ラッキースケベは突然に
「マシュー、あんたねー!?何回言ったら分かるの!?いい加減にして!!!」
「ごめん、言い訳はしません!!」
「あぁあん?」
「ヒェ!」
急いで水撒きを始めたが日が落ち始め、目が慣れないなかせっせとしていたら、マシューがまた雲を振り回し、私をずぶ濡れにした
「今日は着替えを持ってきたら取ってきて!今すぐに!」
「はいぃ~!!」
「ワンピースとローブよ!いいわね?」
「はっはい!ただ今!」
ドヒュンどマシューは詰所まで向かい、急いだのか、すぐに着替えとタオルを持ってきた
「タオル?あぁあん?」
「ヒィ!こっこれはまた濡れると大変かと思って!新品だよ?」
違うでしょ?タオル用意するくらいなら!って、これ以上話してもラチがあかないので、着替えを手にして小屋へと向かった
「後片付けは僕がしておくから~」
「風邪ひかないうちに帰るわよ?勝手に帰るから」
「わっ分かった!ごめんアマンダ」
プイっと怒りを体で表してから、小屋に入った
また結局ずぶ濡れだ、慣れたように、下着まで思っきり脱いでタオルを手に取った
「タオルを用意するくらいなら、気をつけてくれればいいのに」
ハァー
―バキッ
「へ?」
「・・・・・・・・・」
「~~~~~!!」(声にならない叫び)
「・・・・・・・・・」
そう、そこに突っ立っているのはダレン様だった
何日か振りなのに、何故このタイミングで?
「キッ(キャーーーー)」
一瞬にして距離を詰められ、口を抑えられた
「人が来られたら困る、着替えを」
「モゴモゴモゴ」(なぜここに?)
「モゴモゴモゴ」(出てってください!!)
「・・・・・・・・・」
「モゴモゴモゴ」(手!離して!!)
てかダレン様、目線が胸元にいってますけど
どこに向かって話してます?
「大丈夫だ、安心していい」
胸元に向かって話しかけるダレン様
あんたが一番危険なんですけど
手を離すように促すと、ゆっくりと口元から離れていった
あっ!ツバついちゃったかも、まぁいっかダレン様だし
ダレン様は口元を抑えていた掌を見つめるとぺろりとした
「なっ!?」
「関節キスだな」
こわー!
私はローブを手に取り、急いで着た、ひとまず何か羽織りたかった
「出てってください!お願いです!」
「責任を取る」
「は?」
ダレン様は片膝をついて、私の右手をとった、この間ダレン様は無表情だ
「責任を取る」
私は「?」だ。もしかして、作戦の事?
知らない所で何か進んでいるんだろうか?
「それは私に話せる内容の事柄ですか?」
「・・・・・・・・・」
話せないと!?
下っ端の薬草師には話せない内容なのか
でも、これでも王宮務めだし、国に忠誠を誓っている、何かあれば出来ることはしたい
「ダレン様のいい様に」
バッっと勢いよく顔をあげた
照れたように、眉を下げて笑った
「ありがとう」
「いえ、では着替えますので」
「・・・・・・・・・」
「出てってください」
「・・・・・・・・・」
「早く」
ダレン様は小屋を出ていき、急いで着替えをすませた
おいおい、扉の鍵が壊れてる!!
あの馬鹿力!!
―ガタッ
「うわー!!」
目の前にダレン様がいた
「まだ居たのですか?私は帰りますさよなら」
「送ろう」
でた!伝家の宝刀
断ってもついてきそうね
「わかりました、お願いします」
「ああ」
ダレン様はフワリと笑い横に並んだ
歩幅を合わせて歩いてくれるのが、少し嬉しかったりした
しかし、ダレン様はチラチラとこっちを見ていた
多分、下着の件だろうか
あえて触れず、寮に着いて、挨拶を済ませ、別れた
部屋に着いて荷物を片付けて、窓の外を見るとまだダレン様が居た
ダレン様は私が見たと同時に小さく手を降った
私は仕方なし、手を振って口パクで「帰って」と意思表示してからカーテンを閉めた
あれ?ダレン様怒っていなかったのかな?
いやまだわからないか・・・
薬草師長に頼んだからその件は大丈夫なはず・・・
明日聞いてみないと
そして私の怒涛の一日は終わった