表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

ビクビク

「やってしまった」


 私としたことがー!!

 叩くなんてやり過ぎたわ・・・首になったりして?いやーまさか・・・


 最悪、薬草師長に土下座して何とかしてもらいましょう

 それしか逃げ道が・・・クッ

 何でこんな事に


 いつもより一時間早く起床して、身なりを整えると

 ストレートの紅茶と固く冷たいパンにバターを塗って

 トマトにチーズ、オリーブオイルをかける

 いつもより豪華な朝食の出来上がり


 今日はこれから戦場に向かうのだから・・・

 よし!と気合を入れて部屋から出た


「まさかまた門にいたりして、いやー、まさかねー…」



 いませんでした。

 ストーカーでもあるまいし!

 仮にも…ではなく騎士様ですし!


 王宮に入るないなや、まぁ陰口がワラワラと…はぁー

 前から顔馴染みの侍女。サラがやって来た


「おはよう、アマンダ」

「おはよう、サラ」


「聞いたわよー、ダレン様に薬を盛って押し倒して身篭ったそうじゃない」

「へ?身篭ってるわけないじゃない!!」


「そうなの?」

「当たり前よ!!ダレン様とは何でもないし!知り合いですらないんだから!!」

「まぁ落ち着いて、王宮における、伝統的な暇潰しなんだから」

「変な噂を暇潰しにしないでちょうだい!」


 明後日の方向に向かう噂にゲッソリするアマンダ

 サラはくつくつと笑った


「でもアマンダが薬草師辞めるって聞いたわよ?」

「えー?そんな訳ないわ!…もしかして有給取ろうとしたのが辞めるになった…の?」

「それね!」


 サラは肩を上下させて笑った


「笑い事じゃないわよ!」

「ごめんごめん…可笑しくって」


 また肩を揺らして笑い出したサラにアマンダはムッツリしていた


「悪かったわ、そうねー。私が違う噂流すから安心して?」

「・・・・・・」


 私はまだムッツリしていた


「信用できない?」

「もちろん!」

「これ以上悪くなりようが無いのに?」

「それも そうねー…」


「まぁ任せなさいな!それじゃ、私持ち場に戻るわね!」

「え⁈まだ任せるって決まってない!」

「またね!アマンダ!」


 足早にサラは去って行った


「サラ!もー… またねー!!」


 サラはああ見えて姉御肌で面倒見がいい、悪い噂を払拭するもりで言ってくれている

 けど、噂の発信源となって矢面に立つサラの姿に、迷惑をかけたのではないかと、そう思うと申し訳ない気持ちになった



 驚くほど何もなく一日が過ぎていった。

 いつもの日常に戻ったと思う一方で少し寂しい気持ちにもなったアマンダだった


「アマンダ、今日飲みに行く?」

「やめておくわマシュー」

「また今度行こう」

「ええ、誘ってくれてありがとう」


 薬草師長が立ち上がり、帰りの号令


「さあ!仕事は終わりだ!帰るぞ!」


「「「はーい」」」

「「「お疲れ様でした」」」


 マシューと私も立ち上がり扉の前に来た

 マシューは扉の前で立ち止まり、後ろにいるアマンダに向かってふり向いた


「まさかまたダレン様がいたりして」

「いないわよ」


  ―ガチャ


「いない」

「でしょ?」


「なーんだ、アマンダに飽きたみたいだね」

「飽きるも何も、元々接点なかったし、身分も違うし」

「ん?じゃ何でアマンダはダレン様と知り合いに?」

「え?・・・たったまたま道端で転んだ所を助けて頂いたのよ」

「おー!ダレン様かっこいいな!さすが騎士!」

「えっ・・・ええ、そうね」


 嘘はついていないはず。身分か・・・

 寮につくと、実家から手紙がきていた、しかも早馬で。


 1.早く結婚しろ

 2.仕送りを増やしてくれ


 手紙はこのローテーションでくる、今回は1のほうだったはず

 見るのさえ億劫になる


「いつか読みますよー」


 デスクの上に置いて、夕食を取り、シャワーを浴びて寝支度に入る

 ベッドに入ると、昨日の出来事が蘇った


 今日はダレン様に会えなかった

 やっぱり怒っているだろうか・・・んー。怖い

 ダレン様は公爵家、方や私は男爵家。

 撮り潰されたって文句は言えない。


 途端に怖くなった。

 あれはダレン様が悪いと言いたいが、手馴れた女性だったらもっと上手にあしらっていただろう。なのに私は頬を叩いて尚且つ、変態騎士とまで言った


「おわった・・・」


 明日、薬草師長の力を借りて謝罪しよう

 謝れば許してくれるかも知れない、謝罪しなければ怒ったままだ


 憂鬱になりながらも、目を閉じて暫くすると夢の中だった


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ