暫しのお別れ
国の近くにある谷にて俺達は巨大竜巻を纏ったグリーンハープ王国を俺達は驚きだしていた。
「此処が、グリーンハープ王国!?」
シュートは驚く。
「この国を包囲してる竜巻は一体!?」
リィフェは焦った状態でセリアさんに聞く。
「対外守護魔導外壁『風の結界』、グリーンハープが帝国軍に襲撃された際に王が連中を国に閉じ込める為に兵士達に命じ、結界の起動と同時に制御装置を破壊しました。ケイオニウスは閉じ込められた事で怒り、グリーンハープの民達を結界の修復作業の労働員として食事を余り取らせず休まず奴隷の様に働かせてる、ですが希望は完全に失った訳ではありません。」
「どういう事なんだ?」
シュートは言う。
「碧の巫女、グリーンハープ王国オベロン王家第二王女、ルティーシア=オベロン=グリーンハープ姫はグリーンハープには不在、『ある場所』に匿われてるのです。」
「その『ある場所』とは?」
リィフェは姫様の居場所をセリアさんに聞き出す、しかし。
「申し訳御座いません、例え其が白の国の方々でもルティーシア姫様の居場所を教える訳には・・・・・・。」
予想通りにセリアさんは居場所を答えず黙認する。まあそう簡単には教えられる訳にはいかないからな、するとセリアさんは白馬から降り白馬を引き連れて横の道を歩き始める。
「此方です。」
「国には入らないのですか?」
フランが言う。するとセリアさんは結界の内容を説明する。
「『風の結界』はその名の通りに内側外側の侵入やあらゆる攻撃をも通じず、触れた者は肉を削がれる様に削り取られる、例え其が帝国の機械人形の攻撃も無とする絶対無敵の防壁、私達が向かう場所はグリーンハープにへと続く地下通路です。」
「地下通路?」
シュートが言う。
「はい、其処だけは本国と繋がるたった一つの道です、着きました。」
セリアさんは足を止めその通路へと到着する、だが、平らな広い地面しかない、一体地下へと繋がる道は何処にと俺達三人は周りを見る。するとセリアは目の前の切り株を二度弱く叩き二秒遅れて三度弱く叩き小さく呟く。
「セリアです、開けて下さい。」
すると切り株がマンホール蓋の様に上から開き人が入れそうな穴が現れる、其処からセリアさんと同じく金髪青眼の若い男が穴から出てくる、この人もエルフだ。しかも鎧を着てる。
「セリア。」
「遅れてすまない、帝国の追撃に手間取ってしまって、礼の物は?」
「あるぞ。」
エルフの男は梯子の掴みを右手に持ったまま左手からバスケット篭を持ち上げセリアに受け渡す。
「有り難う。」
「姫様を頼むぞ。」
「ああ。」
二人は小さく呟きながら会話している、一体何を話してるんだ?
「ところでセリア、お前の後ろにいる三人の人間は一体?」
「白の国のフラン姫様とお供の方々だ。すまないが彼女等をグリーンハープへ連れてってもらえないか?」
「・・・・・・解った。」
男は真剣な表情で縦に頷く。
「すまない。」
セリアさんは立ち上がり俺達の所に向かい話しかける。
「フラン姫様、申し訳有りませんが私とは此処でお別れです。ここから先は別の者が王国へとご案内致します。」
「貴女は行かないのですか?」
フランは言う、セリアさんは俺達に向かって答える。
「私には王からの命により再び森の中へ向かわねばなりません、ですがご安心下さい、またお会い出来ますので。」
「セリアさん、帝国の連中には見つかるなよ。」
「ご健闘を祈る。」
「有り難う、・・・・・・それではフラン姫様、暫しのお別れですがまたお会いしましょう。」
セリアさんは白馬に飛び乗って騎乗し直ぐ様に森の中へと駆け走って霧の中へと消え去った。
「白の国のフランフェルト姫と護衛の方々ですね、グリーンハープへご案内致します、どうぞ地下通路へ。」
「解りました。それではシュートさん、リィフェ。」
「ああ。」
「参りましょう、姫様。」
そして俺達三人はグリーンハープに続く地下通路へと一人ずつ入り地下の中へと入りだす。




