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機界戦記ー機械人形となった青年の異世界転生録ー  作者: 二代目菊池寛
碧の章・ルティーシア編
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真夜中の城内侵入・前編

宿屋の二階の部屋にて一人の男が床に自分の上着と皮のブーツを脱ぎ捨て(いびき)もせずシーツを纏って静かにベッドに寝静まっていた。


「Zzz・・・・・・」


すると男の部屋のドアがゆっくりと開き二人の女が男の部屋に入室する、二人は男がベッドに寝てるところを発見し一人の女が男の腹目掛け思いっきり踏みつけだす。


「ぐはぁっ!?」


《意識覚醒、眼球映像機能(アイズメインカメラ)、強制作動。》


男は女の踏みつけによって自分の意識を急激に覚醒させ目が覚めてしまう。


「痛てて・・・・・・。あれ?」


「やっと起きたか。」


男、シュート=レジスは自分を起こした女二人、フランとリィフェが自分の部屋に現れた。


「リィフェ、それにフラン、二人ともどうしたんだ。こんな時間に?」


三人は酒場を後にし帝国の兵士達の見廻りに気づかれない様に移動し三人は城下町辺りの宿屋に一泊し明日の城での突入の為早めに就寝した筈が何故かシュートは真夜中に起こされたのかは理由は不明だった。するとフランがシュートに話しかける。


「・・・・・・シュートさん、突然申し訳ありませんが直ぐに出掛ける準備をして下さい。」


「いきなり出掛けるって一体何処へ行くんだ?」


するとリィフェは横から入りシュートに答える。


「グリーンハープ城だ。」


「えっ!?確か明日の筈じゃ・・・・・・。」


それを聞いたシュートは突然と驚きだす。


「御免なさい、本当はシュートさんにも伝えたかったのですがリィフェに止められて。」


「もしお前が知ればバルガス殿に伝えるかもしれんからだ。・・・・・・姫様、やはり予想通りにこの時間帯には飛行型機械人形や帝国の兵士達の警備は薄れています、この隙に城に向かいましょう。」


リィフェは部屋の窓を開け街の周囲を確認し直ぐ様にフランに報告する。シュートは直ぐ様にベッドから起き床に落ちた上着を拾いシャツの上に羽織り、自分の両足をブーツを履く。


「ええ、・・・・・・シュートさん、準備は出来ましたか?」


「ああ、大丈夫だ。」


《現在のエネルギー残量132%、意識停止まで4時間38分》


エネルギーの残量も結構ある、やはり寝る前に食事を多く取って正解だったな。するとフランとリィフェが俺が泊まってる部屋の窓から出るところに気付き俺は一度引き留める。


「ちょっと待って、もしかして窓から行くのか?」


「当たり前だろ、この時間帯この宿の出入口の扉は鍵がかかってる。窓から出る以外ないだろう。」


「あ~~。」


成る程、リィフェの言う通り窓から出るしかない様だな


「解った。窓から出よう。」


「意外とお前も即答だな、まあいい、それでは姫様、シュート、私が先頭で行きます、とおっ!」


リィフェは部屋の窓を飛び越え外に出る、忍者か間違えたくノ一かよアイツは・・・・・・・・・、俺もリィフェを追うように窓から飛び出そうとするが自分の目線をフランの方を気づく、普通リィフェの次はフランの筈が、あれ?良く見たらフランの脚が震えてるまさか・・・・・・・・・。


「なあフラン、もしかして高い所が・・・・・・。」


「いえ、正確には高い所が苦手ではなく飛び越えるのが苦手で・・・・・・・・・。」


「そうなのか!?じゃあどうするか・・・・・・。」


俺はフランをどうやって連れてくか考える、すると俺は閃いた。仕方がない、これしか方法がないからな。


「フラン、俺の背中に乗ってくれ!」


「えっ!良いのですか!?でもそんな事をしたらシュートさんの体が。」


「そんな事か、心配するなって、俺こう見えても結構力持ち何だぜ。」


「・・・・・・解りました。シュートさんの好意受け取らせて頂きます。」


フランはシュートの背に乗りシュートは直ぐ様に部屋の窓を飛び出し屋根から屋根へと飛び越える。


「とおっ!」


「きゃあっ!ちょ、ちょっとそれは流石に速すぎですよおお!!!」


俺はフランを背中に抱えながら次から次へと屋根を左右斜めに駆け飛び目の前のリィフェに追いつく。リィフェは俺達二人が追いかけて来たことに気付き後ろを向く。


「遅いぞシュート、って貴様一体姫様に何をさせてるんだ!!」


「何って背中に乗ってるんだよ!」


「そういう問題じゃない!」


「リ、リィフェ!今は喧嘩などしてる場合じゃありません!早く城に向かいましょう!」


フランは顔を真っ赤にしながらリィフェに話を反らせる。


「解りました。・・・・・・シュート、貴様後で説明して貰うからな。」


そう言ってリィフェは俺に怒る。


「あ、ああ、解った。」


「フン。」


そう言いながら三人はこのままグリーンハープ城にへと向かって行くも、シュートとフランの二人は城に着くまでは顔を真っ赤にしていた。


「「((何か気まずい・・・・・・。))」」

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