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俺達は今、魔物を討伐してギルドに戻っている途中だ。あれから、少し魔法の練習も兼ねて魔物を討伐した。最初に討伐したウサギと他にデッカイ蜂…1mくらいだな。それも討伐した。エレンさんも魔物を討伐していた。ギルアスさんは見守るだけだったな。


王都に着いて、ギルドに入る。


「よし、お前ら受付行って魔石を買い取ってもらえ。」


「え?ギルド長は?」


「一緒じゃないんですか?」


「当たり前だろ?ほら、さっさと行ってこい。」


ギルアスさんが俺達の背中を押してギルドの中心部に俺達を追いやった。


「「えぇぇぇ!無理ですー!」」


無理無理!話しかけられるならまだしも、自分からなんて無理!コミュ障ナメるなよ!?


「ヒ…ヒビキ……頑張って!」


「エレンさん!?俺に丸投げですか!?エレンさんも頑張って下さいよ!?」


「無理だよぉ……」


「俺も無理ですよ!?」


ヤバい……行ける気がしない……


「あのぉ……」


「「ひゃい!?」」


いきなり、後ろからギルドの制服を着た女性に話しかけられた。


「す、すみません……驚かせるつもりはなかったんですが……」


「い、いえ!こちらこそ勝手に驚いてすみません!では失礼します!」


エレンさんがガバッと頭を下げながらそう言った。


「すみませんでした!失礼します!」


俺もエレンさんに続いて頭を下げてからギルアスさんの元に戻った。


「ハァ……お前らなぁ……せっかく目的の相手が話しかけてくれてんのに帰ってきたんだよ……ほら、もう一回行ってこい。」


「無理ですぅぅ!ヒドイですよ!「超」がいくつか付くような人見知りの人をあんな所に無理やり押し込むなんて!ものすごい拷問ですよ!私達が何をしたって言うんですかぁぁ!」


エレンさんがギルアスさんに訴えかけ、俺もエレンさんの言葉に頷いた。


「ハァ……そんなこと言ってたらいつまで経っても一人立ちできないぞ。少しずつ慣らしていけ。」


「「…………はぁい……」」


「……間がありすぎだろ…」


俺とエレンさんは諦めて受付に行くことにした。


「あっ……さっきの……」


受付の女性が俺達を見てそう言った。


「え、えっと……あの……」


「ま、ま魔石を……」


「……買い取りでしょうか?」


なかなか、本題に入らない俺達に受付さんは少し考えてから俺達が何を言いたいのか当ててくれた。


「「は、はい。」」


「では、魔石をあちらのカウンターにいる受付嬢に渡して下さい。そこで換金出来ますよ。」


「「わ、分かりました……」」


どうやら、この受付は依頼の受付や受理をする受付らしい。だから魔石の換金は別のカウンターに行かないといけないらしい。


俺達はギルアスさんの元に戻ってきた。


「なんで来たんだよ……そのまま換金の受付に行けばいいだろ……」


ギルアスさんはため息交じりに言うが、俺達はそれどころじゃない。


「……ギルアスさん…」


「……ギルド長…」


「ん?どうかしたか?」


「「……始めから換金の受付の場所を教えておいてくださいよぉぉぉ!」」


ヒドくないか!?この人俺達が他人と話すの苦手なの知ってて知らんぷりしてたぞ!?てか、エレンさん!あなたもあなたですからね!?あなた初めてじゃないですよね!?今まで冒険者活動してきたんですよね!?どうして知らないんですか!?


「……お前ら、文字読めないのか?」


「「……え?」」


文字?……そういえばこっちに来て文字らしき物を見てないな…………こういうのって異世界転移特典で『言語理解』的なものがあってもいいのにな……そういったものはないみたいだな。こっちに来て文字を見てないってそういうことだろ?


「あ……ホントだ…書いてる……」


エレンさんがそう呟いた。


「そうなんですか?」


「うん……書いてる……『カウンター』に……」


「か、『カウンター』に?」


よく見てみると、カウンターに模様のような物が書かれていた。分かりやすく例えるなら英語の筆記体みたいだな。いくつかあるカウンターに目を向けるとそれぞれ違う模様があった。


…………いや、分かりにくいな!?普通、『カウンター』自体に書くんじゃなくて上から何か吊り下げたり分かりやすい場所に書くだろ!?俺みたいに文字読めない人が見たらただの模様だぞ!?


「ちょっとギルド長!あれは分かりにくいですよ!」


「そんなことを言われてもなぁ……昔からあんなだぞ?」


「「えぇぇぇ!?」」


よく今までクレームなかったな!?


「というより、エレンさん!気付いてなかったんですか?」


「ひ、ヒビキこそ気付いてなかったじゃん!」


「俺は文字が読めないんです!ただの模様だと思ってました!」


「「…え?」」


俺が文字を読めないと言うとギルアスさんとエレンさんが驚いたようにこっちを見た。


「は、はい?どうかしましたか?」


「「……文字読めないってマジ?」」


「ま、マジです……」


な、なんなんだ?二人してこっち見て……


「……ふぅ……お前ら、一回ギルド長室に行くぞ。」


「賛成!」


「え?わ、分かりました。」


え?結局どういうこと?そんなに俺が文字読めないの意外だったのか?

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