届け、あの人の所へ・・・。
リィフェside
暗い・・・暗い・・・、此処は何処だ?周りが闇に纏われて何も見えない、すると私の目の前に光が現れた。光の中には重い鎧を身に付けた男が後ろ姿で立っていた。男は後ろを振り向き私の方を
見た。私はこの人の事を昔から知っている。私が産まれた時から。
「父上!」
「・・・・・・・・・リィフェ。」
闇の中で父と再会する何てまさか私は死んだのか?こんな事はどうでもいい!そう思い私は父の所に向かって走り出した。
私は父の所に走り続ける、けど、父の所には何故か届かない、逆に父との距離が遠くになっていく。
「何故ですか父上!何故私から離れていくのですか!」
「リィフェ、お前はまだ此処に来ては行けない・・・・・・。」
「!?」
「生きろ、そして姫様を頼む・・・・・・。」
そう言うと父上の姿が消え去る。
「父上!父上ーーっ!!」
闇の空間にて私の前に光が現れ私の意識もろとも空間が消滅する。
「父上!・・・・・・?」
ここは?そうだここはグレイの街だ。何故私が店の壁に寄って倒れていたんだ?
「ようやく起きたか。」
「!」
私の隣に一人の男が店の壁に寄って座っていた。私はこの男の事を知っている、私は奴の事を『変態』『化け物』と呼んでいた機械人形の男だった。
「お前、どうしてここに!?」
「どうしてってお前が馬車から引きずり下ろされ殺されそうになった事忘れたのか?」
「私が貴様を殺そうとした?、・・・・・・!?」
私は思い出した。そうだ、間違いない、私の中の『憎しみ』がやった。私はコイツを斬りかかろうとした。そして私はコイツを殺そうとした。だが、私にコイツと戦う戦意などもう無い。そして私に姫様を護る資格はもう無い。だが私はそう言おうと思った途端。奴は直ぐ立ち上がり私の目の前に入り先に私に話し掛ける。
「リィフェ、その、・・・悪かったな、お前の事を叩いてしまってよ。」
奴は私に謝罪をした。何故だ?悪いのは私なのにどうして貴様は謝らなければならない。
「お前がフランを結構信頼してたのも出会っときから既に気付いていた。だけど突然俺が入った事でお前の中の俺への怒りと憎しみが芽生えてた何てよ、自分の名前と記憶を取り戻した時俺に剣を向け殺そうとした事も・・・・・・、リィフェ、本当にすまない、西の砦での事が終わったら俺は直ぐにでも二人の所から去ろう・・・・・・・・・。」
「・・・・・・貴様は何馬鹿な事を言ってるんだ?」
私は何故か立ち上がり奴の服の袖掴ませながら奴の体を壁に強く叩き込む。
「!」
「何を言ってるんだ貴様は!?姫様はお前の事も信頼しているんだぞ!何突然と別れ際を言わせるんだ!貴様は姫様を悲しませたいのか!!」
何だ?何故私はこんな事をコイツに言ってるんだ!?だが奴は私の言葉をきいて驚いていた。私は無意識にコイツと話続けだす。
「もしあの時、お前を助けなければ私と姫様は今頃帝国軍に捕まっていた!お前が居たから今の私達が居た!もしそんな別れ際な事を再び言ってみろ!!私はお前を許さない私はお前を憎みそして殺す!!だから私と共に姫様を護れ!!」
止めろ、こんなのは私なんかじゃない!こんなの・・・こんなの・・・。
「シュート=レジス!!」
「・・・・・・・・・。」
「はぁ・・・はぁ・・・。」
私は何てとんでもない事を奴に沢山言ってしまったんだ!何時もの私なら冷静な態度をとるのに、まさか私がこんなに熱くなるなんて!恥ずかしい!直ぐにでも穴を掘って自分を埋まりたい気分だ。と、そう思った矢先・・・・・・。
「そうだな、リィフェ。」
「!」
「お前の言う通り、俺も目が覚めたよ。どうやら俺も少しお前の言葉に響いてたのかもしれないな。」
「お前・・・。」
「それにしてもまさかリィフェがこんなに熱い奴とは思わなかったな、どうしてフランの前でもやらなかったんだ?」
「なっ!五月蝿い!も・・・もし、こんな私を姫様に見せたら、どんな屈辱な目に合うか解らないんだぞ!」
「そうか?俺はさっきのお前の方が良かったと思うけどな、『ありのまま』で良いじゃないか。」
「『ありのまま』?何だそれは?」
「えっと、簡単に言えばだな、その・・・、本当の自分を見せるって事かな。」
「ありのまま・・・。」
ありのまま、本当の自分か・・・、そういえば父上が殺されたあの日以来、私は剣を握り魔法騎士になってからは一度も本当の自分を皆に見せた事は一度も無かったな。
「悪くはないな・・・・・・。」
「ようやく笑ったな、お前。」
「えっ!?」
笑った?この私が!?
するとアイツは私の目の前に右手を差し出した。
「それは何の真似だ?」
「握手だよ、握手。」
アイツは私に握手を求める、だが私はアイツの手を振り払い直ぐ様に私は振り向き、目の前の道、貴族騎士の居る西の砦の方に向ける。
「フン、・・・・・・『これ』はこの戦いが終えた時だ。」
「解った。行こう!!」
そう言って私達は街を走り始める、街の正面、角を曲がり目の前に西正門が見える、街を出て直ぐ真っ直ぐ行けば西の砦だ。そう思った矢先、西正門の前には帝国軍の兵士が多くいる、その内の一人、青服こと三等貴族騎士が居る、だが、立ち止まる訳にはいかない!
「今から貴様の後ろに入り込み風槍を放つ、放つと同時に直ぐにしゃがみ込んだ状態で走り続けろ。」
「了解。」
アイツは私の指示通りに私の前に走りだす、私は走りながらの状態で左手に魔力を集め風槍を放つ準備に入る。
「ん、何だ!?」
目の前の三等貴族騎士が近付いてくる私達の存在に気づく。
「先程の馬車と同じく突破する気か!だが一度は逃がされても二度目は逃がさん!全員武器を構えろ、そして誰一人も砦までの道を通すな!!」
「「「「「はっ!」」」」」
帝国軍の兵士達が武器を構える、だが遅かったな気づくのが、既に私は突破する準備は出来ている!
「今だ、しゃがめ!」
「おう!」
アイツは私の指示通りにしゃがみながらの状態で走り続ける、その瞬間私は奴の背中を飛び台にし貴族騎士を含む帝国軍の兵士達の地面に狙いを定め私は風槍を放つ。
「うおっ!」
「風槍!」
放たれた風槍は帝国軍の兵士達が居る目の前の地面に直撃し土煙を作り出す!
「うああっ!?」
「うわあっ!?」「な、何だ?煙が!?」「目が砂に!!」
貴族騎士を含む兵士達全員は土煙に呑まれ一時的に視界を奪わせる、その間に私達は連中に攻撃せずこのまま西正門を抜け街の外にへと出る。
「なっ!しまった!!」
一人土煙から出た三等貴族騎士は私達二人が突破された事に気づく、直ぐに貴族騎士は指揮をとり兵士達に命令する。
「何をしている貴様等!直ぐにあの二人を追え!!」
「「「「「は、はい!!」」」」」
兵士達は直ぐ様に私達を捕まえる為に追いかけ始める。私達との距離は結構ある、だが西の砦に着く前に連中に追いつかれ私達が捕まる事もありうる!どうすれば!?
「ん?」
「どうした?」
突然とアイツの様子が可笑しくなる、どうしたんだ一体?そう思いきやアイツは私に予想もしない事を頼みだす。その頼みとは・・・・・・。
「直ぐに俺の左手を手にしろ!」
「はぁ!?」
私は驚く、何を言ってるんだコイツは一体!?
「突然貴様は何を言ってるんだ!?この変態が!!」
「いいから早くしろ、出ないと俺を『見失う』事になるぞ!!」
「!?」
そうだ思い出した。コイツは人間じゃない、機械人形何だ。コイツの力は帝国のゴーレムをも破壊する実力を持つ、なら仕方が無い、アイツに頼るしかない!私は仕方なくアイツの左手を掴む。
「貴様の手掴んだぞ!」
「掴んだな!よし、『音速噴射』!!」
「へ?」
一体何を言ってるんだコイツはと思いきや一瞬だが私の目の前の世界が変わった。何で私達はこんな所に居るんだ!?何故私達が空を飛んでいるんだ!?と、私は絶叫する、何故ならこの場には地面が無いからだ!!
「うわああああああっ!!?」
「うおおっ!!」
私は直ぐ様にアイツに抱き付く!空を飛ぶのは世に生まれて始めてだ。これは不味い、私死んだ・・・・・・。そう思った途端奴は突然と飛ぶ角度を下げ始める。
「西の砦が見えてきた。今すぐ地面に着陸するからしっかり俺に捕まってろよ!!」
「何だと!?うわああああああっ!!!」
私は降下する速さに驚き絶叫の様な悲鳴が叫びだす、もうすぐ地面に落下するからだ。決めた。全部片付けたらコイツは即簀巻きにしよう。と、私は自分の身が助かるように心から祈った。




