グリーンハープ王国へ
セリアと別れたシュート、フラン、リィフェの三人は地下通路にて先頭にいるエルフの男の後を歩き目的地であるグリーンハープ王国へと向かっていた。
「それにしてもこんな通路がよく森の下にあったとはな。」
リィフェは地下通路の周りを見渡しながら言う、地下通路の壁には松明が埋め込まれて通路の灯りを照らしている、するとエルフの男は答える。
「元々ここは100年前の『災厄』が降り注ぐ前に国民達の脱出対策の為に掘り作った非常通路なんです、ここ以外にも他にあと47程は森へと続く通路があるのですよ。」
「『災厄』って、確か前にフランが言ってたな、100年前に天空から『災厄』が降り注ぎ世界に絶望が訪れた時、クリスタルストーンを手にした7人の巫女が現れ、7つのクリスタルストーンから放たれた『虹の光』により共に消滅した巨大隕石だったな。」
シュートは言う。
「変態のくせに良く姫様の言葉を覚えてたな。」
リィフェは目線をシュートに向けてにやけた表情しながら言う。
「当たり前だろ。てかその言葉止めろ!本気で俺の心にヒビが出来るぞそれ。」
「こら、リィフェ!」
フランがリィフェに怒りだす。
「すいません。」
リィフェがフランに謝る。
「もう、解れば宜しいですよ。」
「良いお供をお連れしてますね、姫様は。」
エルフの男が微笑んで言う。
「申し訳有りません。」
「いえ、まるで我が国の姫様が目の前に居る様な感じでしたよ。」
「そういえばこの国のルティーシア姫とは一体どの様な方で御座いますか?」
リィフェは男にルティーシア姫の事で質問する、男は微笑みんだ状態で語り始める。
「我等が耳長族の都グリーンハープ王国第二王女ルティーシア=オベロン=グリーンハープ様は可憐な華の様に美しく、歌えば森の動物達が集まりだす、更には父である王陛下や王子王女を始め多くの国民達にも親しまれ、そして陛下に次ぐ弓の名手!ルティーシア姫様はこの国の太陽的存在なのです。」
「太陽か、そのルティーシア姫って方は城に居るのですか?」
するとエルフの男は暗い表情になり俺達に言う。
「・・・・・・その、姫様はお隠れになってます。」
「「「えっ!?」」」
「あ、安心して下さい!お隠れとはいえ正確には現在グリーンハープには不在でして。」
「不在とは?」
リィフェが言う。
「・・・・・・帝国の軍がこの国を襲撃時に王陛下は姫様をお付きの計三人は秘密の隠れ家に匿っています、先程、貴殿方と一緒に行動をしてたセリアもお付きの一人なのですよ。」
「そういえばセリアさん、第二王女直属の侍女とか言ってたな。」
シュートは言う、するとエルフの男は脚を止め目の前の通路に俺達の前に目にする。
「上へと続く階段か・・・。」
「此処を進めばグリーンハープ王国の中枢区です。」
エルフの男は階段を上がる、俺達三人も後から追うように階段を上がる。目の前の階段の段数が凄く多いな、恐らく百は近いな。
「長い階段だな・・・・・・。」
リィフェが一人呟かす。
「この通路の雰囲気、まるで戦時前に造った防空壕見たいだな。」
「「ぼうくうごう?」」
シュートが言った事をフランとリィフェが質問する。
「敵の空からの攻撃を逃れる為に造った避難施設、と言えば解るか?」
「空からのですか?」
フランが質問しシュートは答える。
「ああ、それとこの地下通路が似てるからな。」
「確かに、ここなら敵からの攻撃をも届かないからな。」
リィフェが納得しながら答える。
「長らく歩いてしまって申し訳有りません、皆さん、この梯子を昇ればグリーンハープ王国の中枢区街で御座います。」
梯子とマンホール型の蓋を目移りする、俺達は梯子を登りマンホールの蓋を開け地上にへと出る、路地裏だ。俺達は路地裏を出てグリーンハープの街並みの現在の姿を目に写り、俺達三人は驚いていた。
「何だよこれ・・・・・・。」
「酷い・・・。」
「此処がグリーンハープなのか!?」
俺達はグリーンハープの悲惨な姿を目に写りこむ、半壊された数多い民家、暗い表情をしたまま通行する耳長の国民達、そして空は風の結界にドーム場に纏われる様に閉じ込められ上空には数多い翼竜型の機械人形・ラプターが街中を飛び回っていた。




