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ウエスリア大陸へようこそ  作者: 猫娘
始まりは突然に
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さぁ出発だ。

 しばし、私は考える。


 太陽が眩しいね。

 霧もすっかり晴れてるねぇ。

 遮るものが何もないよ。

 紫外線パワーは凄いねぇ。

 どんどんとメラニンが増殖されているよ。

 前方の巓は白く色づいているねぇ。

 冷えるはずだよ。

 あぁ、赤茶げた火山口。

 煙りは出てないね。

 良かった良かった。


 って!

 何?何?何なのよーっ。

 まだお山の上?お山の上にいるの?私?

 マジなの?

 トイレいきたい……。

 う~っ。モヨオシテキタ。

 コンビニ……消滅してるやん。

 私、店内にいたよね。

 お店で眠っていたよね。

 イカン!間に合わん!


 「コンビニーズっ」

 大声が山々に跳ね返って、木霊する。

 ズ~ズ~ズ~ズ~。


 はい。

 ドロリンパ。

 コンビニ再現。


 おぉ~。

 感動しつつも、まずはトイレに猛ダッシュする。

 ふ~っ。

 これは、真剣に考えねばヤバい予感が沸々とする。

 夢とは思えない、この感じ。

 戻る方法が微塵も浮かばないよ。

 このままコンビニでじっとしてる?

 でも、ここ山頂だし。

 周囲も山が連なってるし。

 雲は遥か下に浮かんでいたし。

 高度も高い気がするよ。

 一体全体、どこのお山よ。

 所謂、テレポートしたってこと?


 もっとおかしいのが、私の言葉でコンビニが現れたこと。

 寝て起きるとコンビニは消滅していたけれど、再現が可能。

 私は魔法使いか!

 う~ん。理解できない。


 理屈で考えるな!体で感じろ!


 とりあえずは、下山しよう。

 こんな日差しが厳しいところ、お肌にも大敵だよ。


 必要なものをリストアップする。

 靴、服、水……。

 倉庫や休憩室に、置いてあるかな。

 おっ、お水ちゃんと流れてくれるね。

 洗面所もお湯が出るし。

 顔も洗っておこう。

 ……。

 は?

 ワタシワカクナイデスカ?

 鏡にうつる自分の顔を凝視する。 

 アナタイクツデスカ?


 モモはまだ、16だから~。


 おぉ~っ。 

 バシャバシャ顔を洗う。

 16です。16才の私です。

 イヤ、15かも知れないけど。

 とにかくあの頃の!私です。 


 興奮してきたゾ。

 ウホウホウホ。

 お肌砂漠じゃないよ~ん。

 クマゴロウもないよ~ん。

 薔薇色のぷくぷくほっぺに、キラキラのぱっちりお目々。

 ツヤツヤ唇に烏の濡れ羽色の黒髪。


 フッ……。

 ワタクシウソヲツイテシマイマシタ。

 若返ろうとも、鈴木桃。

 それ以上でもそれ以下でもない、鈴木桃。

 フッ。

 それでもニマニマしつつ、店内を探る。


 ないねん。

 隣の部屋に続く、ドアがないねん。

 ロッカーも倉庫もないねん。

 く~っ。

 頭を抱えながらも捜査を続ける。

 目ぼしいものは、タオルと靴下と下着とTシャツ、スリッパ。

 レジ裏の棚から非常用リュックを探り出す。

 薬箱が入っていた。

 素人下山だ。

 役立ちそうな気がする。

 でも、肝心の靴と服がない。


 とりあえず、在るもので代用してみる。

 Tシャツを着こんで、パジャマの上からバスタオルをマント風にかける。

 風で飛ばないように、安全ピンでとめる。

 靴下を二枚ばきして、スリッパを履く。

 歩きにくそうだけど、紐でくくりつける。

 この位しか、私には策がない。

 フェイスタオルと水と飴とチョコとメロンパンをリュックにつめる。

 取り合えずの、私の旅のお供だ。

 準備はOK だ。

 ガラスにうつる私の風体を見て、思わずポーズをとってみる。


 マントマン登場~!


 さて、マントマンよ。

 そろそろ旅立たねば。

 よし、とりあえず出発だー。








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