緑の国からの逃亡者
同時刻、場所はシュートら三人から離れて500メートル程、迷いの大森の道にて白ローブの女が一頭の白馬に騎乗し全力の速さで駆け走っていた。
女の後ろから五人の男達がそれぞれ自分の馬に騎乗し女を追い掛ける様に駆け走る。
中央を駆け走る、青服を着用した帝国軍の三等貴族騎士は四人の帝国兵士を引き連れ白ローブの女を追い掛けていた。
「くっ!!」
「何をしている、馬の速度を上げろ!出なければ我々の首が飛ぶぞ!!」
「「「「はっ!」」」」
帝国の追撃隊の馬は少々だが速度を加速させ女の白馬との差を一気に縮めていく。すると女は右手に魔力を集める様集中し火の球を作りだし帝国の追撃隊に向け放つ。
「火球!!」
火球は追撃隊の目の前の地面に直撃し砂埃を作り追撃隊の馬達の目は砂埃により目潰しされ前足を上げる、その隙に女は今のうちに白馬を引き走りだした。
「糞っ、クロスボウだ!クロスボウで奴の馬の足を狙え!」
「「「「はっ!!」」」」
三等貴族は素早く目を擦り終えて女が逃げられた事に気づき部下の兵士達に指示をする、兵士達は背中に背負ったクロスボウを手にし矢を装填し女の乗っている白馬目掛けて連続で射ぬき始める。
「!」
襲いくる矢に気付いた女は馬をジグザグに移動しながら放ってくる矢を連続に回避する。
「ええい!愚図が、私に貸せ!」
すると三等貴族騎士は隣にいた帝国兵士のクロスボウを横取りし
逃亡中の白馬にへと向ける。
「いいかクロスボウとは、こう使うんだ!!」
三等貴族騎士はクロスボウの引き金を引き矢を放つ、すると白馬の後ろ左足に突き刺さり女は白馬に落下し地面を二度転がりうつ伏せで倒れる。
「よし、行くぞ!」
「「「「はっ!」」」」
兵士達は自分の馬に騎乗し倒れてる女の所に駆け走って向かいそして女の周りを囲み包囲する。
「くっ・・・・・・。」
貴族騎士は馬を降り自分の左腰に背負った剣を鞘から抜き剣を女の方へと向ける。
「この包囲網ならもう逃げられんぞ、さあ言え、言えば直ぐ様に貴様を楽にしてやる。」
「・・・・・・・・・断る。」
「そうか、ならば死ねえっ!」
貴族騎士は女に向け剣を振る、その時小さな鋭い竜巻が貴族騎士の剣を持つ右手に目掛け直撃と同時に手に持った剣を地面へと落とす、すると追撃隊の目の前にシュート、フラン、リィフェの三人が女の所に駆けつける。
「増援!?」「いや違うあの赤髪は!」「まさか!!」
「白の国のフラン王女か!ええい、迎え撃て!!」
貴族騎士の指示により帝国兵士達は馬に騎乗したままシュートら三人に向かって突撃する。シュートは二人の前に入り右手を構え輝き光だし銃の姿へと変わる。
「俺に任せろ、『銃』!」
「「「「ぐわあっ!」」」」
四発の弾丸がそれぞれの兵士達の馬に命中し痛みによって暴れ始め兵士達は地面に落下する。兵士達は直ぐ様に立ち上がり剣を抜き三人に襲いかかる。シュートは右手を銃から剣に変えリィフェと共に兵士達に向かって走り突撃する。
「でやあっ!」
「ぐわああっ!」
シュートの斬撃が帝国兵士の胸を斬りつけ倒す、後四人。
「でえいっ!」
「がはあっ!」
リィフェの突きが帝国兵士の腹を突き刺し倒す、後三人。
「そらあっ!」
「ぐわああっ!」
シュートの斬撃が帝国兵士の胸に斬りつけると同時に左回し蹴りを決め帝国兵士を吹き飛ばし倒す、後二人、シュートの後ろから帝国兵士が襲いかかる。
「風槍!!」
「ぐわああっ!」
リィフェの右手から放った風槍で最後の帝国兵士を吹き飛ばし後ろの木に直撃し地面に倒れる。シュート達の戦いを見てた三等貴族騎士は唖然した顔で驚いていた。
「くっ・・・・・・、かくなる上は。」
すると貴族騎士は白ローブの女を捕らえ彼女の首もとに剣を近づかせる。
「貴様等動くな!動けばこの女がどうなるか解ってるだろうな!!」
「貴様、人質とは騎士としての誇りはないのか?」
リィフェが言うも、貴族騎士全く動じない。
「誇りだと?ふざけた事を言いおって、我等帝国軍騎士に誇り等不要!皇帝陛下の為ならどんな卑劣な手でも迷わず行うわ!!」
「リィフェ、風槍は?」
「駄目です、人質に当たる可能性があります。」
「くっ・・・・・・。」
人質、敵はその手で来たか。何故俺はこんなに平然してるのかと言うと俺にはあの能力がある、俺は目線を貴族騎士に写しそして20メートルぐらい近付かせ能力を発動する。
「もう一度言うぞ、動けばこの女が・・・・・・。」
「(今だ、『加速装置』!!)」
世界の色は灰色へと変わり俺以外の時間はスーパースローモーション状態にへと入った。制限時間は1分、その隙に俺は人質を助けに貴族騎士の所へ走って向かう。
「今助けるからな。」
俺は貴族騎士に捕らえられてた白ローブの彼女を助け直ぐ様にフランとリィフェの所に戻ると同時に世界の色と時間は元に戻りだす。
「どうなるか・・・・・・えっ!?」
貴族騎士は自らの手で捕らえた人質を何時のまにかシュート達に助けられた事に気づき驚きだす。
「人質は俺が解放した。」
「な、何だと!?何時のまに!!?」
「今ですリィフェ!」
「はい、風槍!!」
「しまっ・・・、ぐわあああっ!!」
リィフェは右手から風槍を放ち三等貴族騎士に直撃し受けた衝撃により後ろの木に強く背中を打ち地面に倒れ気絶する。俺達は白ローブの彼女の所に向かう。
「大丈夫ですか?怪我はありませんか?」
フランが彼女に怪我があるかどうか聞いてみる
「ええ、怪我はありません、助けて頂いて誠に有り難う御座います。」
彼女は立ち上がり俺達に向けて御辞儀する、それにしてもこの人何で帝国軍に追われていたんだ?俺は彼女に帝国軍に追われている事を聞き出す。
「なあ、アンタ何で帝国軍に追われていたんだ?」
「・・・・・・・・・。」
シュートの質問に彼女は何も答えない、何かしらの事情か、と、フランがシュートの変わり話をする。
「宜しければ私達に訳を話して頂けませんか?もしかしたら貴女のお力になるかもしれません。」
「・・・・・・貴女がそう仰るのなら仕方ありません。」
彼女は自分の羽織った白ローブを外し俺達に素顔を見せる、二人は兎も角俺は彼女の顔を見て驚いていた。美しい長い金髪、宝石の様に輝く青い瞳、そして人間とは違い耳が尖っていた。
「申し遅れました。私はグリーンハープ城第二王女護衛兼侍女で上級魔導師、セリア=ラナトスと申します。『耳長族』で御座います。」
俺、シュート=レジスはこの世界に生まれ変わってから生まれて始めて人間以外の種族と遭遇した。




