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自己愛性ブラック~その原因とメカニズム~  作者: 朝木深水
第十三章 大脱走
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その三 同級生

 松井さんに成見の指導が入っても、浦田は満足しなかった。

「もっと言って下さいよ」

 ダイレクトに来る度に、私に言ってきた。

 浦田は最初の印象通り、やっぱり可愛げがなかった。どうも、執着心が強くズケズケと物を言う性格のようだった。

 豆大福のような見た目で、あそこまで強気になれるのが段々と羨ましくなってきた。余程育ちがいいのだろうか。

 午後に、実験Z棟で作業をしていると、彼が聞いてきた。

「今日、残業あるんですか」

「ああ、ちょっとまた後で」

「まだわからないんですか」

 うるせえなあ。俺だって帰りたいんだよ。成見に聞けよ。

 恐らく悪気はないのだろうが、いちいち絡むのが面倒になってきた。

 尤も浦田も、心中穏やかではなかったのかもしれない。


 この頃、プレスのGLを担当していたのは、黒須君という三十代くらいの男だった。

 どうもその彼と浦田が、小学校の同級生らしかった。

「同じクラスでしたけど、碌に話したこともないですよ」

 浦田が言った。

 黒須君は、流石に社員だけあって、年の割に余程しっかりしていた。

 恐らく、向こうがカースト上位リア充軍団の一員で、こちらは底辺隅っこ連中の一員だったのであろう。

「まあ、どうでもいいんですけどね」

 浦田はそう言っていたが、本当はどう思っていたのか定かではない。

 選りに選って同じ職場で、違う立場で再会するとは思ってもいなかったのであろう。ぞっとする話だった。私も他人事ではなかった。

地元だとこういうこともあるのでしょう

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