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狭間のエタナルド  作者: 里見レイ
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顔見えぬ男との決闘

「一騎討ちでいいよな?」


「もちろん」


 互いに持ち前の剣を中段に構えて短く会話を交わす。

 こいつ、かなりできるな。

 俺の戦士の直感がそうささやいている。

 これは、久々に楽しめそうだ。


「グ、グラス君?」


 メリアは見るからに心配そうだ。ったく、少しは男の闘争心を理解しろよな。


「先手はもらうぞ!」


 まず、奴が動き出す。

 中段から一気に左から剣を薙ぎ払ってきた。


「甘いな」


 俺は奴の剣筋を軽いステップでかわす。確かにできるようだが、俺と全く同じ型だ。自分の技くらい簡単に見極めることができる。


「んじゃ、いくぜ!」


 奴の体制が若干ずれたところので、すかさず左肩を狙い打つ。肩というのは傷つくと戦闘に大きな支障がでるものなのだ。


「ふん!」


 すんでのところで剣を使い受け流す相手。なるほど、こちらの手も若干読まれているということか。

 ならば......

 と、ここで回し蹴りをしてみる。手の内が読まれているのなら、別の手段を使うまで。戦闘の常識だ。

 やはり、不意打ちは効果があったらしい。奴は大幅に後ろへと下がる。


「逃がすか!」


 そこを一気に詰めてやる。そして背中の羽の用意も忘れない。奴が逃げ出した時に備えるためだ。

 奴は下がった後、何やら小声でつぶやいている。魔法か何かだろうか?

 まあ、呪文の完成前に攻撃すれば良いだけの話だ。

 羽を広げ、羽ばたきで加速する。これにより、万が一だが先に攻撃魔法が襲ってきたとしてもかわせる範囲が広くなるのだ。


「血みどろの雷電よ! 今ここに!!!」


 予想通り、奴が攻撃魔法を放つ。ドロドロした真っ赤な電撃魔法のようだ。

 しかし、攻撃方向が明らかに俺のほうに向いていない。

 近くの木を倒して、俺の気をそらすつもりなのだろうか? そんなので隙を見せるほど俺は甘くないぞ。


「お前と俺の決定的な差。それは他人への甘さだ」


 迫っていく俺に防御姿勢を一切取ろうとせず、奴はこう宣言する。


「俺は敵に情けをかけるようなお人よしじゃねえ!!」


 奴のでまかせで簡単に手元を狂わせるはずもなく、俺のダークネス背負う者ショルダーは奴の首元を一撃で切り離そうとした。

 しかし。


『キャー!!!』


 二人の女の悲鳴が俺の耳を直撃する。


「ピロ? メリア!」


 本能的に後ろを向いて彼女たちの安否を確かめる。ただ、あまりにも暗くてよく分からない。


「そこだ......」


 正面から確信めいた勝利宣告が聞こえる。


「くそ!」


「遅かったな!!!」


 白い歯を見せびらかしながら、奴は自分の剣を俺の胸元へと直撃させる。

 ぎりぎりで左にスライドしたため心臓を直撃はしなかったが、深手であることに変わりはない。


「だから言ったろ、お前は他人に甘いって」


 ここまで接近しても奴の顔は見えなかったが、悪人めいた笑いをしていることだけは分かった。

 右胸を抑えながら、俺は本能的な死を予感した。

グラスの強さと弱さについて書いてみたつもりです。王道と覇道の間を行く主人公って、私の好みでよく書いてしまいますね。「使槍」の秀介とかもそうですし。

まあ、そんな感じで今回はこれで。

里見レイ

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