわりを見てひまわりがあんなに怖い夢を見なくてよかったとまめまきは思った。