ヒーラーの参加
「メリアさんが俺たちに用事ってこと? 何かありました?」
表に居るメリアさんとフブルを家の中へと入れ込む俺。
先ほど彼女が敵かもしれないと言ったばかりだが、今現在は仲間である。
今のうちに友好度を上げておけばラスボス戦で味方に戻ってくれることもあるかもしれないので、親身になるのが大事だ。
「お兄、悪」
「......ピロ?」
ジトっとしたピロの眼が俺を捉える。
こいつは、どうやって俺の心理を読んでるんだ? やっぱり特殊スキル「分析眼」か? それともただ空気を読むのが得意なだけか?
「えーと、実はパーティーのことなのですが......」
俺たち秘かなやり取りに気が付かず、メリアさんは相談事を切り出す。
「そのメンバーがご不満な結果になりました?」
「いや、そうではなく......」
「フブル、要点をまとめてくれ」
彼女が言い出さないので同行者に話を振る。俺は手短なのが好きなのだ。
「はい、私たちのパーティーにメリアさんが入ることになりました」
「......そうか」
「......」
フブルがきちんと説明してくれるが、俺とピロは反応に困る。まあ、彼女については謎だらけだからな。
「まったく、俺たちに確認くらいとってくれよ」
「まあ、別によろしいかと思いまして」
フブル、俺たちは誰とでもパーティーを組むと考えているらしい。まあ、ピロの分析眼の件がなければ正しいのだが。
「まあ、仲間が増えるのはいいことだ。改めてよろしく、メリアさん」
俺たちは元から三人パーティー。四人のほうがバランスがいいわけだし、受け入れよう。
「......」
「ピロー、挨拶せーい」
「......よろ」
「うーん、すみませんメリアさん。少し恥ずかしがっているみたいで」
ピロは俺以上にメリアさんを警戒しているらしい。まともに挨拶もしない。
「いいですよ。あ、私ヒーラーです」
「これで前衛と後衛が二対二になります。グラスさんも戦いやすくなりますよ」
ピロの態度を気にしない二人。パーティーの役割紹介をしている。
まあ、円満に事が運ばれているなら特に言うことはない。
「明日、一度パーティーの具合を見るためにクエストいかがでしょう? 作戦決行日に向けての練習をしといたほうがいいでしょう」
「そうだな。族長には、お前から言っといてくれフブル」
「かしこまりました。では、私はこの辺で」
「で、では私も失礼します」
話はまとまり、フブル、メリアさんは戻っていく。これにて、ひと段落。
「お兄、グラタンの続き」
ピロもようやくいつもの調子に戻る。
「ああ、せっかくだし明日の夜もこれにしよう」
「ぴーす」
俺たちは、非日常の中でも日常を求めている。このような時間、大事にしていきたいな。
派手になるのは、しばらく先になりそうです。
里見レイ




