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小さい足、中ぐらい、大きな足。

作者: ロスタイム

霜柱、小さな足が、シャリシャリと踏みならす。

水たまりの氷を、小さな足が、バリバリと踏みならす。

凍てつく、耳もちぎれそうな寒い朝、吐く息は、白くても、小さな足の集団は、鍋から立ち上る湯気のような、白い息を吐きそれをすることに一心不乱になる。

傍らを足早に急ぐ、中ぐらい、大きい足は、 それを、いちべつするもの、見向きもしないもの、見てほほえむもの、中ぐらい、大きい足は、自分の心を、シャリシャリと、バリバリといつも踏みならす。

霜柱、水たまりの氷を、踏みつける気持ちいい物だった。

今はできない。 今は自分の心の中のそれを、愛していた者、大きい足の、憎み、いみきらう者に、シャリシャリと、バリバリと、けちらされてしまう。 白い凍てつくような息を吐きながら、中ぐらい、大きい足は、その傍らを足早に急ぐ、私の心の中の、霜柱、冷たい氷は、誰にも、踏みつけ、ケチらされることもない。まるで、誰もいない、シベリヤのツンドラのような永久凍土だ。大きい足の、見ず知らずの者でもいい、踏みにじられてもいい、その足のわずかな温もりで、私の心の、霜柱、氷を溶かしてください。 寒さで凍てつき、ふるえながら吐く、白き息を、鏡が曇るぐらい、暖かき物にしてください。 生きることを急ぐ、大きな足の私。

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