林檎
今回はちょっと長めです。
森林にて俺は今斧で木を斬る手仕事に入っていた。
正確にはリィフェに強制的にさせられている。
「でいっ!」
流石に大木は無理なので俺は小さな子供の木を斬っていた。これで斬った木の数は7ぐらいかな、子供とはいえ結構強敵だった。
《現在エネルギー残量残リ24%、コレ以上ノ激シイ作業続行ハオーバーヒートノ可能性ガアリ記憶修復ニ影響ガ入リマス。》
「・・・また頭から声が、しかもオーバーヒートって何なんだ一体。」
俺は斬った子供木を見る、まあこれくらいあれば焚き木には充分足りるだろう。
「それにしても疲れたな、薪にするのは後にして一度休むか。」
俺は斬った木に寄りかかり座り込む。はあ~、それにしてもお腹が空いたな。釣りに行ってから一度も食ってないぞ。
《接近者アリ、数1》
「ええっ!?」
まさかリィフェが俺の様子を見に来たのか!?不味い!不味いぞ、急いでこの木を薪に変えないと!!
「あっ、名無しさ~ん。」
「えっ?」
名無しさん?俺は声の方向を振り向き現れた接近者の正体を見る。
そこにいたのは俺の事を変態扱いされてる侍女ではなく片手に茸や野草の入った篭を持った紅い髪の少女が手を振っていた。
「フラン!」
フランが俺の入る所に向かって走って来る。
「何やってるのですか?」
「え、ああ、実はリィフェに頼まれて木を斬って焚き木にしてるんだよ。えっと、フランこそ何をしてるんだ?」
「私はリィフェに頼まれて森に生えてる茸や食べれる野草の採取を行っています。」
「採取かあ、それにしても大変だったんじゃないか探すの?」
「いえ、私子供の頃本を沢山読んでまして森に関して詳しいんです。」
「じゃあ、食べれる茸や野草も見分けつけれるのか?」
「無論です。それにしても名無しさん結構木を斬りましたね。」
「まあね、少し疲れたから一度休もうかと思ってたんだ。良かったらフランも一緒に休まないか?」
俺は再び斬った木に寄りかかり座り込んでフランを休憩に誘う。
「喜んで休ませて頂きます。」
そう言ってフランは木に寄りかかり俺の隣に座り込む。それにしてもこうやって女の子と一緒に休憩にするのも悪くはないな・・・。
するとフランは篭から二つの実を取り出す。
「あれ?それって。」
「あっ!これですか?これは先ほど彼方の木で沢山なってたんです。良かったら一緒に食べませんか?」
林檎か、少しは腹が膨れるかもしれないし折角の厚意だから頂いておこうか。
「じゃあ遠慮なく頂きます。」
俺はフランが取った林檎を手に取り一口かじる。美味い、この林檎、甘くてこの酸味が癖になって美味しいぞ。
「美味しい。」
「ええ、これは私が子供の頃からの好物なんです。他にも焼いて食べたりデザートの材料にもしたりするんですけど私は普通にこのままで食べるのが一番ですね。」
そう言ってフランは林檎を一口かじる。俺も同じくまた林檎をかじる、実に美味いなこの林檎。直ぐにでも持って帰りたい気分だ。
「この林檎ってあっちの木になってたって言ったっけ?」
「はい、まだ沢山実がなってましたよ。」
「よしっ!フランの為に沢山持って帰るか!」
「ええっ!?宜しいのですか?私の為にこんな事をして?それに名無しさんにはまだお仕事がありますし。」
「大丈夫、後は薪にするだけだから早く終わるしさ。」
俺は林檎を早く食べ終え直ぐさまに立ち上がりフランの言ってた林檎の木に向かう、すると俺は直ぐ様に足を止める思い出した。あっそういえば俺林檎の木のある場所知らないんだった。
「フラン、案内してくれ!」
「ええ、受けたまりました!」
そう言ってフランが先頭に入り後から俺は歩き林檎の木のある所へと向かって行った。
・・・無人となった森林は小さな動物達の鳴き声が小さく響いてた。斬った木の山の後ろの大木の後ろに人影が隠れていた。
二人がいなくなった直後に大木から姿を表す、人影の正体はリィフェだった。彼女は『名無し』の仕事の様子を見に来ていた。
「様子を見に来たと思いきや仕事サボってるとはな・・・。」
リィフェは後ろ姿で歩いている『名無し』とフランの姿を見る。
「(・・・まあ、今回だけお嬢様の顔に免じて見逃してやる。)」
《現在エネルギー残量51%、記憶修復率49.6%》




