表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自己愛性ブラック~その原因とメカニズム~  作者: 朝木深水
第九章 新人、飲み会、飲み会
96/397

その四 プレッシャー

 成見はまた、こんなことも言い出した。


 残業時に、残り三十分というところでUCに戻った。


 取り敢えず、松井さんの作業を手伝うことになった。その時だった。


「ギリギリまで、手を出さなくていいですよ」

 ギリギリの時間まで追い込んで煽ってやれば、多少は早くなるだろう、という意図だったのであろう。


 しかし煽ったところで、仕事が早くなるとも思えなかった。


 何度も反復してりゃ、そのうち覚えるだろう、というのが私のポリシーだった。それは今でも変わらない。極端な状況でもない限り、一度だけで覚える必要があるとは思えなかった。


 というよりも、こういうちょっと抜けてるというか、足りないというか、そういう人に対してこそ、最も有効な手段が、粘り強く適切な指示を与えながら反復させることではないだろうか、と思った。精神的にプレッシャーをかけたところで、逆効果であろう。


 尤も、UCの梱包ヤードで四六時中監視して指示を出すことは困難だったかもしれない。狭いダイレクトのヤードだから出来ることなのかもしれなかった。ダイレクトなら、目の前で彼の作業を監視しながら、自分の作業をやることも容易だった。


 それにちょっと賢い人間なら、こんなハードな仕事を続けようとは思わないだろう。ここで続けていけるのは、他に行き場のない連中だけだ。小迫さんと同様に、適当におだてて仕事をやらせておく方が無難ではないだろうか。


 しかし、私のそのような楽観的な見通しは、突然暗雲に見舞われ、土砂降りの雨になった。

パワハラの第一歩ですね

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ