愛の旅行日記?~おじいさんの幸せ~
8月28日 午後23:00
じ「ばぁさん……」
じ「はぁ…今日はもう寝るか…」
じ「きっと明日になれば、ばぁさんも戻ってくるだろう」
8月29日 午前9:00
じ「戻って来てない」
じ「いや、でもまだ正式に離婚したわけではないはずじゃ!」
じ「今から役所に行って確かめよう」
じ「希望は捨てちゃいかんのだ」
ピンポーン
「郵便で~す」
じ「はいはい、今いくよ」
じ「はて、なんじゃろなこれ?」
じ「り、離婚届受理通知じゃと…」
じ「そんな、本当にわしはばぁさんと離婚してしまったのか…?」
じ「わしはこれから、どうすればいいんじゃ......」
8月29日 午後7時
じ「一人で食うめし、寂しいなぁ」
じ「はぁ~……」
じ「さっさと食って寝るか」
8月30日 午前10時
じ「散歩でもするか」
近所の公園
じ「たまには散歩もいいのぉー」
じ「心が穏やかに……」
じ「なれるかー!!」
じ「なんでじゃ、なんでなんじゃばぁさーーん!」
「あの、大丈夫ですか…?」
じ「ん?だれじゃ?」
ば「通りすがりのものですよ、あなたが道端で嘆いているのを見てられなくて」
じ「はぁ、わしはどうせ変な頭のおかしいじじぃじゃよ」
ば「確かにはたから見たらおかしい人ですけど、それよりどうしたんですか?」
じ「………長年連れ添った妻に捨てられたんじゃよ」
ば「あなたもですか?!」
じ「どう言う意味じゃ?」
ば「私も最近、長年連れ添った夫と別れたばかりなんです....」
じ「お互い寂しいものどうしじゃな…」
ば「でも私新しい恋を始めようと思います」
じ「そうかあんたは前向きな人じゃな」
ば「はい、こんなおばあちゃんですけど」
じ「あんたと一緒になる人は幸せになるじゃろうな」
ば「ふふふ、ありがとうございます」
じ「わしもあんたを見習って前向きになる!」
ば「お互い頑張りましょうね」
じ「なぁ、あんたの名前教えてくれんかの?」
ば「私のですか?」
じ「そうじゃ、わしはあんたのことが好きになった!じゃから名前を知りたい!!」
ば「え...えっと、藤乃と申します...」
じ「おぉ、藤乃さんとういのか素敵な名前だな!」
ば、改め藤「あ....ありがとうございます」
じ「藤乃さん!わしと結婚を前提に付き合ってほしい!」
藤「え...でもついさっき会ったばかりの人ですよ?」
じ「愛に時間は関係ないっ!」
藤「多少は関係あると思います...」
じ「なにこれから先ずっと一緒におれば関係なくなるじゃろ」
藤「あの、そもそも付き合うことを了承した覚えないんですが....」
じ「幸せにする自信しかないぞ!」
藤「自信満々過ぎて惚れ惚れしちゃいますね...」
じ「おぉ!ほんとか?惚れたか?」
藤「惚れ惚れするとは言いましたけど惚れたわけじゃ....」
じ「よし、藤乃さん!婚姻届もらいにいこう!」
藤「えぇ!?お付き合いからじゃないんですか?」
じ「お付き合いなんてそんな悠長なこといってられないぞ!藤乃さんほどの美人をそこらの男がほっとくわけがないからの!」
藤「私みたいなおばあちゃん誰も相手にしませんって」
じ「藤乃さん、あんたはものすごくきれいな人じゃ歳なんて関係ないと思えるくらいにな」
藤「おじいさん....」
じ「わしはあと何年いきられるかわからん年寄りじゃ。だがこれからの人生、君とともに生きていきたいんじゃ
藤乃さん、わしと結婚してはくれないだろうか?」
藤「強引な人ですね...」
じ「うっ....」
藤「浮気は絶対許しません!1日一回は好きって言うこと!買い物は一緒に行くこと!週に一回はデートをすること!これが結婚の条件です」
じ「ふ、藤乃さん....絶対全部守るよ!絶対、絶対、君を幸せにするよ!」
藤「ふふふ、約束ですよ?」
じ「あぁ、約束じゃ!」
1年後
8月30日 午前10時
じ「藤乃さん、散歩にいかんか?」
藤「どうしたんです行きなり?」
じ「いや、ちょっと公園にいきたい気分でな!」
藤「えぇ、いいですよ、じゃあいきましょうか」
公園
藤「あらまぁ、懐かしいですねこの公園」
じ「藤乃さん、1年前の今日この公園で君にはじめて会ったんだ」
藤「えぇ、覚えてますよ。はじめてあったとき貴方は一人で叫んでましたね」
じ「わははは、お恥ずかしい限りじゃ」
藤「でも貴方が叫んでたおかげで私は貴方に会えました」
じ「それもそうじゃな、あの時叫んでおってよかったよ」
じ「なぁ、藤乃さん。いきなりじゃが今、幸せかの?」
藤「えぇ、ビックリするくらい幸せですよ」
じ「わっはっはっは、ビックリするくらいか!そうかそうか!そりゃよかったわい」
藤「ふふふ、おじいさん頑張って約束守ってますしね」
じ「藤乃さん、これからも隣にいてくれるか?」
藤「当たり前じゃないですか、ずっと一緒にいてあげますよ!」
じ「ありがとう、わしは世界一の幸せもんじゃ!」