ザラムの切り札
リィフェside
あの時、アイツと共に買い物をした途中、私はもし食堂の店主の息子を助けず見て見ぬふりをしてたら、街の男達は暴動を起こし砦にへと突入してただろう・・・・・・。
そして現在、私は五階の通路に立ちはだかる大扉の目の前に立っていた。
私は扉を開け進みだす、何だ?この部屋の広さは一体、私は直ぐにこの部屋の周囲を見渡す。
「此処は一体・・・・・・、どう見ても只の大広間の様だが・・・。!!」
すると目の前の階段から誰かが一歩一歩とゆっくり降りてくる、私の前に現れたのは赤い服の貴族騎士、そしてグレイの街の女性らを奴隷にさせようとした張本人、私は男に向け剣を構える。
「まさかこの私が自ら行くとはな、少々私も溝鼠共を侮った様だ・・・・・・。」
「貴様がザラムか、グレイの街の女性達を全員奴隷するとは本当に人間の崩だな。」
「フン、威勢の良い小娘が粋がりおって・・・・・・、これを見てからには今のうちよ!」
ザラムは自分の赤服の右腕の袖を上げる、奴の腕には先程広場で倒した三等貴族騎士と同じく紫の宝珠を埋め込まれていた黒い腕輪・『門腕輪』を身に付けていた。
「ゴーレムでも呼んで私と戦うつもりか?残念だが、私はもうソイツの弱点を知ってるぞ。」
「ククク・・・・・・、フハハハハハ!!」
するとザラムは突然と笑い叫ぶ、何だ?このわざとらしい笑いは?
「貴様、何が可笑しい!?」
「・・・・・・私が何時、あんな動きの鈍い木偶の坊を呼ぶ何て言った?私が呼ぶのは・・・、コイツだ!!」
するとザラムの黒い腕輪が紫色に輝きだす。
「門・開門!!現れよ、ラプター!!」
ザラムの後ろ真上から次元の門の入口が現れ光速の物体が大広間から飛び出し浮遊した状態で私の前に立ちはだかる。
その機械人形の容姿はまさに翼竜に近い姿をしていた。
「何だ!?コイツは!!」
「これは機械人形・ラプター、皇帝陛下から託された
帝国軍が開発した新型の機械人形にして我が『切り札』!!ゴーレムとは違いコイツは機動性が高く空中戦や地上の敵を片付ける事が得意なのだ!!」
「くっ!」
まさか新型の機械人形が出てくるとはな、だが奴を倒せば、終わる!
「これで貴様に勝ち目は無い!ラプターよ、貴様の力をあの小娘に思い知らせろ!!」
「■■■■■ーーーーッ!!!!」
ラプターは急降下し高速の速さでリィフェに向かって翼で打ち込もうとする、リィフェは自らの剣で受け止め様とする。
「ぐっ!!」
しかしラプターの突進はリィフェを押し出され受け止められる事も出来ずに壁にまで吹っ飛び背中を打ち床に倒れる。。
「ぐわあっ!」
「まだだ、ラプターよ!『火球』!!」
「■■■■ーーーッ!!」
ラプターは鋭い嘴を開き火の球を倒れてるリィフェに向けて放ちだす、しかしリィフェは直ぐ様に立ち上がり火の球を素早く回避する。
「はあああっ!!」
私は回避の直後に上空に飛ぶラプター目掛けて飛び斬ろうとする、だがザラムはニヤリと笑いラプターに命令する。
「上昇しろ、ラプター!」
「■■■■■ーーッ!!!!」
ラプターは天井ギリギリまで上昇しリィフェの攻撃を回避する、リィフェの攻撃後ラプターは直ぐ様に元の高さへと降下し、リィフェは攻撃に失敗し床に着地する。
「ぐっ!」
「馬鹿め!馬鹿なそう簡単にラプターを傷つけさせれると思ったか!!」
「・・・・・・まだ、コイツが残ってる。」
するとリィフェは左手をラプターに向け構えて風槍の体勢に入る。
「風槍!!」
リィフェの左手から風槍が放たれ、その鋭い竜巻がラプターの襲いくる。
「ラプター、避けろ!!」
「■■■■■ーーーッ!!」
直ぐ様にラプターは右にへと避けようとする、だが風槍がラプターの回避行動より先にラプターの左翼に直撃する。
「やったか・・・・・・、!!」
私は驚いていた。ラプターの左翼に受けたダメージは全くの無傷のだった。
「馬鹿な、効いてないだと!?」
「当てた事は誉めてやる、だがそんな弱い攻撃魔法でラプターの身体を破壊するにはあと100回は必要だな。」
「ならその100回を食らわせるまでだ!」
「出来ると思うか?ラプター、最高の速さで鼠を殺せ!!」
「■■■■■ーーーーッ!!」
ラプターは消えるように超高速な速さで空中移動をする。
「消えた!?奴は一体何処に!!?」
するとラプターはリィフェの後ろを高速に回り込みリィフェの背中に向かって突進しリィフェの背中に直撃し、瞬間的にラプターは消え高速的に浮遊する。
「うあっ!!」
「まだだ!!」
するとまたラプターが現れ今度はリィフェの左横目掛け突進する、しかしリィフェは自らの剣で受け耐えるがラプターの速度を組み合わせた突進でリィフェは吹っ飛び床に倒れる。
「ぐああっ!!」
「そのまま維持し火球だ!!」
「■■■■■ーーーーッ!!」
ラプターは嘴を開き再び火球を倒れたリィフェに向けて放つ。
「まだだ!」
私は目の前の床に飛び込みラプターの火球をかわし直ぐ様に私は何とか立ち上がり剣先をラプターに向ける。
「はあああっ!!」
私は直ぐに飛び込み再びラプターに斬り込む、しかしラプターは残像の様に消え直ぐ私の後ろに入り右翼を私の背中に打ち込まれ床に衝突する。
「ぐああっ!!」
「フハハハハハ!!ラプターよ、今度こそ貴様の炎であの鼠を焼き殺せ!!」
「■■■■■ーーーーッ!!!!」
私の剣も届かない・・・・・・、風槍も弾かれた・・・・・・。
此処までなのか・・・・・・、父上・・・、姫様・・・、そして・・・・・・。
その時だった。一発の鉛弾がラプターの左翼に直撃しダメージを与える。
「な、何だ!?」
「今のは・・・・・・、まさか・・・。」
私は扉の方に振り向く、そこには傷だらけの布の服を着用した機械人形の男がラプターに立ちはだかる。
「悪い、待たせたな。」
「・・・・・・遅いぞ、馬鹿者。」
さあ、反撃開始だ。




