食堂での御礼
食堂の親子に招待された俺とリィフェは食堂の店の中にて俺ら二人は隅っこの席に座っていた。
《エネルギー残量残り8%意識停止まで残り11分。》
・・・・・・それにしても俺の腹結構空いてきた。そう思ったら食堂の親父が厨房から出て来て両手に料理を持ちながら俺達の隅っこの席にやって来た。
「お待たせしました。私はこれしか料理は出来ませんが味は結構な腕前ですよ。」
食堂の親父が笑いながら俺達の席に二人分の料理を置く、用意した料理は野菜の入ったホワイトシチューとパンだけだった。
「では、御言葉に甘えて・・・・・・。」
「頂きます!」
俺は直ぐ様に手作りのホワイトシチューとガツガツと食べ始める。俺結構お腹空いてたからな、俺の中のエネルギー残量が徐々にだが回復していく。
《食事により、エネルギーの補給開始。》
「うん、上手い!」
「そうだろ!父ちゃんの作ったシチューはこの街で一番何だ!」
すると食堂の親父の後ろに先程帝国の貴族騎士から助けた少年、食堂の親父の息子が横から入ってきた。
「こら!お客さん方の食事の邪魔するんじゃない!」
食堂の親父は息子の頭目掛け右手で拳骨をする。
「痛ってぇ~!!」
「フフフ。」
「ん?」
「!」
俺はパンをかじりながら目の前の席に座ってるリィフェを見る、笑っていた。けど俺が見てる事に気づき直ぐ俺を睨む顔をした。
「申し遅れました旅の方々、私はこの街で食堂を経営していますイワンと申します。そしてこっちが息子のナックです。ほらナック、挨拶しろ。」
「宜しくな!お兄ちゃん!お姉ちゃん!」
食堂の親父と息子、イワンさんとナックはペコリと挨拶をする。ふと気付くと俺はシチューを完食してしまった。
《エネルギー補給完了(チャージアウト、現在のエネルギー残量65%)》
「ご馳走さまでした。美味しかったです」
「そうですか、有り難う御座います。こんな不味いシチューを全部食べてくれる方は本当に経営者として感謝しています。」
そう言ってイワンさんは俺達に御辞儀する。俺は真剣な眼差しで
イワンさんにこの街の状況を聞き出す。
「ところでイワンさん、この街って一体・・・・・・。」
するとイワンさんは少し悲しげな表情をし俺達に話し始める。イワンさんは懐から袋を取りだし5枚の銀貨をナックに渡す。
「ナック、これで菓子か何か買ってこい。」
「解った!じゃあお兄ちゃんお姉ちゃん、また後でな!」
そう言ってナックは食堂を飛び出し外にへと向かって行った。イワンさんは隣の客用の席に座り始めこの街の今の状況を話始める。
「この街、グレイの街は私の爺さんが産まれた時からの故郷でした。自分は若くしてこの街を離れある仕事をしていまして。そこで妻と出会い結婚し、そして息子が産まれたと同時に前の仕事を辞め故郷に戻り爺さんの代から続くこの食堂を次ぎました。それから十年後、今年の二月前に帝国軍が現れ早急にこの街は占領され、私の妻を含めたこの街の女達は皆『西の砦』に捕まています、全ては砦の支配者である二等貴族騎士、ザラム卿の仕業です。」
「「・・・・・・。」」
するとイワンさんは苦味な顔をして目の前のテーブルを強く右の拳で叩いた。
「私は、帝国軍が憎い・・・、貴族騎士が憎い・・・。奴等に歯向かい戦おうとも考えました。ですが、現在この街の周囲は帝国軍の三等貴族騎士を始め多くの兵士達の警備が厳しく・・・・・・。私達の知識ではどうも・・・・・・!!」
するとイワンさんは目の前の俺達を見て気づいた。するとイワンさんは突然頭を下げ俺とリィフェにお願いを求めた。
「帝国軍の貴族を凝らしめた貴殿方にお願いがあります!どうか『西の砦』に居るザラム卿を倒しこの街の女性達を、私の妻を助けて下さい!」
「「・・・・・・。」」
イワンさんの突然のお願いにていきなり過ぎて何を言えばいいか分からない、沈黙がつき走り出す。
「すまないが、断らせて貰う。」
先に言い始めたのはリィフェの方だ。ちょっと待て断るって・・・・・・。
「!?」
「ど、どういう事ですか!?」
イワンさんがリィフェに向かって言う、リィフェは冷静にイワンさんに向かって話始める。
「私達は帝国軍を倒す為に旅をしてるのではありません、私達はある物を探して旅をしている、先程の帝国貴族は只貴方の息子が殺されそうになったところを助けただけです。」
「おいリィフェ!まさかとは思うが、このまま黙って連中を見逃せと言うのかよ!!」
俺は直ぐ様に席を立ち上がりリィフェに言う。だがリィフェは俺の意見も聞かず冷たい目で睨み付ける。
「駄目だ。私達がこの街に来た目的は食料と日用品の物資補給。それ以外の行動は絶対に認めない。」
「・・・・・・そうですか。」
リィフェはイワンさんの作ったシチューとパンを食べ終え直ぐに席を立ち上がり立ち去ろうとする。
「そろそろ宿に向かうぞ、これ以上待たせる訳にはいかないからな・・・・・・。」
「・・・・・・わかった。」
俺は直ぐ席から立ち上がり、俺は席に座っていたイワンさんに食事の礼を言う。
「シチュー有り難う御座います。」
俺とリィフェは食堂を後にしフランの居る宿にへと向かった。本当にこれで良いのか?リィフェだって本当はこの親子の事助けたいた思っている。無論俺もこの街を救いたい。とりあえずフランにこの事を聞こう、彼女ならもしかしたら協力してくれる筈だ。




