フブルの提案
「さて、破壊神とやらにフブルは覚えがあるかい?」
「ええーと、確か創成神オーディスの双子の弟とされていたと思います。世界がよからぬ方向に動いたときにあらわれるといわれてますが、名前までは覚えておりませんでした」
「......コッテコテのファンタジーだなこりゃあ」
この世界の創作主の趣味をうかがえるよ。
まあ、なぜ俺たちを閉じ込めたのかは今になっても理解できないけどさ。
「長々と述べられていたが、言いたかったのは最初のとこだけなのかな?」
「はい、後半の部分は私にも理解できませんでした」
「あのなぞなぞ風の言葉の意味分かる奴いるのか? まあいいや。とにかく、大事なのは」
「破壊神がエタナルドを壊そうとしている......」
改めて言われると寒気がするな。プレイヤーからしても一大事だよ、本当。
「族長たちと会議しないとな。彼らのところに向かおう」
「かしこまりました」
「ピロ、ついてこい」
「うん」
「私も行くよ、グラス君」
こうして、俺たちミスディール征伐組は族長の館へと急いだ。
「なるほどなあ......」
録音したメッセージを聞いて、族長はうなる。
「とりあえず、破壊神がどのような理由で世界を壊そうとしているのかだな。その理由が分からんことにはどうしようもない」
「しかし、何か準備くらいはしないといけませんよね?」
「そうなのだがなあ、グラス。いったい何を用意するのだ?」
「まず、ダークエルフと連絡を取るべきです。彼らは我々の同盟者なのですから」
「その辺はおぬしらに任せる。ただ、下手に戦いを仕掛けるなよ」
「心得ています」
「あ、そうそう。どちらにせよ族の中で戦力は高めておけよ。それもコストをかけずにな」
ここにきて、なかなか無茶な注文をしてくる族長。それ、できるわけないだろう。
「その件に関しては、私に案があります。実行に移せるかどうかは確証はありませんが、試す価値はあるかと思います」
と、俺の横からとんでもない発言をするのはフブルだ。おい、出まかせ言ってるんじゃないだろうな!
「承知した。頼んだぞ」
「御意。では、作戦会議をするため失礼します。グラスさん、皆さん、参りましょう」
半ば強引に族長のもとを去るフブル。仕方なくついていく俺たち。
フブルよ、頼むからややこしいことは控えてくれよ。
「さてと、そろそろ族長の前で言い切った作戦を話してもらおうか」
ここは俺とピロの家。なぜだか知らんが、彼はここで会議しようと主張したのだ。
それも、俺たち四人だけで。
ピロが汲んだお茶を俺、フブル、そしてメリアが手に取り一息。
「はい、ご説明します」
フブルは一瞬でお茶を飲み終え、にっこりして話し始める。
「ズバリ、あなたとメリアさんが結婚なさればいいのですよ」
自然に話された一文がこの部屋の時間を数秒止める。
「おい、フブル......?」
「......」
「お兄、しっかりー」
「聞こえなかったら、もう一回話しますが?」
「いやいやいやいや! もう少しまじめな話をしやがれ」
俺はあいつが悪魔だとこの場で認識した。だって、訳が分からないのだから。
えーと、単調だとつまらないと思い、一気にやってしましました。すみません。
里見レイ




