強襲、西の砦戦
フランside
動く馬車の中にて現在、沈黙の空気が漂っていた。私は心配していた。衝撃で落ちた二人の事を私は心配し二人の無事を心から祈っていた。
「(シュートさん・・・・・・リィフェ・・・・・・。)」
「姫様。」
私の目の前に座るイワンさんが私に声をかける。
「イワンさん・・・。」
「あの御二人なら絶対来ます、何せうちの息子を助けてくれた恩人方ですからね。」
「ええ、必ず来ます。」
「おーい、もうすぐ砦だ!!しっかり馬車に捕まってくれ、このまま門ごと突っ込むぞ!!」
私達は馬車の席の上にある手すりを両手で掴み突撃の衝撃に耐えるよう掴み押さえる。
その頃、砦の入り口である壁門にて門の左右を見張っていた帝国の兵士二人は私達が乗る馬車に気づきだす。
「おい、何だあの馬車は?」
「もしかしたら商人様の奴隷輸送用の馬車かもしれん。」
「け、けどよ何か止まる気配ないぞ?」
「何だと!?おい!そこの馬車止まれーーっ!!」
帝国の兵士二人は警告を良い放つも馬車は止まらず、二人の兵士は左右に慌てて避けだす。
「「う、うわああああっ!!?」」
馬は吠えながら壁門に向かって突撃、馬の突進の威力が速さに重なりそのまま門を破壊する。私達全員は直ぐ馬車から降りて広場に足を踏む。周りを見渡す。すると砦の入り口から数多くの帝国の兵士達が武器を構え私達に立ちはだかる。
「私が道を開きます、イワンさん達はそのまま砦の中に入って街の女の人達を助けに行って下さい。」
「・・・・・・それは出来ませんな、姫様だけを残したら俺等は王様に即首を跳ねられますわ。」
そう言うとイワンさんは背中に背負ってたバトルアクスを抜き構える、イワンさんに続き他の皆さんも武器を抜き構える。
「ん?」
「どうした、宿屋の?」
「上の窓に誰か居る・・・、恐らく貴族騎士と加担している奴隷商人だと思います。」
「何だと!?」「コイツも元凶か!!」「あのデブ、タコ殴りにしてやる!!」
「その必要はありません、何故なら・・・・・・。」
すると宿屋さんはいつの間にか弓を構え矢を引く準備をとっていた。
「私が倒すんです!」
宿屋さんは矢を放ち上に居る窓の外を除いてる奴隷商人の額に矢が脳天に突き刺さり倒れる。それを見た帝国の兵士は驚いてるも直ぐ様に今の状況に戻り私達に立ちはだかる。
「「「「「うおおおおおおっ!!」」」」」
「こう見えて私、元は弓兵だったんですよ。」
「そうか!さてと・・・・・・。」
イワンさん達は数多くの帝国の兵士達に向け睨み付ける。帝国の兵士達は褪せる、するとその内の一人が一歩だけ後退ると同時に足音が鳴る。
「突撃ィィィィィィィ!!!」
「「「「「うおおおおおお!!!」」」」」
イワンさんの怒号が響き帝国の兵士達はイワンさん達の怒号によって怯みだす。中には戦いから逃げようと後退りする人達も、だが砦の入口である大扉から青服の男二人、三等貴族騎士が外に出てくて帝国の兵士達に指示する。
「何を怖じけている貴様等!」
「帝国軍の文字に『撤退』は無い!逃げた者は『死』あるのみ!死にたくなければ目の前の敵を殺せ!!」
「「「「「う、うおおおおおお!!」」」」」
帝国の兵士達は三等貴族騎士らの言葉に押し付けられ武器を構えながら私達に向かって襲い立ちはだかる。
「行くぞ皆ぁ!!」
「「「「「おーーーーーっ!!」」」」」
イワンさんがバトルアクスを装備し兵士達に向かって突撃する、街の皆さんもイワンさんに続ける。
「帝国軍め、女房を返せーーーっ!!」「妻を返せーーーっ!!」「うおおお!娘を返せーーー!!」
街の皆さんが帝国軍と戦い始める。凄い、イワンさんを初めとする皆さんは大切な人を助ける為なら自分の命を捨てる覚悟を持ってる、私も、私も戦わないと!私は自分の剣を抜き敵兵の大群に向かって走りだす、私だって護られてばかりじゃない、私の目の前に多数の帝国の兵士が私に襲い来る!
「うおおおっ!!」
私は一人の帝国の兵士に向かって走り縦に斬り込む、だが兵士は自身の力で私の剣を自らの剣で力一杯に防ぐ。けど私に力は簡単には通じない、私は敵兵の剣を受け流すそれと同時に後ろに回り込み敵の背中を斬り込む!
「剣技・流!」
「ぐわあっ!」
倒した。まず一人目、私は直ぐ後ろを振り向く、二人の帝国兵士が私に立ちはだかり襲い来る。私は敵兵二人に向かって突っ込む、それと同時に剣の刃に私の魔力を流す、流し終えた刃は太陽の様に輝きだし目の前の二人の帝国兵士から数十歩離れた距離で私は斬り込む。
「衝破閃!!」
魔力の集まった剣を横に振り斬撃の衝撃波が放たれた二人の兵士に向かって斬り込まれる。
「「ぐわああっ!!」」
「これで三人・・・!?」
すると私の影が突然飲まれた。私は直ぐ後ろを振り向くそこには大柄な帝国兵士がハンマーを私に向けて振り下ろそうとする。
「うおらああああっ!!」
「しまった!」
絶体絶命の瞬間、やられる!?そう思った途端、敵兵の動きが止まった。帝国兵士が前に倒れる、倒したのは兵士の後ろにはバトルアクスを持ったイワンさんだった。
「大丈夫ですか!?」
「イワンさん!」
「後ろの連中は俺に任せて下さい!」
「はい!」
そう言ってイワンさんは後ろの敵勢に向かい挑む。私は目の前の敵勢に集中し斬り込む、その頃右隣では数十人の敵兵挑んでいた。
「ほいっ!はいっ!」
「うぐああっ!」「ぐはっ!?」
ゼペッドさんが小柄な体格を応用し自分の杖で数十人の兵士達の顔や腹に叩き込む、この方は確か魔術師だけどこんなに身軽に素早い何て凄い。
「この爺を囲んで斬り込むぞ!!」
「「「「「おう!!!」」」」」
一人の兵士が掛け声と共にゼペッドさんを囲み武器を構えゼペッドさんに襲い掛かる。
するとゼペッドさんは自分の杖を地面に突き刺し杖を踏み台にすると同時に突き刺さった杖を素早く取り空中で攻撃魔法を放つ!
「『隕石の雨』!!」
ゼペッドさんは杖を真下の敵兵達に向け魔法攻撃を放つ、すると杖先から魔法陣が現れ小隕石が雨の様に多く放たれ敵兵達に直撃する。
「「「「「ぐわあああっ!!!」」」」」
「ほっと。」
ゼペッドさんは地面に着地する、背後に帝国の兵士がゼペッドさんに襲い掛かる、しかしゼペッドさんは後ろを振り返らずに杖で敵兵の溝を無言に突く、そして目の前の兵士達に向け睨む。
「年寄りを甘く見るなよ若造共。」
「「「くっ・・・。」」」
「(私も・・・・・・、私も負けない!!)」
私は敵兵達に向かい私の剣で連続に斬り込む、更に後ろの敵兵に直ぐ気づき私は左の回し蹴りを敵兵の腹に打ち込み倒す、更に目の前に一人現れ私は敵の攻撃が行われる前に素早く斬り込み倒す、更に目の前に三人の敵兵が私に襲い来る。私は屈しない、私だってシュートさんやリィフェに護られてばかりじゃない、私は己の剣に敵兵の剣をぶつけるそれと同時に受け流し素早く後ろに入り込み背中を斬り込み敵を倒す。
「くっ!!」
そして直ぐ後ろを振り返り目の前の敵兵の剣に素早く打ち込み受け流しと同時に後ろに入り込み再び敵の背中を斬り込み敵を倒す。
また更に振り返り敵兵の槍に打ち込み受け流し素早く後ろに入り込み敵兵の背中を斬り込み敵を倒す。
それを三度繰り返すのは疲れる・・・・・・。
「これで十六人・・・。」
その頃砦の入り口前に立っていた三等貴族騎士はフランを初めとする数十人の勢力に押される事を予想外に驚いていた。
「ど、どうなってるんだ!?たった数十人で50人近い兵力が押されるなど!?」
「少数で押される等我等帝国貴族騎士にとってはもはや『恥じ』!」
「こうなったらやむを得ない!腕輪を機動するぞ!!」
「ああ!!」
二人の三等貴族騎士は自分の右腕に身に付けている黒い腕輪に埋め込まれていた紫の宝珠に右腕を掴んだまま叫んだ。
「「門・開門!!現れよ、ゴーレム!!」」
突如三等貴族騎士二人の腕輪が輝きだし、私達と帝国兵士達の前に大きな次元の空間が二つ出現した。
空間から二体の巨人、機械人形・ゴーレムが広場の地にて立つ。
「フハハハハ!三等貴族騎士を舐めては困るぞ屑共、ゴーレム!!街の溝鼠共を一気に掃除しろ!!」
「「■■■■■ーーーーッ!!!」」
二体のゴーレムはゆっくりと私達に襲い掛かろうと立ちはだかる、あれを倒さない限り砦には入れない、このままでは街の女の人達を助けられない!
「どうしたら・・・。」
その時、何かが聞こえ始めた。音の方角は砦の反対方向から、夜空に一つの星が輝き光る、あれは流れ星?いや違う、あれは!!
「「うわああああああっ!!?」」
空から私の知る二人、シュートさんとリィフェが空から落ちゴーレムの真上に落ち直撃する。
それにしても何で二人は空から落ちてきたの!?
「■■■■■ーーーーッ!!?」
「こ、今度は何だ!?」
三等貴族騎士の一人が驚き、ゴーレムは左肩が破損され左腕が使えなくなる。
落ちた方向砦の岩壁に土煙が出来、二つの人影が現れる、そして人影、土煙は晴れ二人の男女が私の所に駆けつけて来る、そして私は彼等の名前を呼ぶ。
「シュートさん!リィフェ!」
空から落ちてきた二人は土煙から出て早く私に気づき、私と居る所に急いで合流する。
「待たせたな、フラン。」
「御待たせしました、姫様。」




