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狭間のエタナルド  作者: 里見レイ
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練習後

「そらよ!」


 いつものようにステップを踏みながら敵を次々と切り倒していく俺。翼を使って空中から攻撃してもいいのだが、それを使うまでもなく相手は雑魚モンスターだ。


「初級魔法、使います」


 メリアさんも、このくらいの敵なら回復魔法を使わずに攻撃魔法で対応できるらしい。俺たちのサポートをしながら、たまに自分で攻撃を仕掛けている。


「ははは。さすがにクエのレベルが低すぎましたかね?」


 まだ敵が残っているのに、フブルは呑気に感想を述べる。


「ピロ! とどめを刺せ!」


「了解」


 俺が敵のHPを削り、ピロが急所を狙い打って仕留めるやり方は相変わらず機能している。

 結局、メリアさんは俺たちに劣らない実力を持っているということが分かって、このお試しクエはあっさりと終了した。

 所要時間、十五分。おい、フブル。いくら何でも余裕過ぎないか?



「もう一個、レベルがちょうどいいクエはないのか?」


「なくはないんですが、天使と鉢合わせしてしまう可能性が高いものでしてやめました」


「......つまんない」


 フブルがそう言うが、ピロも俺も不満だ。不完全燃焼なのはストレスが溜まる。


「それでは、いっそのことSランクでも挑んでみます? 鉢合わせはしないはずですよ」


「......やめとこう」


「フブル、いじわる」


 いくら俺たちが堕天使族最強のパーティーだからといって、Sランクは無謀だ。

 フブルは本当に口が達者なんだから。


「じゃ、帰りましょう。作戦開始日まで時間がありますから、しっかり英気を養わなければ」


 そう言って、すぐさま飛び立つフブル。仕方なく俺たちも続く。


「あのう、お聞きしたいことがあるんですが」


 飛び始めて間もなく、メリアさんが俺に近づいてくる。


「その『作戦』というのは何のことなのですか?」


「族長かフブルから聞いてません?」


「はい。あなたに聞くよう言われまして」


「そう、ですか......」


 困ったな。あんまり説明したくないのだが。

 ただ、嘘をついてもしょうがない。


「ミスディールという、天使族の幹部を征伐します」


 要件は簡潔に。後の質問はやめてくれ。


「かしこまりました。頑張りましょうね」


 笑顔で答えるメリアさん。よかった。深追いはしてこない。


「お兄、こっち」


 とここで、ピロが近寄り俺の手を引く。自然な流れでメリアさんから離れることになった。


「お兄、無理しちゃダメ」


「ああ、すまんな」


 全く、これではどちらが年上か分からないな。

 平穏な帰還道にて乱れた俺の精神は、妹により補完された。




伏線多めです。いち早く回収するよう頑張ります。

里見レイ

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