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真夜中の十二時ごろになるとテレビは外の世界とつながった。
幽霊にとっては真夜中の十二時は一日で一番元気な時間なのだけど、どうやら外の世界ではみんなが眠りについている時間らしい。
そんなお話を聞いて笹枝まめまきと浮雲ひまわりはすごく驚いた。
「お日様が空に昇っている時間に元気が出るんですか? 星やお月様じゃなくて?」まめまきは言う。
「……うん。そうだよ」
テレビの中の人は砂嵐の中でそう言った。
「変なの」と笑いながらひまわりは言った。
テレビの中の人と友達になってから二人は真夜中の十二時になるといつもテレビの前にやってきて、テレビが通じなくなる(理由はよくわからないけど)夜の一時までの一時間の間、ずっとテレビの中の人とお話をして過ごしていた。
二人の幽霊の女の子たちはテレビの中の人から外の世界のことについていっぱいいっぱい(本当にたくさんのことを)教わった。
外の世界は二人の幽霊の女の子たちの知らないことばかりだった。
テレビの中の人とお話をする一時間はあっという間に過ぎてしまった。
「あっ、通じなくなっちゃた」すごく残念そうな顔をしてひまわりが言った。
「また明日まで我慢だね」と寂しそうな顔をしてまめまきは言った。