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機界戦記ー機械人形となった青年の異世界転生録ー  作者: 二代目菊池寛
碧の章・ルティーシア編
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序章ー帝国密偵の報告ー

帝国城・皇帝の間にて黒の国、ジークバルト帝国皇帝ことデオドランド=ゼヴリアス=ラ=ジークバルトは玉座に座り、目の前に膝をつく帝国兵士の一人は冷静な状態で皇帝に報告を伝えていた。


「以上が西の砦にて起こった報告で御座います。」


「そうか、ザラムはグレイの街の住民達の反乱によって殺されたか、ラプターを与えたと言えとも所詮は二等貴族。フン、余にはどうとでも良いことだ。だが、報告はまだ残ってるのだろう?」


「はっ!実はその住民達の中に白の国アインライト王国ミリウス王家第一王女であるフラン王女一行が関わっていた模様の様です。」


「ほう、まさかこの騒動にてフラン王女らが関わっていたのか、で、そのフラン王女らは?」


「西の砦の反乱から数日後、グレイの街を後にし次なる場所にへと向かいました。」


「・・・・・・王女らは何処にへと向かった?」


「私の推定によりますと、迷いの大森(だいりん)、恐らくグリーンハープ王国だと思います。」


「グリーンハープだと?その国は一月前、確か我々が・・・・・・。」


「はっ、帝国特級貴族十人将第七位、ケイオニウス=バハム=ディランダルフス伯率いる第七伯軍の手によって支配致しました。」


「そうだったな、それでグリーンハープの王女と(へき)のクリスタルストーンはまだ帝国本国には届かないのか?」


「はっ、それがグリーンハープ王国の対外守護魔導外壁『風の結界』のその制御装置が破壊され修復に10日はかかります。」


「・・・・・・そうか、なるべく早急にしろと伝えろ。これ以上は余を待たせるなと・・・・・・。」


「はっ!」


帝国密偵は皇帝の間を後にする。


「待て。まだ貴様の名を聞いてなかったな。」


密偵は皇帝の方へと振り返り皇帝に向かって自分の名前を言い敬礼する。


「はっ、自分は帝国軍兵士、ディール=イノセンと申します。」


「ディールか・・・・・・、覚えておこう、行け。」


「はっ!それでは失礼致します。」


帝国密偵ことディールは皇帝に向かって再び敬礼し皇帝の間から退出した。皇帝と隣の側近、機械人形(マギウス)・エンプティは二人きり、皇帝は隣に立つエンプティに話しかける。


「フラン王女らはグリーンハープ、ケイオニウスには大きく期待はした方が良い、奴には機械人形(マギウス)をも越えたあの力があるからな、そうだろうエンプティ?」


『御意、第七伯軍とフラン王女らの戦力の差は天と地にも及ばずで御座います。』


「さあフラン王女、貴様はどう攻略する?ククク・・・・・・。」


そう言って皇帝は静かに微笑みだす。グリーンハープへと向かうフランら三人に向けて。


その頃、緑の国・グリーンハープ王国オベロン王城最下層地下牢室では一人の白髪の老人が上半身裸のまま両腕を拘束された状態で牢に幽閉されていた。


「・・・・・・・・・。!」


老人は直ぐ様に何かに気付いた。それは此方へと近づいてくる足音だった。足音は段々と大きくなりそして音は止みだす、何故音は止んだのかというと老人の閉じ込められた牢の入り口前に一人の男が立っていたからだ。


「地下牢の気分の方はどうですか?」


「・・・・・・・・・フン、言われるまでもない。」


「ほう、流石は『妖精将王(ようせいしょうおう)』の異名は伊達に飾り名では無いか、所詮数百年前の英雄もこんな牢獄に閉じ込められては只の老人に過ぎないか。」


「・・・・・・・・・。」


「また(だんま)りか、まあいい、こう見えて私は優しいのでな、質問するぞ、(へき)のクリスタルストーンと貴様の娘は何処に居る?耳長(エルフ)族長(おさ)、エルレギオン=オベロン=グリーンハープ国王陛下。」


「・・・・・・・・・。」


老人ことエルレギオン王は男の質問に答えず無言の状態を続ける、目の前の男、帝国特級貴族十人将第七位ことケイオニウス=バハム=ディランダルフスを相手に。

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