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自己愛性ブラック~その原因とメカニズム~  作者: 朝木深水
第八章 困惑
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その六 剥離

 ダイレクトで、一人で段取りをしながら携帯を見ていると、後ろから声がした。さりげなく携帯を閉じた。


「すいません。ちょっとアウトリンクの仮組表ありますか」

 若い社員が三名。恐らくダイレクトではなく、UCの方であろう。何となく雰囲気でわかる。どこかで見たことがあるのかもしれない。


 ホワイトボードにぶら下がっているクリップボードを教えてあげた。何種類もある。

「これとこれとこれとこれとこれですね」

「えっと、これは75か」

 一体何事だ。


「ちょっと78のピンで剥離が出たんで、差し替えになるかもしれないんですよ」

「え、マジすか」


 差し替えはともかく、『はくり』って何だ。やっぱり剥離か。

「ちょっと今確認してるんで、もし78のアウトリンクあったら止めといてもらえます」

「ああ、わかりました。今一つありますけど」

「ああ、じゃあそれもちょっと保留でお願いします」

「ああ、わかりました」


 前田さんからの連絡はない。取り敢えず、他の作業を続けた。

 午後の昼礼で、その話が出た。前田さんが言った。

「ピンに剥離が出たんで、今、部品管理の人たちが調べてます。で、もう梱包したやつも、差し替えになるみたいなんだよね。なので、戻ってきたら、ちょっと対応しますんで」

 珍しく私が手を挙げた。

「戻ってくるって、ダイレクトに戻ってくるんですか」

「それも、これから話し合うんで、取り敢えず他のやってて」

「はあ」


 結局、ダイレクトに戻ってきた。物流が運び込んできたパレットは四枚だった。

 アウトリンクは、ピンとセットになっている。一人で、クソ重いピンをパレットに移し替えた。アウトリンクのラベルをビリビリと剥がした。午前中に来た部品管理の社員の一人が、フォークリフトでピンのパレットを持って行った。78のアウトリンクがストップとなったため、やることがなくなり、この日は定時になった。

ジャパンクオリティです

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